Euro BBA League 2020 – バスケットボールリーグ戦|レポート

Euro League 2020にご参加いただいた皆様へ

2020年度、Euro BBA leagueご参加いただいたチーム関係者の皆様、またEuro League大会運営にご理解とご協力を下さった皆様に心より感謝いたします。

新型コロナウイルスの猛威は未だに完全なる終息の見通しは立っておりませんが、バスケットボール関係者の皆様がバスケットボールを取り巻く環境を少しでも良くしようと、日々奮闘されていることとお察しいたします。

2020年度の大会にご参加された皆様には、来場される方全員の健康チェックを実施し、各節ごとにチーム関係者全員の健康チェック表の提出、会場内でのマスク着用と消毒の徹底、観戦スペースや来場人数の制限など、 大会期間中全ての場面で新型コロナウイルス感染予防対策に基づきご協力をいただきました。
参加者の皆様全員が一丸となった取り組みのおかげで、大会期間を通じてチーム関係者の皆様からの新型コロナウイルス感染関連の報告はございませんでした。

かつて経験したことのないこのコロナ禍で、感染症予防対策を同時に実施しながらの開催ということでしたが、全員で力を合わせる事によりこの困難な状況の中で試合を開催する事が可能となったのだと思います。

昨季リーグ終盤はコロナ禍に巻き込まれ、すべての試合終了を待たずして中止という結果にはなりましたが、Euro Leagueの理念を少しでも多くの方に感じていただき、 「より多くの子どもたちに試合の出場機会を与える」ということを微力ながら進めていくことができました。
運営側として改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

また2021年度のEuroLeague開催に関しては、開催時期や開催規模などを含め現在検討中の段階です。このコロナ過において試合開催に関わる周辺環境が整い次第皆様にもお知らせしていきたいと思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。

Euro BBA Leagueを通じて実現した育成環境

今季はWinterリーグを2020年10月~2021年3月までの期間でリーグ戦を展開する予定でおりましたが、2021年1月8日より発令された緊急事態宣言に伴い2021年1月以降のリーグ戦の中止を決定したため、 2020年12月末(最終節12月27日)までの約3ヶ月間、定期的にリーグ戦を開催いたしました。

Summerリーグ(6月~8月)も開催を予定しておりましたが、同じく新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点、そして1回目の緊急事態宣言下、 長期間の休養の後、対人練習や接触練習が不足している中での実戦形式、そして継続的なリーグ戦展開に伴う事故や怪我のリスクをを考慮し、安全と健康を第一にSummerリーグの開催は見送りさせて頂きました。

今季の兆候として、EuroLeagueに参加されるチームの中にも各都道府県協会主催のリーグ戦にエントリーされているチームが増えてきました。
各県の地域リーグ戦の試合日程によっては、EuroLeague開催期間中と日程が重なり、EuroLeagueでの試合可能な日程が限定的になってしまう事が予想されたことから、 予め各チームの参加可能な日程を事前にリサーチし、チームの参加期間が限定的な場合でもリーグ戦に参加しやすく、 またリーグ戦期間中に試合が滞ることのないようリーグ全6ヶ月の期間を2ヶ月ごとの短期シーズン(3シーズン制)に区分けした中で各チームにエントリーをして頂きました。

各チームのスケジュール次第では、試合可能な時期に偏りがあるケース、また急なスケジュール次第変更等でリーグ戦進行にも支障が出る事がありますが、この3シーズン制を活用する事により、 昨季よりもより柔軟かつ円滑に試合を進行する事が可能となり、定期的な試合環境の供給が実現出来ました。
(1st:10月〜11月、2nd:12月〜1月、3rd:2月〜3月)

また、今季はコロナ禍でのリーグ戦開催でもあったため、新規参加チームの募集を断念し、昨季以前よりご参加いただいていたチームの皆様から参加可否の調査を行い、希望されたチームが可能な範囲でご参加いただく形式で試合を開催してまいりました。

より多くの子どもたちに試合の出場機会を与える

今季のWinterリーグでの開催試合数実績は、
1stシーズン|全9節のうち46試合開催 参加チーム数23チーム(計約550人)
2ndシーズン|全4節のうち33試合開催 参加チーム数27チーム(計約340人)
以上のチーム、選手にリーグ戦にご参加いただき試合を開催してまいりました。
※ひとつのチームからカテゴリーを分けて複数のチームとして登録もあり

2ndシーズンも1月以降の開催が可能となっていれば残り33試合を実施する予定でおりました。
3rdシーズンに関しては全て中止となりましたが、既存チームとエキシビジョンゲームを含め少なくとも53試合の試合開催を予定しておりました。

Euro Leagueでは、U12、U14、U16の3つの年代に分けで実施しています。

今季もひとつのチームから複数のユニット(チーム)を作り、年代別チーム、能力別チームのエントリーを可能にしました。
実際に今季はU15カテゴリーにU14選手が主体となるチームのエントリーなど、カテゴリーアップでの登録を希望するチームも複数ありました。

こうした取り組みを実行する事により「拮抗したゲーム」の展開がより実現可能となり、選手の試合における緊張感などが高まったように感じます。

しかしながら全てのカテゴリーの皆さんへ向けた「より多くの選手にとってより良い試合機会を創出する事」は課題として残されており、今後の大会運営においては試合の価値を高めるためのより良いアイデアや、EuroLeagueに参加する皆様にとって満足が高まるための工夫が必要だと感じております。

育成と勝利への”ANDの才能”を発揮する

年代別、能力別にチームのエントリーを可能にすることで、より実力の拮抗した試合、白熱した試合の経験というものを積むことができることに繋がり、子どもたちの成長に大きく貢献すると私たちは考えています。
ご参加いただいているチームの全ての選手に、有意義な経験を積める環境を作ることが重要です。

リーグ戦においては、トップレベルにある選手をさらに鍛えるための試合だけでなく、いかなる能力の選手にも、拮抗した試合の経験ができる可能性があるところに大きな意義があるといえます。

選手に対しては成長に目を向けた高いモチベーションで試合に挑むことを望む一方、私たちはこの大会にどのような価値を創造し、なにを付加していくのか?
この問いの上質さこそが、育成世代の試合にとって大きな価値を生み出すのではないかと考えています。

今後も選手がより没頭するような試合を展開できるよう環境作りに努めていきます。
まだまだ運営面での課題を感じる事も多い年でしたが、引きつづき真剣勝負の機会、質の高い試合経験を提供していくとともに、育成世代に寄り添っていく事でなりうる最高の自分を目指せる環境を作っていきたいと考えています。

話は変わって、この試合における価値というものは、そうしたバスケットボール選手ならでは成長という部分だけではないと思っています。
Euro Leagueを通して試合環境そのものに感謝の気持ちを持つことであったり、いかなる試合展開にも全力で取り組み、お互いにベストを尽くすことの大切さを学ぶといった、試合を通じて人格を磨く機会になれればと思っています。

私たちERUTLUCはEuro Leagueを通じて育成と勝利のどちらも獲得するというダブルゴールを目指しています。
それは選手としての成長だけでなく、人としての成長も含まれます。また選手が試合を経験し成長するだけでなく、保護者・指導者・レフリー・テーブルオフィシャルズ、あらゆる人間にとっても同様に成長の機会であるべきだと考えています。
ご参加いただくチーム関係者全ての方々にリーグの理念を共有し、お互いにリスペクトの気持ちを持った中でリーグ戦を開催することで、バスケットボールだけでなく人間的な側面の成長にも貢献していくことが私たちの願いです。

新型コロナウイルスによって得られたものと失われたもの

2020年度は年間を通じてバスケットボールのみならず、日常生活においても制限が多く我慢の多い年となりました。

対面式の行事、集団での行動、屋内での活動、などスポーツの試合はおろか私生活においてすら様々な制限が課せられ、満足に練習すらにできない時期が長く続きました。
私達が知る限りでも多くのスポーツのイベントや大会が中止となったと認識しておりますが、実際その総数は計り知れないものだと思っております。
そのような非常事態の中、失われてしまった時間、獲得できたはずの経験、それら数多くのものがあり「普段通りであれば」と卑屈になる状況が多々あったかと思います。

しかしながらバスケットボールへの愛情に溢れるチーム関係者の皆様、そして保護者の皆様、選手の皆さんの持つエネルギーには確かな力があり、 その一つ一つの熱意が力となってEuro League(大会)を開催することができたことは、私たちにとっても価値の高いものあったと感じております。

緊急事態宣言が解除されたことにより、失われていた「バスケットボールの練習」や「試合機会」を取り戻していった際の感動や喜びは多くの方々が口にしていました。
当たり前であったことが当たり前ではなくなり、感染予防対策を講じながら「当たり前」を取り戻していく過程では、 誰もがその「当たり前」というこれまでの日常に対しての感謝の気持ちが芽生えたのではないでしょうか。
この世界規模で起こった災害を教訓に、試合を取り巻く環境への敬意、感謝の気持ち、など人間としての本質的な部分を絶対に忘れてはいけないのだと、 再認識ができた事は後々に影響する大きな収穫だったと感じております。

しかしこの1年間、このような話を耳にすることが度々ありました。

「外出自粛によりモチベーションが下がってしまいました」
「大会が中止となり目標を見失ってしまいました。」
「バスケットボールから長く離れる事により、バスケットボールへの熱が冷めてしまいました。」

これらの理由からバスケットボールそのものから離れてしまった事例です

特にこれから熱意を芽生えさえようとしていた始まりの選手たち、またこれまでの経験から多少の迷いのあった選手たち、 そういった子達にとって、バスケットボールの本番の舞台ともいえる試合がなくなった事へのショックが大きかったのは間違いないものだと感じました。

子ども達にとって試合とは本当にかけがえのないものであり、その環境が強制的に取り上げられてしまった事は、バスケットを辞めるという決断にまで至る大きなショックだったのだと痛感いたしました。
「試合は大切だ」試合の重要性や、楽しみの本質的なものであることは頭や言葉では今までも理解していたはずの事ですが、 これほどまでに大きな存在だったという事、必要な環境であったことを物語っているように感じます。
改めて選手にとって「試合」という環境は必要なのだという事を理解し、「より多くの試合機会」というものを大切に、私たちはより良い形で提供していけるよう今後も努めてまいります。

Euro League 2020 winter 結果

▼Euro League 2020 winter 1st 結果表▼

▼Euro League 2020 winter 2nd 結果表▼

今後の取り組みについて

ERUTLUC 大会運営事業として、Euro Leagueの継続的な開催を視野に入れながら、今年度は新たな育成環境の醸成にチャレンジしていきます。

その中のひとつが3×3(3人制バスケットボール)大会の開催です。
この3×3の試合環境を育成世代に向けて継続的に供給していく事が2021年度の私たちのチャレンジの中核となるものです。

近年、各都道府県の連盟主催によるリーグ戦形式の大会が数多く開催されるようになってきています。
学校の部活としても、クラブチームとしても参加出来る大会が増え、そしてリーグ戦文化が身近になってきた事は育成年代にとって価値のある事だと思います。
EuroLeagueがスタートした10年前よりも、育成世代のバスケットボールの環境は確実に変化してきており、以前よりも育成年代にとってのリーグ戦文化の土壌は耕されてきていると感じております。
そこでEuroLeagueでは単に試合の機会を創出するだけでなく、大会理念としてより選手・コーチ・レフリーの育成に目を向け、EuroLeagueにしか生み出せない価値を求めて、より創意工夫をしながら取り組みをしていきたいと思います。

また同時に新しく3×3大会を開催する事で、より多くの選手育成の機会を創出する事が出来ると考えています。
3×3は、チームに指導者を必要とせず、より少ない人数で、より多くの試合を、選手同士が互いに主体性を発揮しながら試合を展開するため、選手一人一人が持つ能力を最大限に発揮する場面が多く、より技術が発展していくきっかけとなります。
私たちが主催する3×3の大会はエンターテイメント的な主旨ではなく、試合そのものを育成環境として明確な位置づけをし、年齢別カテゴリーに分けて開催することで、同世代の選手同士が競い合いを生み出し、 所属チームではまだ思うように試合出場することができていない選手、さらに現状より試合経験を積みたい選手などがお互いに高めあい、緊張感のある中で試合環境を提供することを目指しております。

エントリーの際は、自分たちでチーム(4人で1チーム)を組んで大会に参加することができるため、より大会への参加もしやすくなってくるのが特徴です。
個人の成長という側面から考えても、「試合で活躍するために練習している」選手が多く、スクールやクリニックでは経験することができない「試合だからこそ」得ることができる経験が試合にはあると私たちは考えています。
5on5に比べて3人でボールを共有するため、選手一人一人がボールを持つ機会が増え、個人での局面を打開する力すなわち1on1へのチャレンジ経験が増えることにつながります。

すでに試験的に3×3の大会を企画し実行し始めているところですが、2021年度、私たちは育成年代における新たな育成環境として3×3大会の本科的な開催にチャレンジしていく事を決意します。


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