ジュニアバスケットボールサミット2018 クリニックレポート 恩塚亨氏

 

テーマ:【1on1のオフェンス&ディフェンス】

〈イントロダクション〉
目的
次に繋げるために始まりの「キャッチ」が大事という考え方のもと、良いバランスを保持したまま片手でボールを自由自在に扱えるようになる。

【メニュー】
・2ball control
→トス バウンド ループ リアクショントス
・1ball control
→強いトス 強いバウンド +動きながら 背面トス(4方向)+動きながら

恩塚先生のセッションは、ただファンダメンタルをやるのではなく、仲間と楽しく取り組みながら、様々な能力を鍛えられるメニューから始まった。
そして、本題の1on1 スキルに入っていった。

 

 

〈1on1 スキル〉
目的
様々なスキル練習をしつつ、一貫して
・アタックスタンス
・アタックする際の目線(何を見るか)
→自分とゴールを結んだラインにDefの胸があるか(判断基準)
・正確にできる。
以上3つのことを意識すること。

スキル練習に入る前に、1番最初に伝えられたのは、格闘技についてであった!!
格闘技という観点が不思議で、私自身も子ども達と一緒になって聞き入ってしまった。すると、恩塚先生から子ども達へ以下のことが教えられた。
「タイミングはスピードに勝る 正確さはパワーに勝る」byマクレガー UFC
(この言葉は、マクレガーが10連覇していたチャンピオンを開始早々ダウンさせ勝利した後インタビューで語られたものである。)

ナショナルのスタッフとしてご活躍されている恩塚先生が「日本は世界とどう戦うか」ということを考えられ至ったのがこの言葉ではないだろうか。
次に、アタックの際に「1流の選手はゴールを見ない」と言われ、またも驚かされました。 「彼らはボールとゴールを結んだラインにDefの胸があるかを見ている。」と恩塚先生。
それを示す、NBA選手の静止画を見た子ども達も納得している様子だった。

スキル練習に取り組むにあたって意識することを全体で共有し、具体的なスキル練習に入っていった。

 

 

【メニュー】
・Skip- Drop
分解練習 Dummy 判断練習
・Thru- Drop
分解練習Dummy 判断練習
・Trigger
分解練習Dummy判断練習
・Pound-Drop
分解練習Dummy
・チェンジオブペース
分解練習Shadow
・1on0(Half)
クロスオーバー →Pound-Drop
レッグスルー → Pound-Drop
・1on1
・vs Deny
「考え方」のみ

 

 

〈インタビュー〉
本日はありがとうございました。
サミットのテーマが「伝承」ということで、 恩塚先生自身が、恩師の先生からどういった影響を受けましたか。
「 日高先生から学んだ1番大きなものは、熱い気持ちで夢中になってチャレンジする 姿勢。そういう気持ち、プレイヤーが持っている気持ちを大事にして、さらに引き出して強く、確かなものにしていくということがベースになっています」
自身の理念を大切にしつつ、プレイヤーファーストに考えておられると感じました。
今日のセッションもピヴォットからアタックで始める予定だったが、ドリブルからアタックに変更したとのこと。 ここにも選手が楽しめるようにと恩塚先生の考え方が表れていると感じました。
続いて、指導の伝承ということで、 指導者に伝えたかったメッセージはなんですか。
「まず、どうやったら1on1 で勝てるか、抜けるかという考え方、スキルを身に付けておくということ。成功するためのコツがあり、そのコツを正しく理解すること。そのコツを発揮しようとしたとき、行き詰まるであろう次の課題に対しての解決する方法を指導者は持っておく必要がある。」

 

 

指導者自身がスキルについて深く理解していることが大事になってくるわけですね。
「そうですね。あと指導者に伝えられるメッセージとしては、やりたいことが出来ていない時に、身に付けたい技術が何で、それが正しくできているか、アプローチとして最善の手立てが取れているかを見極めて、適応していく力が大切。

今日のセッションでは、
・Triggerを使う状況設定の変更
アタックが上手く行かない(Ofe主導)状況から、プレッシャーリリース( Def主導)の状況へと変更
・ストライドストップからのチェンジオブペース
止まっているDef(コーチ)に対してではなく、仲間とペアを組んで動いている Defに対して という設定の変更
以上 の2つが適応力として見てほしい場面ですね。」 と練習中に考えていたことを話して頂いた。
変える決断をすると同時に別のアプローチを提供できる。ここに指導者の力が表れる。
私自身即決することができないことがありますが、別の手段があるからこそ即決できるのかとインタビューしながら考えを巡らせていました。

 

 

多くの指導者は、準備が非常に大切と考えていると思います。
恩塚先生が準備の時に大切にしていることはどういったことでしょうか。
「まずは、プレーヤーが楽しいと思えるか、必要性を感じ取れるか、そして、どうやったらできるようになるかということがわかっている。 指導者は、この道筋がちゃんと見えるまで考えて準備する必要がある。 今日の1時間半のセッションに向けて12時間ほど考えましたね。実際に指導をしてどれぐらい良かったかは別として、ちゃんと準備しないとできないということを指導者は考えるべきだと思います。」
このお話を聞きながら、恩塚先生のような方でも12時間!?と一瞬考えましたが、恩塚先生だからこそ、子ども達、指導者に向けてと莫大な知識から集約するには、12時間でも足りないのかもしれません。 セッション中に実際に子ども達が詰まった際に、NBAの静止画をすぐ出しているのを見て、そこまで予期して準備されているのかと震えました。

 

 

恩塚先生は、「選手が成長ができる環境作り」を大切にされています。
80名への指導ということで今日はどういったところを工夫されましたか。
「アシスタントコーチの方々の力を借りて、より実践的な効果的な対策・対応ができるようにしたこと、映像を用いて視覚的に情報を提供し、どういう風にやるのかイメージを持たせることですね。」

以上でインタビューは終わりました。
全体的な感想として、
恩塚先生のセッションで多くのことを学ばせて頂きました。映像によるイメージ化やポイントの表現の仕方といった言葉の使い方や恩塚先生が練習中に考えていたことなどインタビューを通して深く知る事が出来ました。 今回学んだことを、私自身の指導に最大限に活かして、より良い指導を目指していきます。

 

 

恩塚先生お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました。

(ERUTLUC指導員 村橋遼太朗

 

ジュニアバスケットボールサミット2018

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