アントニオ・ラング氏大学生対象ワークアウト

2016年8月5日、6日、8日にNBAのユタ・ジャズで現役のアシスタントコーチとして活躍するアントニオ・ラング氏の特別クリニック及び指導者向けセミナーが開催されました。その期間中に大学生対象のワークアウトも開催されましたので、今回はそのワークアウトの様子をレポートします!




普段は小・中学生へのクリニックが主ですが、今回はラング氏から大学生やプロ選手を対象としたワークアウトも担当したいという希望があり開催されました。プロ選手は既にチーム練習などがスタートする時期でしたのでご参加頂けませんでしたが、関東1部で活躍する大学生がワークアウトに参加してくれました。またワークアウトの様子はその前の時間で開催されたクリニックに参加してくれていた小・中学生や保護者の方、指導者の方々が自由に見学できるようになっており、トップ選手たちがどのような質で練習を行うのか、間近で感じることができました。



ワークアウト参加選手

アントニオ・ラング氏について
ラング氏は、NCAAの超名門デューク大学出身。




プレーヤーとしてもNBAドラフト全体29位でフェニックス・サンズに入団、6年間、NBAの4球団でプレーしたのち、CBAフィリピンプロバスケットボールを経て、2001年三菱電機に入団。
2006-07シーズンにチームを準優勝に導き、シーズン終了とともに現役引退。
​その後、アシスタントコーチ・ヘッドコーチを歴任し、2014年まで合計13年にわたり日本で活躍されました。
そして現在はNBAに活躍の場を移してユタ・ジャズでアシスタントコーチとして活躍中。



ワークアウト参加選手
関東1部大学所属選手 2名(2名ともアンダーカテゴリーの日本代表経験有り)
プロ志望の高校生 1名
■フィニッシュスキル


・グーフィーステップ(空間を作り、ブロックされないようにタイミングをズラす)



・ロングレイアップ(大きく伸びるようにステップを踏み、ブロックを回避する)



・ドロードリブルからバックショット(コンタクトから強くプレーし、身体を入れる)



・ユーロステップ(ディフェンスの手を見てボールの通す位置を変える)



・ロンドステップ(ボールフェイクからターンシュート)

■シューティングドリルその①


・ピック&ロールからのシューティングドリル

1.ダイブの選手を飛び越してコーナーにパス

2.ポップアウトしてもらいジャンプシュート

3.ポンプフェイクから左右にオフドリブルジャンプシュート



・コーナーのシューティングドリル

1.ベースラインドライブからコーナーパス

2.コーナーにポップアウト3P

3.ドライブからフローターショット



・3種類の動きからのシューティングドリル

1.ポストフィードからコーナーダウンの3P

2.プッシュミートから3P

3.ドリブルハンドオフ(DHO)からシュート



・トランジションからのシューティング

1.キャッチ&ジャンプショット

2.キャッチ&ドライブからフローターショット
■シューティングドリルその②


■オールコートを使ったシューティングドリル

・Wシューティングドリル(9本打って5本以上を目指す)



■ピンダウンからのシューティング

・フレアカットからコーナージャンプショット

・フレアカットから1ドリジャンプショット

※10本入るまで



■パウンドドリブルとパスリターン



■ピック&ロールのシュートバトル(2/3決めたら選手の勝ち、2本以上外したらコーチの勝ち)

・5本先取で終了

1.ピック&ロールからジャンプショット

2.キャッチ&ショット

3.キャッチ&ショット

1~3繰り返し



■シューティングバトル(1本ずつ打ち先に3本決めた人の勝利)

・キャッチ&ショット(両コーナー、両ウイング)

・ドリブルから3P(トップ)

・フリースロー(スウィッシュのみ)



■ジョン・ストックトンドリル

オールコートレイアップ6本インで終了(34秒以内)

※トランジションでボールを前にプッシュできるように



■ジョニードーキンスドリル

21ポイント決めたら終了

1本決めたら+1

外したら-3



■フリースロー7本連続決めるまで
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ラング氏より ~ワークアウトを担当してみて~


最初、選手の現状を見させて頂いて、練習環境や人数を考慮して今回のドリルを選択して行いました。また、人数や環境(スペース)、レベルによっては別のドリルを選択します。



今回行った練習は、3ポイントのスポットショットがテーマでした。たくさんの動きの中からシュートする場面を多く取り入れ、身体のシェイプキープやコンディションの調整として使われることが多く、アメリカでもオフシーズンによく行います。また今回はシュートがテーマでしたがシュート以外のいろんな動きも行ったワークアウトにしました。



通常のワークアウトでは特定の選手をある一定期間担当することが多いため、一回の練習ではテーマを一つか二つに絞りワークアウトを行います。例えば、ピック&ロールの動きやドリブルハンドオフの動き、スポットでのシュートなどを行います。


シューティングドリルでは、8/10入る選手でも試合中に乱されたり疲れたすると確率が下がってしまうため、練習ではより高いハードル(スウィッシュのみ)で決められるようにハードルを上げることでより意識高く取り組み、試合に向けた準備をさせます。




ワークアウトに参加した選手からの質問

NBA選手はシューティングドリルで、コーチの設定した課題に毎回勝ちに来ますか?




ラング氏の回答

本気で取り組み毎回勝ちにきます!そして、シュートの確率がものすごく高いです。シュートをほとんど外しません。シューター以外の選手でも高い確率でシュートを決めてきます。
以前、ホーナセックという選手と2日間のワークアウトをしたとき、彼が外したシュートはたったの1本でした。それだけ、練習の中から高い緊張感と集中力を持ってプレーする選手でした。


ホーナセック選手でなくてもNBAクラスの選手であればラストのプレッシャーが掛かったシュートはまず決めます。逆にそれまで入らなくても最後の1本は決めて良い所をもっていきます。またステファン・カリーのシューティングはほぼ入るため外したときはとても驚きました。


本日皆さんが行ったWシューティングドリルもほぼ外さないです。JBL時代(三菱)の選手たちにも同じドリルを行いましたが、目標は7/9を目指して決めないとアウトでした。

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