『挑戦してうまくいかなくても、挑戦することに価値がある 』8スターズクラブ

山田優笑ヘッダー

『不可能』という言葉はあっても、『挑戦しない』という言葉はない

マイケル・ジョーダン

これはバスケットボール界の歴史に名を刻む伝説のバスケットボールプレイヤーマイケル・ジョーダンが残している言葉だ。

この言葉を胸に抱き今もチャレンジをし続けているのが今回紹介する8スターズを達成した山田優笑(やまだやえ)さん。
優笑さんは現在中学1年生で、新たな環境でバスケットボールの上達を目指し日々練習に取り組んでいる。

練習に取り組む姿勢は積極性に溢れ、失敗を恐れず挑戦をしている、とコーチからの信頼も厚い。
しかしそんな優笑さんも以前は消極的で、自分から率先して何かをするということは嫌いだったそうだ。優笑さんがどのようにして殻を破っていったのか、8スターズを達成するまでの道のりも踏まえて紹介していこうと思う。

「前まではあまり自分から率先していくのは嫌いな方でした」

優笑さんの心を動かしたのは何だったのか。

その一つの出来事は、「成功のピラミッド『行動力』」のエピソードを聞いたことだったとのこと。

ERUTLUCが指導を担当しているスクールでは、参加している子どもたちに向けてバスケの技術だけでなく心の教育への取り組みもしている。
そこで取り扱っているのが「子どものスポーツのすすめ」というERUTLUCオリジナルの冊子で、その中に優笑さんの心を動かしたエピソードのひとつ「成功のピラミッド『行動力』」が収録されている。

週に一度のスクールでは一度の練習ごとに1ページずつみんなで読み進めていく。
8スターズを達成するためにはその日インプットした内容を親にアウトプットして、それを全ページ達成することが一つの要素として必要になる。

優笑さんはそのアウトプットを技能検定と合わせて達成し8スターズクラブの表彰を受けたが、「成功のピラミッド『行動力』」の話をきっかけに気持ちに変化が起こり積極性を発揮していった。

エルトラックのスクールでは子どもたちが主体性を発揮したり行動を自らしていくことを促すような練習が組み込まれている。

その中でも「プレッシャーフリースロー」は子どもたちにも人気の練習メニューで、みんなを代表してフリースローを打ってくれる人を立候補制で決めてその代表になった選手がフリースローを打つというものだ。

ここで主体性を発揮し、代表してフリースローを決めきることはその子自身の自己肯定感や自信を育てていく。

しかし優笑さんは、以前はこのプレッシャーフリースローに立候補しなかったそうだ。

「プレッシャーフリースローで、前まではあまり自分から率先していくのは嫌いな方でした。だけど、この話を読んで失敗を恐れないで挑戦したほうが成長につながるということだったので自分から手を上げるようになりました。」

と自分が変化をしたエピソードを話してくれた。

「失敗してもいいから挑戦し続けることが大切だというメンタルを学びました。」

エルトラックのスクールに通い始めてから技術面はもちろんメンタル面での成長が実感できているようだ。

優笑さんのお母さんも彼女の変化を実感していた。

「チャレンジをするようになりました。失敗してもいいからやってみるという気持ちが見えます。」

優笑さんからは自分が成長するためには今までの自分の殻を破る必要があると決意できる意識の高さが伺えた。

挑戦してうまくいかなくても、挑戦することに価値がある

優笑さんが影響をうけた話の「行動力」というのは、「決断し行動を起こす勇気」のことである。
行動を起こそうと思っても起こせないのはなぜだろう。
失敗することを恐れているからなのだろうか。

優笑さんは行動を起こすことによる失敗についてこのように話してくれた。

「挑戦して不可能でも、挑戦することに価値がある。もしその挑戦が失敗になったとしても価値があると思う。」

『不可能』という言葉はあっても、『挑戦しない』という言葉はない

まさにこの言葉を自分なりに理解し、やえさんの中には挑戦しないという選択肢はないことを伝えてくれた。

技能検定へ取り組む姿勢からもやえさんのチャレンジャー精神は伺えた。

昨年中は体育館の使用が制限されたり、大会も無くなっていった状況下で活動が思うようにできなかった。
その状況下でもバスケットボールの上達を目指すやえさんが活用したのが「オンライン検定」だ。

オンライン検定はエルトラックスクールで行っている7項目の技能検定がオンラインでいつでも受けられる仕組みで、検定に挑戦した動画を投稿することでコーチから評価を受けることができるものである。

優笑さんはこの仕組みが始まった当初から上手に活用し、何度も何度も繰り返し動画を送ってチェックしてもらったそうだ。
今の自分より成長できるように新しいものにも積極的に挑戦しようという気持ちが見られるだろう。

優笑さんが7項目の中で一番苦労した項目はコーディネーションレイアップ2ボールの1級だったそう。
挑戦する中で何が違うのかなどアドバイスももらいながら取り組み、たくさんやっているうちに何が正解なのかわからなくなってしまったこともあったようだが、それを親子とコーチで時間をかけて正解を導いていった。

たくさん動画を送ってくれることでコーチ達の中でも話題となり、一目置かれる存在となっていた。
そして回を追うごとに成長している姿が見られるくらいで、一体どれだけ練習をしているのだろうと感心を寄せるばかりであった。

得意だといってくれた体幹の項目は、これからもさらに高めていき、不安定な体勢でもしっかり体幹を保てるようになりたいと今の自分には満足せず先を見据えていた。

この優笑さんのチャレンジャー精神に、多くの人が行動する勇気をもらうことだろう。
そして挑戦者にしか感じることのできない思いや達成感を積み重ね、やえさんはどんな困難に出会ったとしても自分を信じ乗り越えていくに違いない。

今ある環境で成長できることを選んでいく


挑戦を続ける優笑さんに、目標としている選手について聞いた。

昨年ウインターカップで優勝した桜花学園の江村選手を目標としているとのことだ。

目標にしている選手に近づくために取り組んでいることを聞くと、

「年上の人とペアを組んで1対1をしたり、どうやったら限られた時間の中で練習の質を高められるかを考えて取り組んでいます。」

と答えてくれた。

成長するために価値ある時間を過ごすこと。自分をより成長させてくれる人に力を借りて自分自身をより高めていくことに集中すること。
優笑さんにとって失敗か成功かではなくそれ以上に成長できるかどうかという考え方が彼女を突き動かしているのであろう。

人によって成功の定義は変わる。

そんな中、選んだことによって失敗か成功かという考え方ではなく、成長するか否かで考えることで自分のなりうる最高の自分に近づくのではないか。
そして成功というものに近づいていくのではないだろうか。

優笑さんにとってのなりうる最高の自分は

「チームが4クォーターの残り時間が少ない状態で負けていたときに自分が1対1をして得点をとれるような選手であること」
だと教えてくれた。

今の自分を見つめて、

「疲れていても、いざというときに頼ってもらえるような力をつけること」
この力をつけるために取り組んでいる最中である。

チームが危機的状況のときに自らがチームの勝利に貢献しようという勇気ある行動ができる選手になるためには、日々どのような取り組みをしていたかが鍵になってくるだろう。

技術を磨き上げていくために、成長することを選ぶこと
チームの信頼関係を築くこと
挑戦の過程にある経験を積み重ねてきた自信があること

優笑さんはこれからも挑戦を続けていくことで上手くいったことやいかなかったことや失敗から学び、悩み考えたり言葉に言い表せないほどの経験を積み重ねていき、この経験から成長していくだろう。

お母さんは日頃の優笑さんを振り返りながら、

「自分で考えてやるようになっているので、それはそのまま続けていってほしいし、方向が間違っていたらちゃんと修正する力を養っていってほしい。」
と未来を見据えてやえさんに対する思いを話してくれた。

コーチへのメッセージ

「自分が逆境にいてもチームを一番に考えられる選手を目指すので応援してほしいです。」

コーチから優笑さんの様子を伺ったところ、

「とても熱いハートを持っていて、自分が怪我でプレーで貢献できない状況でも、チームの為に必要な声を出し続けられる選手です。
気づいたらユニフォームになっていたのがとても印象に残っています。」
と優笑さんのチームに貢献しようという熱い気持ちが伝わってくるエピソードを教えてくれた。

こういう姿勢が周囲からの厚い信頼を得る一つの要因となっているのだろう。

より強固な精神と周りからの信頼を育てながら、今はなりうる最高の自分へと一歩ずつ進んでいる。

この先も優笑さんの成長から目が離せない。

PROFILE

名前:山田 優笑(ヤマダヤエ)

生年月日:2008年9月12日生まれ

出身:千葉県千葉市 PHOTO_田村 沙耶/篠原友紀子/フォトクリエイト TEXT_萱沼 美穂


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