藤原 浩 × 鈴木 良和 対談記事(第10回/全11回)子どもを育てるご家庭にむけて 〜コミュニティは子どもたちだけのためでなく〜

藤原氏:「そうやって、その家にとってより良い、お互いの良い面を共有しあえる、再確認できるきっかけができればと思っています。」

第9回に引き続き、夫婦で子育てをすることに話が進む中で、藤原氏が感じる子育て家族へのコミュニティの大切さがより鮮明に見えてきた。ERUTLUCとしてはどう家族と関わることができるか。

藤原氏がライフプランナーとして関わってきたご家庭から感じること

鈴木:「僕が自分の家の保険の相談をしても、藤原さんはビジネスライクな雰囲気は全くなく、本当にその家にとってどうあるといいのかってことを、真摯に聞いてくださっている。そういった事をいろんな家庭にされている藤原さんだから、やはりご夫婦だけで子どもを育てるにあたって、色んな思いをしているご家庭に沢山出会っていると思うんですね。僕らがお父さんお母さん方にどんなサポートができるかっていう可能性を模索する意味でも、ぜひ藤原さんが知っているご家庭の状況とか事例とか、どんなことが大変なのかお話聞きたいなと思っています。」

藤原氏:「まさに昨日とか、オンラインで今打ち合わせをやるんですね。そのおうちは、2歳と5歳のお子さんがいる家庭で、ご両親共に働いているので、とても大変ですよ。子どもたちも目を離すとすぐどっか行っちゃって、2歳の子なんかは目を話すと危ないじゃないですか。ですから、オンラインで画面越しに話してていても、まあすぐにお父さんやお母さんが画面から消えるんですよ。」

家族でない大人とのたわいもないやりとりも、社会性への第一歩

藤原氏:「そんな小さいお子さんに、僕が『なになにちゃん、お名前はー?』とか言っていると、画面から消えちゃう子とかいるわけですよね。例えばその子に、『なんていう保育園通っているの?』と聞いたりすると、そのうちちょろちょろ出てくる子がいるわけですよ。慣れてきて。そういうのって、社会性の第一歩だったりするわけですよね。

藤原氏:「で、例えば今回ERUTLUCさんで出した絵本とかを、そういったご家庭の方にご紹介するといった形の流れがあったとしたら、その絵本を一緒に親子で会話していけるようになったり、また見ず知らずのおじちゃんが、その子どもさんに話をしてあげたりする。子どもさんは、大人ってのは親だけじゃなくていろんな人が自分に対して興味を持ってくれてると感じること自体が、社会性の一歩になると思うんですよね。

これまでの塾との先生との出会いや、スポーツのコーチとの出会いなど、どんな大人と出会えるかという大切さを語ってきたが、身近な所にその第一歩がある。
絵本もその第一歩になりえるだろう。

夫婦にもコミュニティとの関わりが大切

次に、働きながら子育てをするご夫婦の話になる。

藤原氏:「ご夫婦はご夫婦で、すごく大変なんですよ。夫婦いつもいつも仲のいいご夫婦もあるでしょうけど、時にはケンカするご家庭もあるじゃないですか。その時はお互いに言い分があるわけです。そのことに対してお互いにお互いがとても大切であるということを、直接言えないケースもある。毎日が忙しくて。そういうことに向かって、僕が少し聞いたりするんですよね。『旦那さんってこういう役割でこういう風な人ですよね。』って。

僕が奥さんに確認すると、ちょっと直前にケンカしていても、もともと自分が思っていた旦那さんに対する思いを、僕にしゃべってくれる。それを旦那さんが聞いてると、その顔が良い顔なんですよ。(笑)

そうやって、その家にとってより良い、お互いの良い面を共有しあえる、再確認できるきっかけができればと思っています。エルトラックさんの普及活動の場でも、そんなことを考えることが出来たら、良いなと思っています。

家庭の場でないコミュニティは、夫婦にも必要だ。

ご両親は我が子に何かしてくれることがとても嬉しい

ERUTLUCのスクールでの子どもとコーチの関わりは、そこに近いものがあるのではないかと。

藤原氏:「ERUTLUCさんの存在価値とか、僕自身がお客さんに対してどんな風な存在価値で、価値提供ができるのかってことを連想ゲームのように考え続けています。そんなことを色々と考え続けることが、結果的に僕は24年間ここまでこの仕事をやってくることができた一番の要因だと思いますね。」

藤原氏ご自身がコミュニティーの役割を果たしている

鈴木:「藤原さんは、より具体的にご家庭に対してのコミュニティーの役割を担われていたんだなと、すごく話を聞いて思いました。僕は藤原さんのお仕事に対する姿勢を心からリスペクトし、学びが深いなと思ったんですけどそれを再認識できました。夫婦で子どもを育てるっていうご家庭は、そういうライフプランナーさんとの縁を作って行くのは、その保険に入る入らないと別にして価値がありますね。そういう風に思うんですよ。僕らのスポーツの場もそうありたいなと思います。

▶︎第1回 出会い 〜バスケのコーチがなんで『ザ・ゴール』読んでるの!?〜 
▶︎第2回 理念の深堀り 〜バスケットを普及してもらいたいという人たちがたくさんいるのならば、その思いを受け取って〜 
▶︎第3回 長男がバスケを始めるまで 〜親としてすごく大事にしたかったことを伝えるために〜 
▶︎第4回 次男のバスケットとの関わり方 〜子どもたちにとって、夢中になれることの価値とスポーツがもたらすもの〜 
▶︎第5回 あの時の言葉が今つながる 〜スポーツから社会性を学ぶという大きな価値〜 
▶︎第6回 家庭でも学校でもない場での大人との出会い 〜夢中になるきっかけ作り〜 
▶︎第7回 かつての地域コミュニティの役割になれたら 〜シュートやドリブルが上手くなること以上に大切な価値〜 
▶︎第8回 情報社会において、言葉尻だけではなくて 〜経験が積み重なってこそ成長の礎になる〜
▶︎第9回 プロジェクトをより価値のあるものにするために 〜子どもだけでなく、ご両親にも子育ての助けになる情報が届けば〜
▶︎第10回 子どもを育てるご家庭にむけて 〜コミュニティは子どもたちだけのためでなく〜
▶︎第11回 より価値のある活動を 〜選んでよかった、応援してよかったと思ってもらえる「場」にむけて〜

PROFILE
名前:藤原 浩(フジワラ ヒロシ)
所属:プルデンシャル生命株式会社PROFILE

名前:鈴木 良和(スズキ ヨシカズ)
所属:株式会社ERUTLUC 代表取締役
撮影協力_中田 和英・篠原 有紀子・高橋 真央
TEXT_加賀屋 圭子

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