藤原さんとの対談5トップ

鈴木氏:「その中学の時の言葉があってこそなので、僕には深く刻まれるわけですよね。」

鈴木氏は、ERUTLUCで「子どものスポーツのすすめ」という冊子を作成し、小学生や中学生の子どもたちとバスケットボールの練習後に一緒に読み進める取り組みを行っている。

中学生の時のチームの監督に教わった名言が、大人になってから読んだ本の名言と合致していて、深く刻まれた経験があり、その経験を子どもたちにも、という思いから始まった取り組みだ。

バスケットの技術だけでなく、スポーツの指導者は子どもたちに何を伝えられるか。第5回はスポーツと社会性について話がすすむ。

 

子どもたちにスポーツ現場で伝えたことが、今になってつながる

実際にそれぞれの指導現場で、子どもたちにどのような事を伝えていたかという話題に。

藤原氏:「僕は、自分の子どもたちが男の子だったこともあって、女子を教えていましたが、あるとき男女ともに話をする機会があり、こんな事を伝えました。それは、

『世の中は平等じゃないよ。公平だよ。すごい頑張る子には、すごい頑張ったぶんだけ教えてもらえることがたくさんあるもんなんだよ。だから世の中は待ってるのではなくて。自分ができる精一杯でいいから、頑張ることが大事なんだぜ。そうしたら、多くの大人たちは、それを応援してくれるから。一生懸命やる意味はそういうことなんだぜ。』

僕は子どもたちにもどのタイミングでも必ず言っていたんです。」

渡邊さんインタビュー画像06

藤原氏:「そしてつい最近、一番下の息子が三男が就職したんです。その時、次男と三男に話をしました。」

『お前達の上司の人たちは、お前達がどのような姿勢でこの会社で頑張ろうとしているのか見ている。上司は、ただ義務で教えるのではなくて、この部下は頑張ってるので、しっかりと教えようっていう気持ちを持ってもらえることが大切。お前達が上司の人たちから何を得られるかお前たち次第なんだよ。』

っていう話をしたんですね。」

そうしたら、息子たちが、『それ小学生のとき言ってた』って言ってました。『だからあんなこと言ってたんだ。』と。

『こういう時のために言ってたんだね。』って。『小学生のうちからそんなこと思って言ってたの?』って

藤原氏は、まさに自身が社会人になって経験した事を、バスケットボールの場面で子どもたちに伝えようとしていた。

藤原氏:「これがつい最近初めて繋がったらしい(笑)」

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価値観が深く刻まれるのは、何重にも言葉や経験が積み重なる事

つづいて鈴木氏は、「子どものスポーツのすすめ」を子どもたちに伝える価値について語る。

 

鈴木氏:「僕の中学校時代の恩師は成功哲学とか読んでいた方なので、毎週部活通信みたいなのが出ていたんです。偉人の名言がそこに載っていたんですよ。僕が一番覚えている名言は

『負けると思ったら負ける、勝てると思ったら勝てる。』みたいな文章でした。

『最後まで成功を信じた人だけが成功する君が出来ると思ったら君は出来る。あきらめたら君は出来ない。』

経営者になって、ナポレオンヒルの「成功哲学」を読んだときに、同じ言葉があって、もうこれは忘れないですよね。」

中学時代の恩師の名言の一つは、ナポレオンヒルの「成功哲学」に示されたものだったのだ。

 

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鈴木氏:「価値観が深く刻まれるって、

その一発の出来事じゃなくて1回読む本じゃなくてその何重にも出来事や言葉が積み重なっているというのは、すごい大きい。

僕自身そういう経験があるので、僕たちののERUTLUCの中でもそういう冊子を作ってそういうビジネス書などの話を伝えてます。」

「子どものスポーツのすすめ」だ。

鈴木氏:「小学生や中学生に読み聞かせて、すぐにそれを理解するのとは思っていませんが、

でもその一手が、彼らの5年後、10年後の何かの出来ごととか、本との出会いとか、大人との出会いの時にそのことを深める土壌になってるっていう事なんだろうなぁと。」

 

鈴木氏:

「ただ単に、シュートがうまくなったとか、ドリブルが上手になったっていう事ではなくて、スポーツを教える指導者って結局そういうところを伝えないと、技術とか身につかないし、成長していかないかなと。」

 

藤原氏の話も、鈴木氏の実体験も、子どもにスポーツをさせようか迷っている親御さんたちに、自信を持って伝えたい価値だと鈴木氏は語る。

 

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若者の「どうせ無理」という言葉から感じる事

藤原氏は、新聞記者の方との繋がりもあり、大学の授業と関わるようなこともしている。就職試験のエントリーシートをチェックしたり、模擬面接の面接官を担当したりしているとのことだ。

藤原氏:「その記者の方と話をしてる時にすごく言ってたのは、今の若い子達はすぐに『無理』って言うこと言うんだそうです。『どうせ無理』っていう言葉をよく口にするって言っているんですね。」

藤原氏:

「どうしても小さい頃から試験が多く、高校受験、大学受験を経てきていると、必ず答えがあるわけですよ。その答えにどれだけ早く到達できるかを競うって事じゃないですか。そういうな道を歩いている子たちなので、そのメソッドを上手にこなすという事を教わってきているという文化に生きてるので、教わることはできても、学ぶことがなかなかできないみたいなんですよ。」

 

わからない部分を自ら学びに行くことに慣れていなく、やったことがないことに関して『どうせ無理』が出やすくなってしまっているそうだ。

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藤原氏:「でも、この話って、何も大学生になって始まった話ではないじゃないですか。
小学生とか、もっと小さいうちからそういう風なメンタリティの素地がその成長過程の中に織り込まれてる可能性ありますよね。
ひょっとしたら、小さい頃から学校の授業とはまた別の観点で、何か学べるような機会があったら、僕は相当な価値なんじゃないかと思うんですよね。」

スポーツ活動も、学校の授業とはまた別の観点から学べる機会の多い場だ。

6回以降では、学校でも家庭でもない場所での学びの価値について掘り下げていく。

▶︎第1回 出会い 〜バスケのコーチがなんで『ザ・ゴール』読んでるの!?〜
▶︎第2回 理念の深堀り 〜バスケットを普及してもらいたいという人たちがたくさんいるのならば、その思いを受け取って〜
▶︎第3回 長男がバスケを始めるまで 〜親としてすごく大事にしたかったことを伝えるために〜
▶︎第4回 次男のバスケットとの関わり方 〜子どもたちにとって、夢中になれることの価値とスポーツがもたらすもの〜 
▶︎第5回 あの時の言葉が今つながる 〜スポーツから社会性を学ぶという大きな価値〜 
▶︎第6回 家庭でも学校でもない場での大人との出会い 〜夢中になるきっかけ作り〜 
▶︎第7回 かつての地域コミュニティの役割になれたら 〜シュートやドリブルが上手くなること以上に大切な価値〜 
▶︎第8回 情報社会において、言葉尻だけではなくて 〜経験が積み重なってこそ成長の礎になる〜
▶︎第9回 プロジェクトをより価値のあるものにするために 〜子どもだけでなく、ご両親にも子育ての助けになる情報が届けば〜
▶︎第10回 子どもを育てるご家庭にむけて 〜コミュニティは子どもたちだけのためでなく〜
▶︎第11回 より価値のある活動を 〜選んでよかった、応援してよかったと思ってもらえる「場」にむけて〜