PREMIUM CAMP 2020|レポート

プレミアムキャンプとは
プレミアムキャンプとは、ERUTLUCのクライアントの中からバスケ能力テストの高得点選手にのみ参加権利が与えられる特別なキャンプです。
「より高いレベルで競い合えるようなキャンプを」という声に応えるため、2008年から始まりました。
2020年のテーマは『切磋琢磨』。
競争的な練習を多く取り入れ、互いに刺激し合いながらレベルアップを目指します。
時には上手くいかなかったり、力の差を痛感する瞬間があるかもしれないそんな環境の中、そういった逆境も成長の機会になります。
このキャンプでたくさんの逆境を経験し、成長に繋げてほしいという願いを込めました。

■「シュートセッション」 今回のキャンプでは初めてアルゼンチンがナショナルチームの選考で行っているシュートテストを参考に実施しました。様々な状況でのシュートドリルに取り組んもらい、各選手のシュート力を計測していきました。 3P系のドリルがほとんどでしたが、同じ3Pでも細かい状況設定でシュートを打ってもらいました。 【メニュー】 ①5スポット3Pシュート×5本 ②リフト&コーナーダウン ③トップから左右にムーブ ④フライバイに対するフェイクワンドリブルシュート ⑤トロリー ⑥ミドルプルアップ ⑦ステップバック3Pシュート
■「1on1ディフェンスセッション」 このセッションでは「ボディアップ」をメインテーマに練習しました。 プレミアムキャンプに選ばれた選手たちですのでボディアップ自体はほぼ問題なく出来ます。 そこでディフェンスのレベルを高める為に、 Lv1 連続してコンタクトしても崩れない Lv2 オーバーディフェンスをしない Lv3 OFが止まってステップを使っても、それに対して足を動かし続ける という3つのレベルを紹介しました。 ボディアップして止めているけど、連続してコンタクトをすると腰が浮いてしまう選手 頑張りすぎてオーバーディフェンスとなり、切り返しをされてしまう選手 オフェンスにドリブルを止めさせたのに、その後のステップに対して足がついて行かず手だけで守ろうとしてファールになってしまう選手など、それぞれのレベルで引っかかってしまうこともありました それらを改善していけば必ずディフェンス力は高まりますので是非今後も継続していってください。 【メニュー】 コンタクトドリル、ボディアップ、アジャストからの1on1
■「1on1オフェンスセッション」 1on1オフェンスでは自分よりも能力の高い選手にボディアップされた時というのをメインテーマに置きました。 つまりより速い、強い、高い選手に守られたときにどう対応するかを皆さんにチャレンジしてもらいました。 上記の場合、簡単に相手を抜き去ることはできませんし、自分のドライブが一度は止められてしまいます。しかしそこで終わってしまうのではなく、そこから別のスペースを探してそこを攻撃しながらディフェンスの対応を見極め、ゴールへのラインを見つけられたら再びアタックという練習を行いました。 その為に必要になるチェンジ・オブ・ペース、ヒップターンなどもスキルとして紹介しました。 もう一つのテーマとしてクローズアウトの状況からの1on1を練習しました。 通常の1on1は「キャッチ」→「判断」→「アタック」の順番ですが、 クローズアウトの場合は「判断」→「キャッチ」→「アタック」となり、先に「判断」がきます。 なのでこの判断力をより早く、より正確にするための練習にも取り組んでもらいました。 【メニュー】 RIP&GO、JAB&GO、SHIMMY ボディアップされてからのコースチェンジ クローズアウト1on1 →Go Catch →Momentum Rip
■「オフボールディフェンスセッション」 こちらのセッションでは「1歩の準備」を大切にしようという話をしました。 準備の質を高めることで、ヘルプディフェンスにより速く行けたり、クローズアウトもより短くできるという話です。 その為にはオフェンスの一つ一つの動きに対してディフェンスも細かく体の向きやポジションを微調整することが大切で、それを総じて「1歩の準備」と呼びました。 【メニュー】 ショートクローズアウト、ロングクローズアウト →スプリントストップ
■「トランジションセッション」 トランジションのセッションではオフェンス・ディフェンスでそれぞれの課題を設けました。 オフェンスについては「スペーシングを考えながら走る」ということでした。これによって仮に速攻を止められても、そのままスムーズにハーフコートオフェンスに移行することができます。 ディフェンスについてシンプルでした。 1 ハリバックする 2 コミュニケーションする 3 優先順位の規律を守る ディフェンスはゴールを守ることが目的ですので、その目的を相手の速攻に対しても達成するには上記の3つを徹底することが重要です。ハリバックしながらコミュニケーションをとることはとても難しいことではありますが、練習を通して皆さんがしっかりコミュニケーションをとりながら守れるようになっていったので、ぜひそれを各チームに帰っても続けて欲しいなと思います。 【メニュー】 3on3連続、4on3+1コミュニケーションドリル、5on5トランジションドリル(3分ルール)
■「ピック&ロールスキルセッション」 今回のキャンプでは高校バスケに向けてピック&ロールのスキルも練習しました。 しかしただスキルを練習すのではなく、「ディフェンスをよく観る」「プレースピードをコントロールする」という課題を改善する題材としてピック&ロールをテーマに上げました。 練習後は、プレースピードをコントロールしながらオフェンスできるようになっていった選手が何名も出てきたので、あのディフェンスを良く見ながらグッドスピードでプレーする感覚を忘れないでください。 【メニュー】 ショートリトリート、スケートステップ、PNRからのワンハンドパス
■「スペーシングセッション」 オフェンスのスペーシングについて今回は2メンサイドと3メンサイドを作り、スペースの広い2メンサイドで攻撃を仕掛けることを共通理解として練習しました。2メンサイドで攻められないときは逆サイドに展開します。その時に3メンサイドのままではスペースが限られてしまうので、「中抜け」をしてボールサイドが2人になるようにスペーシングをしましたね。 スペーシングの共通理解を持ち、それを実践できると、例えキャンプで集まった初めて一緒にゲームをするメンバー同士でもスムーズにオフェンスを行えることを実感してもらえたと思います。 【メニュー】 5人のスペーシング確認 →ウィングのミドルドライブから逆サイドに展開 →ガードのドライブから逆サイドに展開 →ウィングPNRから逆サイドに展開


プレミアムキャンプ2020に参加してくれた皆さん、2日間ありがとうございました。 「切磋琢磨」がキーワードのこのプレミアムキャンプですが、みなさんは十分に切磋琢磨できたでしょうか? 今年度は通常プレミアムキャンプとは形態が違いましたが、その分練習メニューの組み立てに自由度が大きかったので、参加してくれた選手たちの習熟度や理解度に合わせて柔軟なスケジュールを組むことができました。 その分、各選手たちの理解度も通常の形で行う場合よりも、かなり高められたのではないかと思います。 今後はまた各選手が、それぞれのステージで競争していくことになります。 その際にこのキャンプで学んだことを少しでも役立ててくれればとても幸いです。 またお互いに成長した姿で再会できるのを楽しみにしています!
