バスケのかてきょコラム 第382号

あの鬼殺隊から学ぶこと

住み慣れた家

毎日顔を合わせるクラスメイト

仲の良い友達

いつも着ている服

いつものやり方

これらに共通することは『安心』です。

では、この安心が打ち破られ、不安になるときはどんなときでしょうか。

住み慣れた家から引っ越しをしたり、一人暮らしを始めるとき

クラス替えがあって周りが知らない人ばかりのとき

仲の良い友達と喧嘩をしたとき

新しい服にチャレンジするとき

いつものやり方が通用しない

安心だった環境が変化したとき、不安な気持ちになるのではないでしょうか。

ストレスや不安が無く、落ち着いた精神状態でいられる場所のことをコンフォートゾーン(comfort zone)といいます。

日本語で言うところの『安心領域』というもので、『いつも通りできる場所』です。

例えば、日ごろ行なっているバスケットボールのチーム練習は、毎日同じメンバーと、同じコーチのもと、同じ練習を繰り返していれば、それはいつも通りにできる、安心して練習できるコンフォートゾーンにいることになります。

成長したい人にとって、このコンフォートゾーンの中というのはあまり良いところではありません。

居心地のいい場所に居続けることは学ぶことが少なく、人の成長を止めてしまうのです。

成長したいと考えているのであれば、安心領域であるコンフォートゾーンからどんどん出ていくことが大事なのです。

コンフォートゾーンに居ると、自分が今持っている能力や知識でやりくりすることになり、あまり苦労することはありません。

不安に感じることもなく、完璧に作業をこなすので周りからはちやほやされるかもしれません。

それはとても心地よく、その環境から抜け出そうと思うことがなかなかできないでしょう。

安心領域に居続けるということは、恐怖を感じることも無いでしょう。

しかしその一方で、安心領域に居続けるということは、これ以上を成長をしないと選択しているということになります。

では、その安心の外側にさらに自分をレベルアップさせ、今の安心領域を広げられる可能性があったとしたら、現状維持を選びますか?それともさらに幸福度を上げる未来を選びますか?

コンフォートゾーンの外側には、ラーニングゾーン(learning zone)という学びが多い領域があります。

ここの領域に入ると

・挑戦や課題がある

・新しい技術を身につける

・安心領域が広がる

といったワクワクさせることが待っています。

しかし、成長欲求があるにも関わらず、コンフォートゾーンから出ていくことが大事だとわかっていてもなかなかそれができる人が少ないのはなぜでしょうか。

それは、苦労することを避けたり、やり慣れた環境が出るのが不安だったり怖かったりして、尻込みしてしまうからです。

「もっと上手くなりたいけど、大変だな」

「上手くいかないかもしれないな」

と思ってしまいます。

コンフォートゾーンの外はフィアゾーン(fear zone)といって、この領域は恐怖領域と呼ばれています。

この領域に入ると

・自信を持てない

・言い訳を探す

・他者の意見に影響を受ける

といったネガティブな感情が顔を出します。

人は誰しも不確かなものに対して不安を感じるでしょう。

自分のシュートの届く距離より遠くで打てるように練習したり、新しい技を練習するときには、初めはなかなかうまくいかないのでネガティブになってしまうでしょう。

「本当にこのまま練習してできるようになるのか?」

「やらなくても今自分ができるもので充分だ」

といったように。

しかし、成長する選手というのは、この不安や恐怖に打ち勝ち、失敗を恐れずに挑戦する選手です。

できることが増え、自信がつき、自分の今までのコンフォートゾーンが広くなっていくことを考えるととてもワクワクしますよね。

そのためには一度コンフォートゾーンから抜け出して不安や恐怖を覚悟してフィアゾーンに飛び込む勇気が必要です。

襲ってくる不安や恐怖を乗り越えた選手だけに自分の可能性をさらに広げることになるチャンスが与えられます。

そして、そのチャンスを手にした人が成長のできる領域、グロースゾーン(growth zone)へ辿り着くことができるのです。

ミッションを見つけ、立てた目標を達成する。

コンフォートゾーンが広がったときに、また新たな目標を設定してフィアゾーンへ再び飛び込む。これを繰り返すことで、自分にできることが増えるだけでなく、自分の中により深みのある感性や自信が生まれることでしょう。

そして、安心できることが増えると、初めてすることに対して不安や恐怖ではなく、それがワクワクやドキドキといった楽しみに感じることになるでしょう。

いつものやり慣れたことではなく、いつもと違う相手、違う練習、違う環境に挑戦し、自分のコンフォートゾーンを抜け出して広げていくことが大切なのです。

変化の波が大きい現代社会では、不確実で不安なことが多いでしょう。

その社会を生き抜いてより豊かな生活を送るためには、不安や恐怖に立ち向かい、コンフォートゾーンを広げていくと良いでしょう。

ときには、フィアゾーンへチャレンジするときに自分の許容範囲を超えてしまう大きな不安や恐怖に出会うことがあるかもしれません。

大きな挫折や病気になってしまうような不安や恐怖は自分の身を滅ぼしてしまいます。

大きな挑戦をしようというときには、ただがむしゃらに頭を突っ込んでくだけでなく、自分の現状と周りの環境をしっかり把握した上でチャレンジするのが良いでしょう。

「猪突猛進!」もバランスが大切ということですね!

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