バスケのかてきょコラム 第381号

いつの間にか構築された思考

失敗をしてしまったとき、どのように考え、行動に移しますか?

失敗はしてはいけないことで、無かったことにしようと目を背けますか。

それとも失敗を学びの機会として捉え、自分の成長の糧にしますか。

困難なことに出会ったとき、どのように考え行動に移しますか?

無理だと諦めたり、困難を避けて通る安心の道を求めますか。

それとも辛抱して困難に立ち向かい乗り越えようとしますか。

今回はマインドセットについてお話します。

マインドセットとは、思考パターン、固定化された考え方や捉え方のことをいいます。

マインドセットはこれまでの経験や教育、先入観からつくられていきます。

みなさんが自分の中に持っている信念もマインドセットの一つです。

私たちの自分の中に備わっている基本的な考え方は固定的で変わらないものなのでしょうか。

それとも、努力次第で伸ばすことができるものなのでしょうか。

これはとても単純なことで、『変わらない』と思っている人は変わることはできず、『努力次第で伸ばすことはできる』と思っている人は成長することができるのです。

このマインドセットによってその人が成長していける人生を送り、より豊かなものにしていくのか、変化や困難を恐れ、自分の成長の機会を掴もうとせずに現状維持の人生を送っていくのかに分かれます。

どちらがいい、というものではありませんが、自分やチームが成長していくためには『成長型マインドセット』に導いた方が成果につながりやすいでしょう。

マインドセットには2つのタイプがあります。

  • 成長型マインドセット(growth mindset)
  • 固定型マインドセット(fixed mindset)

この2つは対照的なもので、成長型は状況を前向きに捉えることで現状を変えようと行動し、自分の能力を成長させようとするタイプです。

一方で固定型は自分の能力は変えられないもの、現状は変えられないものだと捉え、思考を停止させ、その場に止まったり諦めてしまうタイプです。

つまり、成長マインドは『伸ばす』こと、固定マインドは『変わらない』ことが根底にあります。

人間はどちらのマインドセットも持っていて、どちらのタイプというよりは、どちらの傾向が強いか、あるいは弱いかで把握します。

みなさんは生活している中で様々な成長の機会に出会っています。

それをどのようなマインドで捉えているか、振り返ってみましょう。

【技術や知識】

成長マインドでは努力によってさらに高めていけるものだと捉え、固定マインドでは持っているものや備わっているものだから変えることはできないと考えます。

【一番の関心事】

成長マインドでは結果や見た目には拘らず、学ぶことや向上してくことのプロセスにフォーカスし、固定マインドでは他者からの評価や見た目、結果にフォーカスします。

【努力】

成長マインドでは学びや成長するためには必要なものだと捉え、固定マインドでは、努力とは無駄で忌まわしいものと捉えます。

【困難】

困難に出会ったときに成長マインドでは成長の機会だと捉え辛抱して乗り越えようとし、固定マインドでは困難はどうにもならず、諦めたり避けて通ろうとします。

【フィードバック・助言】

成長マインドではフィードバックを必要とし、学んだり成長していくために積極的に耳を傾け、固定マインドでは自分が攻撃されている、反発を受けているなど批判的に捉え、耳を傾けることなく保守的になります。

【失敗】

失敗に対して成長マインドでは学びの機会として捉え、固定マインドでは失敗を恐れ、失敗しないようにと避けようとします。

【他者の成功】

成長マインドでは他者の成功から学んだり気づきを得ることで刺激となり、固定マインドでは他者の成功を自分を脅かすものとして捉えます。

いかがでしたか?

まずは自分のマインドセットを理解することが大切です。

成長の機会に対してどのようなマインドを持っているのかを自分で把握することで、どの機会に成長マインドを持てているかまたは固定マインドを持っているかを知ることができ、考え方を改めるきっかけになります。

今まで送ってきた生活の中で様々な方面から経験を積んできて、今の自分の一つのマインドセットを作り上げています。

そしてこのマインドセットが無意識のうちに働き、自分自身の行動を決めていくのです。

成長型マインドセットへ近づこうとすることは、簡単なことではないでしょう。

固定型マインドセットの傾向が強い人ほど自分は変わることはできないと考えてしまっているのですから。

しかし、自分の固定型マインドセットに気づき、勇気を出して成長型マインドセットの思考を意識して行動していくことで効果が現れ、成長することの喜びを感じることができるでしょう。

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