蓄えたものはアウトプットする
情報が溢れる現代、求めれば知識がすぐに手に入るようになりました。
多くの知識が手に入り、飛び交っている中で様々な見解や考え方にふれると思います。
皆さんはその中で、どの知識を選び、信じますか?
納得できる情報、信頼度が高い情報、有名な人の情報、興味深い情報など、人によって知識の選び方や信じる基準は異なるでしょう。
今回の話では、4つの側面の一つ「知性、知的側面」を磨いてくためには「蓄えたものはアウトプットする」ことが大切なのだということを考えていきたいと思います。
では、多くの知識の中から自分の信じられるものを選びながら勉強を進めていくとします。
そうすると勉強したものは自分の知識として自分の中へ蓄えられていきます。
蓄えること、つまりインプットを積み重ねさえしていれば、知性、知的側面を磨いていけるのでしょうか?
インプットをしたものは大事にしまっておくだけでは、忘れ去られていってしまうのです。
インプットしたものはアウトプットすることが大切になってきます。
例えば、一つの料理の作り方を覚えたとします。
まず、作ってみないとすぐに作り方は忘れてしまうでしょう。
簡単なゆで卵の調理でも。
どのくらい茹でればどのくらいの固さになるのかいうのは作ってみないとわからないものです。
そして、一度作ってみると
「もう少し柔らかい方がいいかもしれない」
「ちょっと茹ですぎたかな」
「味付けは別の調味料がいいかもしれない」
など気がつくところがあり、知識が再新再生されていきます。
そこからさらに知識への欲求が高まり、新しい知識への入り口になるのです。
その料理をについて理解することにもつながってきます。
覚えただけでは忘れ去られてしまうだけでなく、知識に対する理解、深まりや広がりに気づくことは難しいでしょう。
バスケットボールでも同様のことが言えます。
一つのスキルを覚えたとします。
やはり料理と同じように実際にやってみないとすぐに忘れてしまうでしょう。
頭で分かっていても身体が思うように動かなかったり、試合の場面でディフェンスがそのスキルに対してどういう対応をしてくるのかということもやってみないとわかりません。
実際にやってみたところ、多くの課題が生まれてくることでしょう。
例えば、ステップバックシュートを教えてもらった後に実戦してみると思ったように体が動かなかったり、ディフェンスに簡単にブロックされてしまったり、ステップバックをした後にバランスを崩してシュートが雑になっていまったりうまく行かないことがあります。
そこで
「ディフェンスにブロックされないためにはどうしたらいいんだろう」
「ステップバックの後のシュートが全然入らない。入れるためにはどうすればいいのだろう」
など疑問が生まれてくるはずです。
そこからステップバックというスキルの理解につながり、ステップバックのフットワークやタイミング、バランス能力の必要性、ディフェンスの状況を見ることなど多くの学びを得て、スキルをより磨いていくことができるのです。
コーチの立場から、自分がとてもいいなと思った練習メニューを幾つか学び、インプットしたとします。
実際に指導現場でアウトプットすると、様々な気づきが生まれることでしょう。
現場の選手達の反応、習熟度や理解度などの練習メニューの適応の度合いが低い場合、そのまま練習メニューを押し進めるでしょうか?
負荷を下げたり上げたりする工夫を加えたり、練習効率の改善を考えたり、実戦により近づける工夫を加えたり、
おそらく練習メニューに様々な工夫を加えることになると思います。
インプットしていたものをアウトプットし、それが選手にうまく伝わらない部分があったときには、まだ知識に対する自分の理解度が低いと感じたり、選手への伝え方に課題があると自分自身の理解度や立ち振る舞いなどにも気づくことができます。
このようにして、アウトプットするからこそ知識に対して理解を深め自分の知識となり、次なる課題や興味が生まて、知識を深めさらには広げていくことになります。
知識はモノのように無理やりどこかに押し込んだり、詰め込んだりすることはできません。
自分自身が十分に理解した上でなければ蓄えることも身につけることもできないのです。
毎日毎日積み重ねたものは無意識下におかれ、自分の当たり前になっていくでしょう。
しかし、その当たり前も定期的に磨き続けなければやがては消滅していき、昔積み重ねたものでも今同じように発揮されるとは限らないのです。
積み重ねたものも、今覚えたことと同様に使わないと忘れ去られてしまうのです。
大切なことは、積み重ねることです。
持っているものに満足せず、自分を磨き続けていくためには持っているものを定期的にアウトプットし、よりその知識に対して理解を深め続けていくことで長期的に成果を出し続けることができます。
インプットしたものはアウトプットしてさらに磨きをかけていければ、日常が活気溢れてより豊かな生活を送ることができるでしょう。
自分の信じるものを疑い続けて信じるのか、自分の信じるものを疑わず信じるのか。