バスケのかてきょコラム 第372号

精神を磨くことでリーダーシップを発揮する

「刃を研ぐ」という習慣は、個人個人が持つ「自分自身」という最も大切な資源を維持すること、自分の中にある自然から授かった4つの側面について再新再生をさせることです。

4つの側面とは「肉体的側面」「精神的側面」「知的側面」「社会・情緒的側面」のことです。

前回、肉体的側面を磨いていくことの大切さを説明しました。

では、肉体的側面を磨くだけで素晴らしいスポーツ選手になることができるでしょうか。

またより豊かな生活を送ることができるでしょうか。

4つの側面は一つだけ磨いたとしても効果は発揮されず、全てに気を配らなければなりません。

バランスをとることが大切なのです。

ではなぜバランスをとることが大切なのでしょうか。

それは、一つの側面での行動や振る舞いが他の側面にも影響するからです。

今回は「精神的側面」を磨いていくことについて考えていきます。

精神的な側面を磨くということは、自分の中心となるもの、価値観に対して決意し、それを再新再生させていくということです。

第二の習慣「目的を持って始める」と非常に深く関係しています。

皆さんは人生のミッションステートメントを持っていますか?

ミッションステートメントというのはあなたの個人的な憲法であり、信条、信念であり、自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、何を基盤として生きていくのかを文章で記したものです。

これを持っていることで、個人の人生に揺るぎない方向性と安定性を与えてくれます。

この自分のミッションステートメントに向かっていくためには、精神を再新再生させることが必要になります。

精神的側面を再新再生させる方法は、人によって様々です。

海や山に行ったり自然に触れることが自分の精神を再新再生させるために必要な人もいれば、ボランティア活動で地域の人とふれあったり、高齢の方や子ども達とふれあうことが必要な人もいるかもしれません。

精神を安定させることで、自分の中心になっているものや価値観に対して見つめ、決意をすることができます。

しかし、そもそも自分の目的としているものや自分がどうありたいのか、どんな人間、選手になりたいのかといった基準とするものがないと、自分の方向性を見つけることができません。

自分の目的としている方向性があるからこそ、精神面を磨いていくことが大切なのです。

この方向性が明確であれば度々それを復習し、決意し直すことができます。

そして、毎日の精神的な再新再生の活動の中で、その価値観に沿った一日の活動を心に描き実行することができるのです。

肉体をつくっているのは精神であり、もしこの精神的側面が安定していなければ、自分の目的が曖昧になってしまい、目的のために取り組んでいた肉体的側面であるコンディショニングを整えることは難しくなるでしょう。

「精神的に強い」という言葉をよく聞きますが、これは自分の目的がはっきりとしていて、その目的に向かって精神が安定している状態のことをいうのではないでしょうか。

トラブルがあったとしても自分の目的としているものがはっきりとしているので、精神を安定させどのように対処すべきかを迷いなく表現できるのでしょう。

また、自分が精神を安定させる術を知っているのでたくさんの危機を乗り越えられるのでしょう。

私は多くの人に出会ってきた中で、上記のような精神的に強い人の共通点は信頼が厚くてリーダーとして尊敬のできる人だと思っています。

精神的な側面の再新再生を図るには、時間を投資する必要があります。

これは「緊急ではないが重要なこと」であり、後回しにすることはできません。

リーダーシップを発揮するためには精神を毎日リニューアルし、自分の目的や価値観を振り返りながら常に自分を磨き続けていきましょう!

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