緊急ではないが重要なことを優先できるか
コラム第356号「大事なことを優先する習慣」で紹介をした、私たちの行動を「緊急度」と「重要度」で4つの領域に切り分けて表した図を思い出して下さい。
第一領域は「緊急かつ重要なこと」
第二領域は「緊急ではないが重要なこと」
第三領域は「緊急だが重要でないこと」
第四領域は「緊急でも重要でもないこと」
再度振り返りますが、最も重要になってくる領域の活動は第二領域の「緊急ではないが重要なこと」です。
自分の出す成果や業績はすべて自分という道具をを活用して作り出すものです。
誰かに代わってもらうことはできません。
その自分自身という資源を維持向上させていくためにはどの領域が重要になってくるでしょうか。
「刃を研ぐ」という7つ目の習慣は、第二領域の「緊急ではないが重要なこと」を優先して行い、自分に投資をするというものです。
皆さんが与えられた4つの側面「肉体的側面」「精神的側面」「知的側面」「社会・情緒的側面」それぞれの側面の「緊急ではないが重要なこと」について、どのようなものがあるか考えていきましょう。
「肉体的側面」では、身体のケアを例として考えてみます。
最高のコンディショニングを目指す時に、身体を強くするためにトレーニングをすることの他に、食事をしっかり摂ること、睡眠や休養をとること、練習で酷使した筋肉を休めることはとても重要なことです。
もし、トレーニングを頑張り続けて身体のケアを怠るとどのようなことが起こってしまうでしょうか。
怪我や病気を引き起こしてしまい、最高のパフォーマンスを出すことは難しくなるでしょう。
身体のケアの他に、自主練習は肉体的側面の第二領域に入ります。
自主練習は自分で時間をつくらなければ実行できないものです。
緊急な出来事や緊急ではないが重要でもない領域に時間を取られ、自主練習の時間を取ることができないということになりがちです。
しかし、効果的に時間を使い、能力を発揮し続けるにはこれら4つの側面を定期的に磨く時間をとらなければなりません。
主体性を発揮し、自主練習をする時間をつくるという選択をするべきでしょう。
私たちバスケットボールの家庭教師のスクールシステムにある「検定カード」についても、これは自主練習の一環であり第二領域のものになります。
身体の軸になる部位を鍛えたり、身体のかしこさを鍛えることでスキルの習得がスムーズにできるようになると考えています。
選手達の主体性に任せ、それぞれのペースで取り組んでいきます。
自主練習をしなくてもチーム練習などの限られた時間で上達することはもちろんできます。
しかし、自分の身体能力を最大限まで高め、より高いパフォーマンスを発揮するためには自主練習をして自分を磨く習慣というものは重要となってくるのです。
第二領域は、自ら行動を起こさないと実行できないものです。
第二領域を怠り続けることで、第一領域を誘発しやすくなっていまうのです。
またその影響はあらゆるところに派生して、さらに第一領域が増えてしまいます。
第二領域に集中することが大切なのです。
「自分を磨く」活動こそが、人生で唯一成果を生み出すための自分への投資なのです。
そして、スポーツ選手にとっては必要不可欠な習慣であり、選手として大成するためにはこの7つ目の習慣を身につける必要があります。
この習慣無くして、スポーツ選手として大成することは難しいのです。
スポーツ選手の中でもこの習慣を身につけている選手は少ないと言われており、大成するごく限られたトップアスリートは、日々の生活習慣を自らの目的意識に服従させコントロールし、毎日が最高のトレーニングになるように、最高のコンディションを意識しているのです。