
ヨーロッパと日本のスポーツ環境の違いについて、主にバスケットボールの側面から紐解いているこのシリーズ。
今回は練習環境の第三弾。
「憧れの存在」
子ども達と一緒に練習していると、驚くことに今どきの小中学生はNBAをぜんぜん見てないです。
ほんの一部の子どもだけがNBAにすごく詳しくて、多くの子どもがNBAを見たことないと言います。
多少地域差はありますが、これだけインターネットが普及して、少し検索すれば世界最高のプレーが映像で見れるのに・・・。
僕が中学生の頃は月バスを毎月楽しみにしていて、スーパースターの記事を読み、衛星放送でNBAやバルセロナオリンピックの映像をビデオで何度も繰り返し見てました。
憧れのマイケルジョーダンの真似をしたり、クリスマリンやマークプライスのシュートを真似したりしてました。
いま、日本の子ども達は当然のごとく日本のトップリーグプレーヤーのことも知りません。
どんな選手がいるかも知らないし、いつ試合をやっているかも知りません。
だから、僕たちが色々と情報を届けているのですが、憧れの選手というのが、同じミニバスの先輩、中学の先輩なんです。
ヨーロッパの練習環境を見てみると、トップリーグに所属しているクラブの下部組織になると、プロ選手達と同じ体育館で練習をします。
地元クラブのトップリーグ選手は憧れの存在で、しかもその選手は日々同じ体育館で練習しているんです。
この環境はかなり魅力的です!
僕がもし子どもだったとして、月刊バスケットボールの表紙になるような選手が毎日自分と同じ体育館で練習してたら、モチベーションは毎日フル充電!
絶対に、あんな選手に近づきたい!と練習に向かうエネルギーも燃えたと思います。
東京の実践学園中学校が今年全国大会で3位になりました。
話を聞いていたら、トヨタ自動車の岡田選手が時々練習に来てくれたそうです。
日本トップレベルの選手に触れて、彼らもかなり刺激をもらったようです。
やはり、そういった機会が子ども達にはとても大事なんだと思います。
ヨーロッパは、それが機能的に年代ごとのチームという形で現実化しており、小学生が中学生や高校生年代のうまい選手達を身近に感じられるというのはとても魅力的な環境だなと思いました。
日本でも、そういった環境を増やしていけるように、僕達も色々とアクションしていきたいと思います。