『試合のルール設定』~日本とヨーロッパのスポーツ環境の違い①-4~

鈴木良和のブログ


今回は「ルール設定」についてです。

2007年にスペインのジュベントゥというクラブに視察に行ったときに聞いた内容です。

(ジュベントゥの子ども達と微妙な距離感にて)

「2007年当時 印象的だったスペインのルール設定」

●12歳までゾーン禁止。目的は個人技を高めるため。これは協会から定められているルール。

ドイツでは14歳までゾーンを禁止しているそうです。理由は上記と同じです。

ゾーンが相手でも個人技は発揮できるといえばそれはそうですが、脳科学的に成功体験を多くする意味を考えると、ゾーンは規制してしまった方が子ども達へのポジティブな影響は大きくなると思います。

●ミニまでは6ピリオド×8分。最低2ピリオド、最高4ピリオドの出場とする。

一日に何試合もすることはあまりないと言っていました。その理由は施設面や他カテゴリーの試合も組まなければならないという状況もあるかもしれません。

●2008年に向けて、カタルーニャ洲で8ピリオド×6分、最低3ピリオド、最高5ピリオドというルールを採用する準備を進めている。

新ルールでは途中のタイムアウトを禁止する方向のため、途中の指示が出来なくなるからよくないと思っていると、ジュベントゥの下部組織代表ジョアン氏が当時述べていました。

●クラブでルールを試し、協会へ打診するということができる。

洲ごとの協会がルールを決めているようで、各地区ごとに特色があるそうです。

2007年に上記のような話をスペインで聞いてきました。

時は経って今年、同じくスペインからエストゥディアンティスというクラブのコーチ達が来日しました。

あれから6年が経過しましたが、ここで聞いたミニバスのルールはとても面白いルールでした。

●6ピリオド制 各ピリオド毎の勝敗で戦う。つまり、1ピリオド 15-10で勝利、2ピリオド5-20で負け、の場合は今のところ一勝一敗という感じ。20-30という風に足していかない。

こうすることで、力の差があるゲームでも、後半のピリオドが大差のゲームにならないため、拮抗した争いが最後まで演出できるそうです。

あるピリオドで大敗しても、他のピリオドでがんばれば、勝つチャンスがある。

3勝3敗で引き分けももちろん多くなるそうです。勝敗が最優先じゃないから、それはそれで問題ないと言っていました。

とてもユニークなルールだなぁと思いましたし、スペインはこの6年間でミニバスのルールが結構変わったんだなぁと感じました。

日本は僕がプレーしていた22年前からどのくらいルールかわったんだろう???

ジュベントゥのコーチ達も言っていましたが、ルール変更に対してスペインでは洲ごとの協会がフレキシブルに対応しているそうです。

我々も、ルールは勝敗を決するためだけのものではなく、選手育成に対しても影響をもつものだと認識しなければなりません。

現状のものが選手育成にもっとも最適なのか、常に疑いを持って考え続けなければならないのだと思います。

次回、スペインやドイツ、チェコで見てきた「練習環境」についてご紹介していきたいと思います。


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