バスケのかてきょコラム 第364号

第364号 「相手の話を聞くスキル」

自分の意見が相手に伝わるためには、相手との信頼関係が成り立ってること。

相手との信頼関係を築くためには、相手を理解すること。

相手を理解するためには、相手の話を感情移入して聞くこと。

「感情移入をして聞く」コラムの中で、相手の話を聞くレベルについてお話しをしました。

”無視をする”

”聞くふりをする”

”選択的に聞く”

”注意して聞く”

コラムの中で書いたように、これらの話の聞き方は相手を理解しようとして聞いている聞き方ではありません。

相手を理解するためには、相手の話を感情移入して聞くことが大切なのですが、『言葉だけを聞く』という言葉の表面的な意味を捉えるだけの聞き方をしてしまわないように注意が必要になります。

言葉だけを聞こうとしたとき、その言葉に込められた表情、声の調子を聞き取ることができるでしょうか。

相手を理解するためには、言葉には出てこない心の声を聞き取ることが必要なのです。

相手のことを理解しようと思ったら、耳と目と心で『聴く』ことです。

『7つの習慣』では、相手の話を聞くときの感情移入のスキルを紹介しています。

それには4つの段階があり、

第一段階:話の中身を繰り返す

第二段階:話の中身を自分の言葉に置き換える

第三段階:感情を反映する

第四段階:内容を自分の言葉で言い、同時に感情を反映する


第一段階は、「オウム返し」のようなものです。

相手の言葉を繰り返すことで相手の話を聞くようになります。

そして第二段階では、言葉の意味を自分の言葉に表現し、相手の話した内容について考えています。

ここまでは、『言葉を聞いている』段階です。

理論的な思考回路を使う左脳を使っています。


第三段階で言葉を聞いている状態から、その言葉からどう感じているかを考えます。

そして、第四段階に至ると第二段階と三段階の両者を合わせ、

『話の内容を自分の言葉で言い、同時に感情を反映する』のです。

左脳が得意としている言葉の意味を理解したり論理的に考えることだけでなく、右脳が得意としている感情をイメージすることで、相手とのコミュニケーションはこれまでとは全く違ったものとなるでしょう。


しかし、これらはスキルなので、本当に相手を理解しようという気持ちがなければ本当の意味での効果は現れません。スキルはあくまでもスキルです。

いつも相手の言葉を言い直す必要はなく、あくまで本質は、相手のものの見方、気持ち、言わんとするところを理解することです。

本当に理解したいという気持ちがあり、人格、相手との信頼関係、感情移入のスキルを身につけなければ、相手の立場に立ち、相手を理解することは難しいのです。

スキルは持っているか持っていないかが大きな意味を持つことは事実です。

しかし、心の底から理解したいという気持ちに基づいていなければ効果を上げません。

大切なことは、スキルではなく、「本当に感情移入しよう」とする気持ちと態度なのです。

お互いの信頼関係のない中で紹介したスキルを発揮したところで、効果は現れないでしょう。

自分の意見が伝わるためには、相手との信頼関係が不可欠な要素です。

信頼関係を築く第一歩は「聴く」こと。

言葉を耳だけで聞くのではなく耳と目と心を使って「聴く」ことで、相手を理解する力が養われるでしょう。

『会話は競争ではありません。どちらが勝ってどちらが負けることではなく、お互いが理解することが目的なのです。』

〜7つの習慣『第5の習慣 理解してから理解される』より〜

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