ANDの才能という指導者の才能について

鈴木良和のブログ


久しぶりの更新になってしまいました。

ここからは「子どもを強くする親」についての第三弾

③自信と謙虚さのバランスを育てる~過信もダメだし、勇気がないのもダメ~

についてです。

しかし、この話をする上で避けては通れないのが「ANDの才能」という能力のことです。

▼ビジョナリーカンパニーという本に出てくる言葉で▼

ビジョナリーカンパニー

簡単に言うと、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という理性的な考え方ではなくて、偉大な組織というのは相反するように見える二つのことを同時に達成するような考え方をしているんだよという話です。

「二兎を追うと決意したものしか二兎は得れない」、といった感じでしょうか。

二兎を追う者は一兎をも得ずという格言は、時間的な背景としてその一瞬の決断という部分がありますよね。

でも、準備や計画などを背景に含めれば、その二兎を手にするために用意できる道具や仲間を募ることなども考えれば、二兎を追うことは不可能ではないわけです。

でも、我々は常に白黒はっきりつけなければならないような教育を受けているので、ついつい簡単に二兎は追わない選択をしてしまいます。

コーチとしてもそうです。

自分は何者であるかを考えるときに

■真面目なコーチか・ユーモラスなコーチか

■優しいコーチか・厳しいコーチか

■感覚で伝えるコーチか・理論的に伝えるコーチか

■自主性を尊重するコーチか・徹底して管理するコーチか

といったように、多くの場合このどちらかの性質に偏っていくと思います。

常に使うものほどうまくなるもので、どちらかに偏ればますますそちら側のキャラクターが色濃くなるわけです。

しかし、多くの成功した指導者、偉大な指導者を見てみると、この両面を同時に持っているような方々が多い気がします。

僕にとってこの偉大な方々のイメージは、サザンオールスターズのような魅力が分かりやすいイメージです。

マンPのGスポットとか、エロティカセブンのような歌もあれば、TSUNAMIのようなバラードもある。

この振り幅がすごいのがサザンオールスターズの魅力の大きさになっていると感じています。

サザンの魅力はそのふり幅にあるように、指導者の魅力というのもきっとどちらか一方に振り切れるだけではなく、相反するような両面を同時に持っているような人が魅力的なのかなと思います。

ラインホルド・ニーバーの有名な言葉も、ANDの才能についてうまく表現しています。

『神よ 変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。』

O GOD, GIVE US SERENITY TO ACCEPT WHAT CANNOT BE CHANGED,COURAGE TO CHANGE WHAT SHOULD BE CHANGED,AND WISDOM TO DISTINGUISH THE ONE FROM THE OTHER

ANDの才能の逆をORの抑圧と言います。

AかBかと選択を迫られるような状況の時に、ORの抑圧に屈してしまう人は、どちらかに偏ります。

もちろん、どちらかに偏った人が、パラダイムシフトして逆側に振り切れることでも人間的な幅は広がるので、偏ること自体は悪いことではありません。

ただ、この言葉は僕にとっても強烈なメッセージになりました。

『一貫性というのは想像力を欠いた人間の最後の拠り所である。』

劇作家オスカー・ワイルドの言葉です。

そう、ANDの才能を発揮するには、想像力が必要なのです。

想像力を欠くコーチほど、ORの抑圧に屈してしまうということなのです。

かく言う僕も、ORの抑圧に襲わ続けているコーチの一人なのですが、ビジョナリーカンパニーとオスカーワイルドの言葉に出会ったことで、日々ORの抑圧と戦っています。

■優しくも厳しい指導

■自主性を重んじながらも理念を徹底する指導

■真面目な空気とユーモラスな空気の抑揚をつけたオーケストラの指揮者のような指導

■理論に裏付けられた感覚的な指導

言葉にすると簡単ですが、実際にやるとなるとなかなか難しい。

この難しいつかみどころのない能力を高められるように、日々努力を続けていきます。

ということでこのANDの才能についてを背景に、次回③自信と謙虚さのバランスを育てる~過信もダメだし、勇気がないのもダメ~
について、まとめてみたいと思います。


最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
PAGE TOP