第361号 ”言いたいだけ”と”伝えたい”の違い
コミュニケーションにはいろいろなパターンがあり、
- 全受容(すべての話を聞き入れる、受け入れる)
- 部分受容(一部分だけ聞き入れる、受け入れる)
- 拒絶(否定的に聞いたり、反論したりする)
- 無視(聞こうとしなかったり、聞き流したりする)
といった形で相手は自分の話を受け取っています。
ここで何が大事かというと、自分の言った事をどのくらい受け止めるかは受け取る側に委ねられているということです。
自分が言った事は、いつも相手が全部受け止めてくれるとは限らないのです。
キャプテンが指示したのだからといって、ついついチームメイトに「全受容」を求めてしまいますが、自分の行いがチームメイトの信用を得ていなければ、相手はキャプテンの話を部分受容しかしないかもしれません。
「言うこと」と「伝わること」には違いがあることを理解する必要があるでしょう。
自分が意見したことに相手が耳を傾けてくれなければ、それは自分が「言っているだけ」ということになります。
自分が意見したことに相手の聞く耳がたっていれば、それは相手に「伝わる」ということになるでしょう。
ここで大切なことは、「理解してもらいたければ、相手のことを理解する」ということです。
キャプテンだからと言ってチームメイトが「全受容」してくれるとは限りません。
キャプテンの行いがチームメイトに信頼され、チームメイトを理解しているかが、自分の伝えたい事が相手に伝わるために大切なことなのです。
自分が意見しているときに、もしかしたら聞く耳を立てているふりをして拒絶している可能性もあります。
言いたい事を「言う」ことが目的になってしまっていると、相手の状態、相手の聞く耳がたっているかどうかを考えないコミュニケーションになってしまいます。
言いたい事が「伝わる」ことが目的になっていれば、相手の状態、相手が聞く耳を立ててくれているかどうかがとても大事だと考えられるのです。
ここではキャプテンを例に挙げましたが、すべての選手同士に同じ事が言えます。
相手に何か伝えたいと思ったら、まずは相手が聞く耳を持つようにしなければなりません。
それを考えず、自分が言いたいことをただやみくもに意見しているのは、目的を履き違えてしまっているのです。
言いたい事を言うのが目的ではありませんね。
「言いたい事を伝えた結果、チームが良くなること」が目的のはずです。
それが目的になっていれば、ただ言いたいだけのコミュニケーションから、伝わるように工夫するコミュニケーションへ行動が変化するはずです。
土台に信頼のない関係性で、「自分が伝えよう」と思ってもそれは相手にとっては「あの人が言っているだけ」になってしまうことでしょう。
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