第360号つづき ある眼科医の話からリーダーシップについて考える
「理解してから理解される」習慣が大事であるということを、ある眼科医の話から考えていきましょう。
あるところに眼鏡が合わないといって病院にきた患者さんがいました。
そこで眼科のお医者さんは
「僕の眼鏡はとても良い眼鏡だから、これをあなたにあげよう」
と勧めます。
患者から「やはりこれでも見えない」と言われると
「そんなはずはない。私はこれでよく見えるんだから」
と言い返します。
「それでも見えないものは見えない」という患者に
「なんて人だ。こんなにあなたのことを考えているのに!
もっと頑張ってみなさい」
というのです。
こんな眼科医にあなたは罹りたいと思いますか?
さて、このお医者さんは何がまずいのでしょうか。
お医者さんは真剣に患者さんを良くしようと思っていますし、自分の眼鏡をかけることが一番の改善策だと信じて言っています。
頑張れと応援もしています。
しかし、みなさんはこのお医者さんの話を聞きたいと思いませんね。
いくら自分が相手を思っていたとしても、応援したとしても、
相手の立場に立って考えていないのであれば、この眼科医と同じようなことをしてしまうかもしれないのです。