第360号 理解してから理解される
組織の中にリーダーシップが発揮できる人間が多いほどチームワークを高めることができる、ということを前回のコラムで紹介しました。
リーダーシップを発揮する際には、
「相手に自分のことを理解してもらう」必要があります。
「自分はこう思う」
「私はこうしたい」
ということを相手に伝えたいと思った時、
相手に伝わらなければリーダーシップを発揮することが難しくなります。
相手に自分の意見が伝わるための土台となっているものは何でしょうか。
経営学者であるピーター・ドラッカーが述べたリーダーシップについて振り返ってみましょう。
- リーダーシップとは資質ではなく、仕事である
- リーダーシップとは、責任である
- リーダーシップとは、信頼である
とありました。
相手に自分の意見が伝わるための土台となるものは、伝えたい相手からの信頼です。
自分の意見が相手に伝わるためには、相手からの信頼がないと伝わりません。
いくら素晴らしいことを言ったとしても、組織のことを考えた意見を述べたとしても、それが相手に伝わることはなく、リーダーシップが発揮できないでしょう。
リーダーシップを発揮できる人は、相手のことを理解できる人間なのです。
では、相手に自分のことを理解してもらうためにはどのような姿勢が良いのでしょうか。
反応的な姿勢な人は、相手に自分のことを理解してもらう際に、ついつい自分の意見を伝えることばかりに集中してしまいます。
そして、相手がその意見を聞いてくれなかったときに
「あの人はやる気がない。」
「チームが良くなるために意見を言っているのに、あの人は聞く耳を持っていない。」
「自分はこんなにチームのことを考えているのに、あの人はチームのことを考えていない。」
「リーダーの自分の言うことを聞けないなんて、自分勝手な人だ!」
と思ってしまいます。
このようなリーダーについていきたいと思うでしょうか。
主体性が身についていないと、リーダーシップが発揮できないのです。
相手に自分の意見を理解してもらいたかったら、まずは相手を理解することが大事になります。