
前回のブログの続きです。
子どもを「自ら考え、工夫する選手」に育てるために、3つのポイントがありました。
1.決断の機会を奪わない/p>
2.失敗する前に助け過ぎない
3.「かわいそう」を履き違えない
今回は、◆2◆失敗する前に助け過ぎないについてです。
子どもは、失敗から学びます。
痛い思いをして、次に同じ過ちを繰り返さないよう工夫します。
その考え、工夫し、蓄積された経験から、良い判断をくだせるようになっていきます。
大人は、子どもよりも経験が多いので、失敗をする前に察知することができてしまいます。
なので、子どもたちが失敗する前に事前に助け船を出してしまうのです。
そうすると、子どもは失敗しないために考えたり、工夫する経験が減ってしまいます。
そして、失敗から立ち直るという経験を積めなくなってしまいます。
46年目の光という本があります。
46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生/エヌティティ出版
盲目の男性が主人公のノンフィクションなのですが、このお母さんが、目の見えない主人公にとにかくたくさんのチャレンジをさせ、たくさんの失敗をさせるのです。
目が見えなければ、普通の子ども以上に手助けをしてやり、色々なことをやってあげようとするのが当たり前だと思いますが、この母親はそうはしないのです。
この本から学び、僕も指導の現場では子どもが失敗しないように事前にアドバイスするのではなく、 むしろ失敗が起きてしまうような状況設定をし、次に同じ失敗をしないためにはどうしたらよいかを工夫させるやり方を優先しようと意識しています。
保護者の皆さんも、失敗を悪いものととらえず、むしろ子どもの成長にとって欠かすことのできない糧となるものだと考えていただければ良いのではないでしょうか。
ただし、人生を左右するような決断には、大人としての経験に基づくアドバイスやサポートは重要になると思います。
とり返しのつかないような失敗をしてしまう前には、事前に伝えなければならないこともあると思います。 これらもバランスが重要です。
子どものスポーツ現場は、子どもの人生の一部分です。スポーツ現場が人生の全てにはなりえません。
子ども達がスポーツ現場でたくさんの失敗を経験し、そこから立ち直る経験をしておくことは、社会に出る上でとても貴重な経験なるはずです。
(※もちろん、失敗しても平気な向上心のない子どもを育てましょうという意味ではありません)
学校の授業やテストの点数をとるための努力は、失敗をしないための手法になりがちです。
この価値観が強すぎてスポーツ現場も同じように捉えてしまうと、部活動なども子どもが失敗しないように塾に行かせるような感覚になってしまうのかもしれません。
子どもが完璧にプレーできてなくても、シュートを外してしまったとしても、失敗そのものを責めたりせず、むしろそこからどう取り返すのか、どう切り替えるのか、どう工夫するのか、そういった部分に意識を向けてみてはいかがですか?
そして、子どもが失敗しないようにと手を差し伸べてしまいそうになったり、子どものためにと思って周りに何かを変えてもらおうと思ったりしてしまったら、その行動が子どもの自ら成長する機会を奪ってしまうかもしれない可能性に意識を向けてみてください。
とにかく、子ども達には自ら成長する力強さが備わっていることを信じて、簡単に失敗から子ども達を救ってしまうようなことがないように気を付けてください。
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