第359号 リーダーシップはキャプテンだけが発揮するものか?
いろいろな本を読んでいると、
「リーダーシップを発揮できる人間が多いほど優秀な組織になっていく」
と書いてあることが多いです。
バスケットボールのチーム作りを考えても、おそらく同じ事が言えるのだと思います。
しかし、チームの中で「キャプテン」を決めると、ついついキャプテンだけにリーダーシップを求めてしまうことがありませんか。
チーム内の統率をはかる上で、リーダーを決めてその選手が中心になってチームをまとめ、行動してもらうことは確かに大事なことだと思います。
しかし、本当の意味で優れた集団、優れたチームになるためにはチームの中にリーダーシップを発揮できる選手が大勢いる方が良いのです。
誰か1人がリーダーシップを発揮するではなく、多くの選手がリーダーシップを発揮することでチームワークがより高まっていきます。
では、そもそもリーダーシップとは何でしょうか。
リーダーシップについて経営学者であるピーター・ドラッカーはリーダーシップについて次のように述べています。
- リーダーシップとは資質ではなく、仕事である
- リーダーシップとは、責任である
- リーダーシップとは、信頼である
つまり、リーダーシップは生まれつき持っているものではなく、誰もが学ぶことができるものです。
また、ドラッカーはリーダーの唯一の定義が「付き従うものがいること」としています。
リーダーシップを発揮するには、一緒にいる人たちの信頼を掴まなければならないのです。
リーダーシップを発揮できる選手というのは、
相手を理解する力があること、責任感があり、自分で決断したことにけじめがつけられること、
そして、失敗を人のせいにせず、目的意識が高い人物です。
リーダーシップを学ぶためには、
指導者は選手に責任を持つ機会を与えることによって学ばせることができます。
そして、選手がリーダーシップを学んでいくためには、目の前にある課題に対して主体性を持って取り組み解決していく「オーナーシップ」の姿勢を発揮していくことです。
こういったリーダーシップを発揮できるリーダーの素質を持つ選手がたくさんいると、強いチームワークをつくっていけるのです。
「誰かがしてくれる」
「自分じゃない、誰かのせいだ」
「自分はこんなに頑張っているのに、あの人はやる気がない」
といった反応的な姿勢では良いチームワークをつくりあげていく一員にはなれません。
「私がやる」
「自分にできることは何だろう」
「自分からみんなを理解して、これからの取り組みを考えよう」
といった主体的な姿勢でリーダーシップを発揮し、良いチームワークを築いていく一員となるのです。