相手のミスに対する拍手・ナイスファール・ラッキーという応援で失われる指導理念

鈴木良和のブログ


以前、知人の指導者の方に、当時東京都でも強豪として知られていた「和光中学校」の保護者向け資料を見せてもらったことがありました。

その内容に非常に感銘を受けたので、われわれのホームページでもいくつか抜粋を紹介したことがあります。

今回、もう一度その指導理念について皆さんにご紹介したいと思います。

★和光中学校 両角先生の資料より抜粋

ゲームは対戦相手があって初めて成立します。ひたむきにプレーしあうことで、ナイスゲームはつくられていきます。その意味で対戦チームはナイスゲームを作る“パートナー”とも言えます。和光中男バスのベンチと応援席の父母は、相手チームの応援がどうであろうと、次のことに気をつけて応援しています。

◆相手の不注意によるミスには拍手しない

相手のミスを期待しているようではいけません。こちらのディフェンスが相手のミスを誘発したのであれば「ナイスディフェンス」の声と拍手を送ってください。

◆相手のフリースローの失敗に対して拍手しない

こちらのファールの罰としてフリースローは与えられています。フリースローの失敗は、一切の妨げのないところで、自由(フリー)に打ったシュートが外れただけのことです。何の手柄でもありません。

◆相手のファールに対して拍手や「ナイスファール」といった声はかけない

お互いに極力ファールしないように努力しています。仕方ないファール、避けられなかった結果のファールはあっても「ナイス」なファールはありません。すべてのファールに罰則がついているのはそのためです。

◆審判のジャッジに対する不満の声はかけない

審判はナイスゲームをつくる最高責任者です。不公平な笛はひとつたりとも吹かないよう全神経を研ぎ澄ませているのです。審判の先生が気持ちよく笛を吹けてこそナイスゲームは作られるのです。

選手達の応援にも、保護者の応援席からの声にも、そのチームの理念が哲学が反映されます。

素晴らしい対戦相手がベストを尽くしてくれて、審判が最善を尽くしたジャッジをしてくれて、保護者の方々が気持ちの良い応援をしてくれて、子ども達は最高のゲームが出来るのではないでしょうか。

そしてそれは、指導者が何もしなくても自然と出来上がるものではないようです。

指導者がチームに理念を浸透させ、徹底し、指導哲学をチームの文化にまですることで実現するのだと思います。


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