
「農場では春に種をまき、夏に手入れをし、毎日毎日水をあげ、秋に収穫します。必要な務めを果たし、作業を行わなければなりません。蒔いたものしか刈り取ることが出来ないし、そこに近道はありません。これは当たり前のことです。さて、これは人間社会にもあてはまるでしょうか?」
『7つの習慣小学校実践記』著者の渡邉先生は子ども達にこう問いを投げかけています。
これはとても効果的な問いです。僕も、「原則」ということを子ども達に考えてもらうときに、この農場の法則を紹介しています。
「農場の法則とは、こつこつ積み重ねていくことです。苦しさやつらさはあるかもしれないですが、心の底から喜べるものなのです。それは本当に価値のあるものであり、本物なのです。では、ここでこの農場の法則に背いてみましょう。農場で途中の行程を省くことは出来るでしょうか。できるはずがありません。種 をまかず、世話をせず、水もまかずに遊びほうけて、果たして実がなるのでしょうか。絶対になりません。」
★反農場の法則★
そしてこういった言葉を知っているか子ども達に聞きます。
『一夜漬け』
前の日になってあわてて勉強したり、用意したりすること
『付け焼き刃』
一時その場を間に合わせるために、にわかに習い覚えること
「一夜漬け、付け焼き刃を人間社会でしたらどうなるでしょうか?その場をつくろってみたり、ときにはよい成績を取ることもあって、でも本当の力はつかず、短期的にはごまかしている人。この方が楽で苦痛が伴わない。しかし本当の実力のない人であり、それはにせものであり、見せかけだけなのです。」
★バスケも同じ!★
こういった話から、生きていく上での原則を子ども達に紹介しています。
飛んだら落ちるという重力の原則と同様、さからったら地面に落ちるのと同じように、怠けていたら成功はないというのも原則だというわけです。
何か目的を達成したかったら近道はないぞというわけです。
種をまき、世話をして、収穫まで絶えず努力を続けなさい。
John Woodenコーチは、「情熱」と「勤勉」さを成功のピラミッドの最も重要な土台として定義しました。
バスケットボールでも農場と同じことが言えるのではないでしょうか。
ストレッチや食事、睡眠など、身体のコンディションを整え、技術を学び、繰り返し練習し、技の手入れをし、トレーニングで身体をつくり、人格を磨き、チームで結束し、組織を作り上げ、文化を築き、しかるべき行程を手を抜くことなく実行し続けなければならない。
チームで勝つために、個人として実力をつけていくために、農場の法則は原則なのです。