バスケのかてきょコラム 第358号

第358号 勇気と思いやりのバランス

前回、チームに「WIN-WIN」のパラダイムを持つ選手が多いことがよりチームワークを高められるというお話をしました。

WIN-WINの関係というのは、「自分も勝つし相手も勝つ」という考え方です。

その中で多くの人が持っているのは「WIN-LOSE」のパラダイムつまり「自分は勝ってあなたが負ける」というものです。

このパラダイムを持つ選手は、「勇気が強い」傾向があります。

勇気ばかりが強い選手は、自分の主張ばかりを押し通してしまい、相手に対する思いやりに欠けます。

自分のWINを考えるには「勇気」が必要なのです。

そして、相手のWINを考えるときには、「思いやり」が必要になります。

思いやりばかりが強く、勇気のない選手は相手のことばかりを考えてしまうでしょう。

この関係性が「LOSE-WIN」つまり「自分は負けてあなたが勝つ」ということになります。

「あの人が喜ぶなら自分は身を引けばよい」

「私を踏み台として下さい」

といった、自分を犠牲にしてしまうような考え方です。

WIN-WINの関係を築けるようになるためには、

勇気と思いやりのバランスが必要となるのです。

勇気が強すぎると「WIN-LOSE」に

思いやりが強すぎると「LOSE-WIN」になります。

「LOSE-WIN」の考え方を持つ人は、自分の基準とするもの、希望や期待、ビジョンなどが全くないからと言われています。

また、自分の意見を持っていたとしても

「嫌われたらどうしよう」

といったように相手に嫌われることを恐れ、相手から好かれて受け入れらることに価値を求めます。

自分の気持ちや信念を伝える勇気がなく、周りの強さに怯えてしまうことになります。

そして、その表現できなかった気持ちや信念は自分の中で蓄積されていき、負の感情となったものが酷い形として表れてしまうのです。

強すぎる勇気と強すぎる思いやりのようにどちらかに偏るのではなく、

勇気と思いやりのバランスがとれていることが大切です。

”WIN-LOSEタイプの人も「LOSE-WIN」タイプの人も、内面が安定していないから、自分の立場がぐらぐらと揺らぐのである。”

とスティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』の中で言われています。

「WIN-WIN」の関係とはお互いの利益を求める精神のことです。

自分の信念を持ち、自分にとっても相手にとってもよりよい方向へ進んでいけるような人間関係を築けるとよいでしょう。

そのためには、ときに「No Deal」を選択することもあるかもしれませんね。

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