バスケのかてきょコラム 第355号

第355号 ピザパイの心に要注意!

ピザパイは、誰かが一切れ多く食べると、その人が食べた分他の人の取り分が減ることになります。

そうすると、誰かが得をして、自分は損をした気分になります。

しかし、それに対して太陽の光というものは量に限りがなく、この世の全ての人に行き渡りそれでも余るほどたっぷりあります。誰かが多く取れば誰かが少なくなるということはありません。

今回はこの2つのマインドについて考えていきたいと思います。

バスケットボール選手として、または一人の人間としてどのようなマインドを持つのが良いのでしょうか。


ピザパイの心を「欠乏マインド」と言います。

つまり、すでに全体の量は決まっていて、誰かがそこから何かを取ると、自分の取り分が減ってしまうという、「ゼロサム(一方の利益が他方の損失となること)」の考え方です。

それに対して、「太陽の光」のような心を「豊かさマインド」と言います。

この世にはすべてのものが全員に行きわたっても尚あまりあるほどたっぷりとあるという考え方です。

ピザパイの心の人は誰かが成功することは自分の失敗のように考え、いろいろなことを競争的に考える習慣が身に付きます。

勝ち負けがつくスポーツの世界に生きた子どもは、ピザパイの心を持ちやすくなるのです。


バスケットボールというスポーツは試合の時間が決まっており、尚且つコートに立てる人数も5人に限られています。

チームの中で5人が試合に出ると決まった時に、他のメンバーはコートに立てないということも決まるのです。

誰かが5分プレータイムを伸ばせば、誰かのプレータイムは5分減ってしまうのです。

そういった中で、チームメイト同士が「欠乏マインド」を持っていると、嫉妬心などで足の引っ張り合いが始まります。

「○○さんが出てるから、私は出れない」

「○○さんはあんなにシュートが外れているんだから、交代させればいいのに」

「○○さんが怪我をすればいいのに」

といったように考え始めてしまいます。

チームは協力して目標に向かっていかなければならないはずなのに、協力するどころか足を引っ張り合ってしまっては目標を達成することは叶わないでしょう。

チーム対チームは競争ですが、その競争のためにチーム内は協力することが必要です。

チーム内の競争は「足の引っ張り合い」ではなく、お互いに高め合う「切磋琢磨」で行われるべきです。

時間も決まっている、出場できる人数も決まっている。

これは変えることのできない事実です。

変えることができるのは自分の考え方と行動ではないでしょうか。

太陽の心である「豊かさマインド」の持ち主は、誰かが試合に出ても妬むことはありません。

チームメイトの活躍はチームの向上です。

チームが強くなるためにという本来の目的にとっては喜ばしいことなのです。

その上で、それを糧に自分を鼓舞して自分もチームに貢献できるようにさらに向上しようと努めることができます。

そうしてチーム内はお互いが良いライバルで高め合い、チーム全体の力が向上していった先に目標達成があるのではないでしょうか。

自分が成したいミッションは何なのか。

自分が目標を立てた原点は何なのか。

原点に立ち返ることで見えてくることがあります。

他の誰かに自分の幸せをコントロールさせてはいけません。

自分で自分の幸せをつくり出すのです。

自分で幸せをつくり出すことに限りはないのですから。

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