第354号 記号の世界で戦わない
高校の男子バスケットボール部を舞台にした「スラムダンク」という漫画がありますね。
この漫画はいつ何度みても心が動かされるものです。
スラムダンクの作中で数多くのチームが登場します。
その中でも特に最強とされているのが、「山王工業」です。
その強豪校山王工業に、主人公桜木花道が所属する湘北高校がインターハイ2回戦で対戦をします。
戦う前に、湘北のメンバーは山王工業という名前に負けていました。
皆さんにも
「○○っていうチームは強いから」
「○○中には毎年勝てないから」
など、戦う前から「名前」で戦ってしまっていることはありませんか?
こういうのを
「記号の世界で戦っている」と言います。
皆さんの周りにも強豪という「ブランド」をもっているチームがあると思います。
また、同じ皮の財布でもあるブランドのロゴがつくだけでとても高い値段がつき、高級なものとして取り扱われます。
その皮の財布そのものの価格はもっと安いのに、そのブランドの記号がつくから高価なものとなるのです。
強豪という「ブランド」をもっているチームと戦う時は、その「ブランド」と戦ってはいけません。
三千円の財布と三万円の財布のように違ったものではなく、結局は同じ小学生、同じ中学生です。
相手チームもブランドのロゴを外したら、同じ三千円の財布かもしれないのです。
逆もまた然りです。
自分が強豪チームに所属したからといって、三千円の財布が三万円の財布になることはありません。
つまり、どのチームに所属してもやるべきことは変わりません。
チームでお互いに高め合い、自分たちの実力を発揮していくことです。
湘北のメンバーは山王工業と戦う前、その名前に負けていましたが、
安西先生の言葉に勇気をもらい、それぞれが自分たちも戦えると考えるようになり、最終的にはこの超名門校を無名の湘北高校が破るのです。
「記号」で戦わず、全国制覇を成し遂げることを目標に、自分達のやってきたことを信じて実力で戦う。
その大切さを教えてくれた作品です。
ここで生まれた名言が
「何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意が必要なんだ!!」です。
相手のブランドや肩書と戦うのではなく、実力で戦おうとする気持ちを持てるようになるとよいでしょう。