スポーツ空間は日常とは別の空間と捉えるべし

鈴木良和のブログ







ノルベルト・エリアスという社会学者をご存知ですか?









彼はは「暴力」というテーマで研究をしています。その研究の中で彼は「文明化の過程」と「スポーツ」について言及しています。

簡単にまとめると、現代の社会は文明化されてくるなかで「お行儀良く」しなくてはならなくなったり、「怒り」や「喜び」などの感情をあからさまに人前で表出することの抑制を求めらているということです。

そしてその抑制された感情は放出される先を求めているのだとエリアスは言います。

その放出先として、スポーツは現代の人々に欠かせないものになっています。スポーツを行ったり観戦したりする事で、人々は抑制された感情を表出します。




★しかし・・・




現在の子どものスポーツは時として「発散」の場ではなくなることがあります。むしろ私生活よりも多くの抑制を強いられ、ストレスを溜めて帰宅する子どももいるのです。

スポーツ現場でも感情の発散が出来ない子ども達は、学校でも家庭でもお行儀よく振る舞うことを強いられ、発散するという事が出来なくなり、いずれ爆発してしまうかもしれません。

感情の発散、

 「楽しい!!」「嬉しい!!」「くやしい!!」

こういったことを素直に大声で表現できるのがスポーツの良いところでは無いでしょうか?

普段の生活の中で突然大声で感情を表現すれば、「なんだこの子は」と心配されしまいますが、
スポーツの現場ではそれが許されるのです。

僕たちのテーマである「スポーツだからこそ子ども達に伝えられること」のひとつとして、スポーツの場という「飛び地」を子ども達に与えてあげる事が大事だと考えています。

「飛び地」とは普段の生活から隔離された場所という意味で、スポーツ現場は飛び地であるとエリアスは述べています。

ジュニア期の指導者の皆さん、スポーツをしている子ども達には、私生活とはかけ離れた空間、「飛び地」で、そこでしか味わえない楽しみ、感情の発散を満喫してもらいたいと思いませんか?






 

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