「かわいそう」を考える

鈴木良和のブログ







★本当のかわいそうとは




学生時代、アルバイト先の社長の奥さんがこんなことをおっしゃっていました。


「子どもがかわいそうだから、部屋の掃除をしてあげる。子どもが塾やスポーツで大変だから、身の回りの準備をしてあげる。子どもがかわいそうだから、料理も洗い物もやらせない。こういうふうに甘やかされて育ってしまうことが、本当にかわいそうだと思うわ」

子どもたちのためにと思ってやってあげることが、実は子どもたちから「自ら行う」という経験や体験を奪っていることがあります。


そのときにかわいそうだと手を貸してあげることが、子どもの将来にとってかわいそうなことにならないか、常に考えなさい。社長の奥さんの言葉が、指導者としての僕の心に突き刺さりました。

スポーツでも同じことがあります。子どもが失敗するよりも先に、失敗しない方法を教えてしまう。失敗しないやり方を強要してしまう。


これでは、子ども達は次に失敗しないように工夫したり、失敗した後に立ち直る強さを磨くことはできません。


★良い判断は経験から生まれる

「良い判断は経験から生まれる。経験は愚かな判断から得られる。」
失敗から得られた経験は良い判断を下せるようになるための土壌となります。




愚かな判断をしないように大人が子どもを助けることは、子ども達から経験を奪い、結果子どものためにならないのです。

我々指導者にできることは
「判断を必要とする状況設定」
「もっと良い判断はなかったかな?」という選手に考えさせるフィードバックや、良い判断ができたときに「いいね!」と認めてあげることです。


もちろん、極論で全く教えるなと言ってるわけではありません。
選択肢がゼロでは判断すらできませんから、その状況で選べるスキル、優先順位に関する情報など、指導者からの指導が不可欠なものも多くあります。


選択肢がゼロでは判断すらできませんから、その状況で選べるスキル、優先順位に関する情報など、指導者からの指導が不可欠なものも多くあります。

人生を左右してしまうような進学先の決定や、命にかかわることなど、子ども自身にすべて委ねることがハイリスクすぎることももちろんあるでしょう。


人生を左右してしまうような進学先の決定や、命にかかわることなど、子ども自身にすべて委ねることがハイリスクすぎることももちろんあるでしょう。

「子どものために」を履き違えず指導することが重要なんだと考えさせられた、社長の奥さんとの会話でした。






 

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