第339号 練習メニューが選手を上手くするんじゃない
バスケットボールの練習の中に、下手になる練習はほとんどありません。
どんな練習でも必ず何かは上達していきます。
しかし、その上達の幅には差がでてきてしまうことがあります。
パス&ランの練習の中に、きっと皆さんが見たこと、やったことのある『3メン』という練習がありますね。
この練習は、市内で初戦敗退のチームも、全国で優勝するチームもやったことのある練習ではないでしょうか。
では、なぜ同じ練習メニューをやっているのに差ができるのでしょうか。
また、同じチームの中でも同じ時間、同じ練習メニューをしているのにもかかわらず差ができてしまうことがあるのはなぜでしょうか。
(自主練の時間についてはここでは考えていません。)
それは、
練習メニュー自体が選手を上手くするわけではないからです。
上の画像をご覧いただき、一見何だかわからない模様も、
ある見方が分かれば『LIFE』という文字が読み取れます。
同じ練習をしていても、上手くなるための大事なポイントが見えていない選手は、
気づけないのです。
練習メニューで何が大事か、何を意識しなければならないのか。
その練習メニューへの取り組み方にこだわっていくことがとても重要なのです。
Aさん
練習メニューやコーチが自分を上手くしてくれると思って、練習に取り組む
Bさん
練習メニューの取り組み方に注目して練習に取り組む
AさんとBさんの決定的な違いは
「環境への依存と自立」です。
Aさんは「練習のメニュー自体」「コーチ」に依存しています。
なので、
「このメニューはやっていて意味があるのか!?強くなれるのか!?」
「強豪チームはあんな練習をしている」
「コーチが教えてくれない」
「練習メニューやコーチが良ければ試合に勝てる」
という考え方を持っています。
そういう考え方から生まれるのが、言い訳です。
「メニュー自体が悪いから自分のチームは強くなれない」
「コーチが教えてくれないからチームが強くならない」
「勝てないのは練習メニュー、コーチが良くないからだ」
これは、大きな間違いと言っていいでしょう。
では、Bさんはというと
練習メニューへの取り組み方に注目しているため、どんな練習メニューであろうと
「この練習メニューにどう取り組めばチームを強くしていけるか」
「今やっている練習メニューで自分達が強くなっていくために全力で取り組もう」
このような考え方を持っているため、
練習メニューの中で自分達がどう取り組むかという態度で練習にのぞみます。
Aさんのような考え方を持っている選手は、上手くいかないときに
「練習メニューへの取り組み方を考え直さなければならない」
「もっと練習メニューの質を上げるにはどうすればよいか」
「チームの課題を解決するためにこの練習メニューの中でできることは何か」
と考え始めます。
このように、考え方、取り組み方一つで差が生まれてきます。
どのチームでも取り組んでいる3メン。
考え方、取り組み方一つで質が高く、強度の高い練習にもなりえます。
そして、強豪チームだから質が高いの練習メニューができる権利を持っているのでなく、
どんなチームでも自分達の考え方取り組み方次第で最高の練習に変えることができるチャンスと権利を持っているのです。
今、日本のバスケットボールの課題としてあげられている遂行能力。
その遂行能力を高めていくためには高い強度の中で判断し、スキルが発揮される必要があります。
練習メニューやコーチに依存するのではなく、
自分自身がその練習メニューにどのように取り組むか、どれだけ強度を上げて取り組めるかが重要になってくるのではないでしょうか。