第306号 効果と効率を考えてフィードバックを
前回のメルマガではFIBAが提唱する指導法の1つである“COACHING ON THE RUN”というものをご紹介しました。
ポイントは「練習中に子どもたちのプレータイムを削らない」というものでした。
しかし選手がプレーする時間を確保するためにフィードバックを与えることをやめたらそれは選手のためになるのでしょうか?
時間は有限であり、子どもたちが練習に打ち込める時間も限られています。
その限られた時間で成果を出すために大切なことが「効果と効率」です。
まず「効率」の観点から考えていきます。
普段の練習が、ドリルを行なう→全体を集めてフィードバック→ドリルを行なう の繰り返しとなった場合、
フィードバックの回数や時間が増えれば増えるほど選手が止まって話を聞く頻度が多くなり、効率は下がる可能性があります。
もちろん、全体を集めてフィードバックも時として絶大な効果を発揮する場合もあります。
ですが、なるべく選手のプレータイムを削らずに効果的にフィードバックを伝えることができることが重要になりますね。
次に「効果」の観点から考えていきます。
フィードバックを与えた時に選手にコーチの意図や考え、目的が伝わらなければ高い効果は期待できませんよね。
例えば練習中、コーチが選手にフィードバックを伝えたいとします。
その事象が起こった瞬間に伝えるのと、ドリルがキリの良いときや終わったあとに伝えるのとではどちらが効果的に伝わるでしょうか?
おそらく選手はすぐにフィードバックを聞いた方が伝わるのかと思います。
時間が経てば経つほどその瞬間の記憶は薄れていきますよね。
また、「どうすれば良かった?」のように選手に質問することで選手もそのことに対してより考え、理解に繋がることもあります。
そうすることでより効果的にフィードバックを行なうことができるかもしれません。
選手に与えるフィードバックを効果的に且つ効率良く行なうことができれば個人、チームにとってきっとプラスに繋がりますよね。
効果と効率どちらを優先するか、また両立することはできるのか、、、。
指導の現場に立つ際にぜひ気に留めてみてください!