第304号 各段階に応じてコーチングスタイルを変化させる
ひとつ何かの練習を行うときにただ言われたことをこなす選手と、
言われたことだけでなく自分で考えて勝手に練習を工夫できる選手とでは成長の幅やスピードが変わりそうですよね。
コーチは選手・チームの成長段階に応じてコーチングスタイルを変化させていくことで
選手やチームの成長を加速させることが出来るかもしれません。
今回はその考え方についてご紹介させていただきます!
元筑波大学教授の図子浩二先生のコーチング論の中に
「スポーツ型PMモデル」というものがあります。
PMモデルでは指導法を4つのステージに分けて考えます。
選手・チームの競技力や人間力をより上のステージに導くことができるよう、コーチングスタイルを変化させていく必要があるというものです。
1.指導型コーチングスタイル
第1ステージは0に何をかけても0にしかならないように、まずは教え込むことが必要な段階です。
2.指導・育成型コーチングスタイル
このステージは、どんどん教え込むことをしながら、質問を増やしていく段階になります。
多くのジュニア選手はこのステージで競技を終えることになると言われています。
3.育成型コーチングスタイル
高い競技力があるのにも関わらずモチベーションやメンタリティーが不安定な状態にあり、
この段階にある選手は自信過剰で感受性も高いと言われています。
ですので教え込むのではなく、質問で引き出すことが重要な段階になります。
4.パートナーシップ型コーチングスタイル
この段階にある選手は高い競技力、安定したメンタリティー、高い人間性を持った選手に成長しています。
教え込むことや質問の量は少ないが、質は高いものを要求します。
選手に寄り添って悩みや喜びを共有することが必要な段階になります。
コーチングを行うときに、ひとつのスタイルを貫徹するだけではより良い成長にはつながりにくいですよね。
選手がどの環境に行っても自分で考えて言われたこと以上の事ができるようになる。
これはスポーツ現場ではもちろん、社会に出てからも大切なことではないでしょうか?
各段階に応じてコーチングスタイルを変化させていくことで、
より選手が自分で考え成長していけるようにしていきたいものですね。
ぜひ皆さん考えてみてください!