第297号 子どもをやる気にさせる
子どもが今後スポーツ(部活、チーム活動)を続けるか迷っている。
子どもがやる気になってくれない。
そんな声を聞くこともしばしばあります。
またはそう感じたことはありますか?
これはもしかしたらスポーツだけでなく勉強など多くの場面で感じることはあるかと思います。
人がやる気になる考え方はいくつかありますが、代表的な考え方が外発的動機付けと内発的動機付けという概念です。
外発的動機付けとは、外部からの誘因で動機付けされることです。
例えば、「テストで満点を取ることができたら新しいゲームを買ってあげる」
という約束をして子どものやる気を引き出すは外発的動機付けになります。
そうすると、子どもは「新しいゲームを買ってもらう」
という外部からの誘因のために勉強に対するモチベーションが上がるといった具合です。
外発的動機付けには一時的な強い影響を受けやすいという特徴があります。
単純に動機付けができるというメリットがある一方、
外発の誘因がなくなった時にやる気がなくなる可能性があります。
一度目標を達成し報酬をもらうと、
それに満足してしまいそれ以上の努力を止めてしまうケースも多いと言われています。
内発的動機付けとは、外部誘因によるものではなく、
自分の興味関心や楽しみによって起きる動機付けのことです。
例えば、「レッグスルーをできるようになっていることが楽しくて練習していたらいつの間にか日が暮れていた」
などと時間を忘れて夢中になったり、報酬や罰則がなくても発生できるやる気が内発的動機付けになります。
内発的動機付けは外発的動機付けとは違って他者から目標を設定されることがありません。
自分自身で目標を設定することができるため、モチベーションが継続しやすいと言われています。
特徴を考えると外発的動機付けが悪いように感じるかもしれませんが、これは良し悪しではなく使い分けの問題です。
外発的動機付けをきっかけにして内発的動機付けに繋がっていくという場合もあります。
コーチから試合に勝つためにシュートを練習しろと言われるのは外発的動機付けですが、
練習をしているうちにシュートが上手くなるのが楽しくなってきて自主的に練習するようになったというのは内発的動機付けといった具合です。
逆に注意が必要なのは、内発的動機付けは外発的動機付けによって打ち消されてしまうことがあるということです。
例えば、「子どもが忙しそうな親を気遣ってお手伝いをする」
これは見返りを求めない内発的動機付けによるものです。
しかし、それに対して親が感謝の気持ちとしてある日を境に「1回お手伝いをしたら100円」
などといった報酬を設定すると子どもは報酬がなければお手伝いをしなくなります。
最初は内発的に行動していた子どもが外発的な行動に変わってしまいます。
外発的動機付けを効果的に使う場合はもともとあった内発的動機付けを失ってしまわないよう注意を払う必要があります。
このように2つの動機付けは重なり合っていることもあります。
子どもが楽しいやもっとやりたいと思えるよう(内発的動機付け)に繋がるように、
環境作りや言葉がけ(内発的動機付けのための誘因要素)をしていくことができるということです。
子ども達が自発的に行動できるような手助けをしていきたいですね!