ジュニアバスケットボールサミット2018 クリニックレポート 片峯聡太氏


テーマ:個の育成と強化~状況判断を元に必要なファンダメンタルを身に付ける~


練習メニュー
1)ボールミートで主導権をにぎる
・ボールミートからミドルドライブ
 →ディフェンスをドロップステップでかわす
 →コンタクトを恐れずに真直ぐドライブ
・ボールミートからシュートフェイクしドライブ
 →フェイクに対しディフェンスの上がった手の方にドライブ
 →ディフェンスが下がったらシュート

2)アタック後の状況判断
・ヘルプディフェンスがインライン
 →キックアウトパス
 →シュートフェイクからキックアウトパス
・ヘルプディフェンスがヘッジ
 →パスフェイクからシュート
※リングだけ、レシーバーだけを見ない
・1番ディフェンスが横から付いてくる
 →ギャロップからパスフェイクしシュート
 →ブロックにきたらラップパス
※スピードを試合に近づける

3)クローズアウトへの対応
・オープンステップ(攻め足)からクロスオーバーステップ(抜き足)
 →ジャンプストップ→オープンステップ→クロスオーバーステップ
・ボールミート時のアイムーブ
 →目線は下ではなくリング

4)オフボールのチャンスメイク
・オフボールスクリーン
ーイリーガルスクリーンの注意
※シリンダー内のコンタクトと力の入れ方
・オフボールスクリーンの止まり方
 →素早い移動
※2 on 1の時間を与えない
 →内足から1,2ストップ
※つま先からのストップはNG
 →重心は低く



Q. 今年のJBSは『伝承』がテーマでしたが、今回伝えたかったメッセージは何でしょうか?

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今回の練習では、人からチャンスを作ってもらう、人から動かされるような受け身のバスケオフェンスではなく、自分から何かチャンスメイクをするということを、一番大事にしました。また、それが私自身教わってきたことで、『個』でどうやって戦っていくかということを、この練習で伝えられた良かったです。


Q. ご自身のチームでも『個』は普段から意識してご指導されていますか?

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そうですね。時期にもよりますが、かなり意識しています。実際チームで皆が「われがわれが」のプレイをしてしまうとチームとしてバランスが悪くなってしまい循環しないので、最終的には役割を与えないと上手く循環しないのは当然なのですが、それでも個の可能性を最大限高めてあげるのは我々指導者の役割だと思います。



Q.『個』を育成するために日頃から取り組まれていることはありますか?

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具体的に数値化しています。体重、ウェイトトレーニング、シュートのパーセンテージなど、選手たちには指標となるものを与えています。シュート成功率など超えるべきラインを提示して、それを達成できるように練習をさせていますが、できていない選手を「責める」「怒る」のではなく、できるようになっているかを、日頃から確認しています。目標を達成できるように選手たち自身で頑張れるように取り組んでいます。



Q. 『個』の育成のために気をつけていることがありますか?

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選手が間違った判断をしたときにすぐに否定をしないようにしています。例えばバランスが悪い状態でシュート打ってしまった選手に「打つな!」というのではなく「なぜ打ったのか?」と聞くようにしています。極論どんな体制でもシュートが入るのならそれが正解となるので、選手自身がしっかりとした理由でシュートを選んだのであれば否定はしないですし、誤った判断や理由もなくシュートを打ったのなら、しっかり指導し修正するようにしています。

Q. ご自身これからも『伝承』していきたいことは何でしょうか?
やはり個の育成の中でいかに勝つか、というのが一番の私のテーマです。はじめにシステムを入れてその中で選手をどうするではなく、ぎりぎりまで個が高まり最後にそれを結集させて機能させる、それが私の理想のコーチングです。



Q. 最後にJBSの感想をお願いします。

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この年末に、これだけの選手、バスケットに関するスタッフが集まって、バスケットボールの魅力と価値を上げる取り組みがあって本当に素晴らしかったと思います。
私自身、指導のスキルも良い経験になった。これからも多方面から他の指導者のスキルを参考に自分の指導に活かしていきたいですし、一人でも多く素晴らしい選手を育てられるように、また2019年も改めて頑張ろうと気持ちにさせていただきました!

(ERUTLUC指導員 田中繁広)


ジュニアバスケットボールサミット2018

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