続ける力が未来をつくる

今回の物語の主人公は現在小学4年生の佐藤壮(さとう そう)さん。
壮さんは4年生の11月に8スターズを達成した。
そんな壮さんの8スターズ獲得までの道のりやバスケットにどう向き合っているのか、そしてこれからの目標などを伺った。

苦戦の先に掴んだ達成

ERUTLUCには練習会で取り組んでいる7項目の技能検定がある。この技能検定は自主練習の延長として、子どもたちが主体的に取り組みながらなりうる最高の自分を目指していくことをねらいとしており、技能検定はそれぞれ初級者向けの7級から高難度の1級までで構成される。それぞれの級の内容をすべてクリアするとその級の星をもらうことができるシステムで、この7つの星に、ある条件を達成すると獲得できる幻の星を加えた8つの星を揃えると、『8スターズクラブメンバー』に認定され表彰されるものである。

はじめに、この8スターズを獲得する条件の一つである技能検定について壮さんに伺った。

「得意なことは体幹で、苦手なことはテニスボールです。体幹は家でお父さんとトレーニングしていたこともあってスムーズに進みました。テニスボールは、両手で違うボールを扱うので難しかったです

テニスボールドリブルは、テニスボールを壁に当てて戻って来るボールをキャッチする。その中で指定されたドリブルの内容をしなければいけない種目であり、ドリブルの正確さ、そしてスピードが問われる項目である。

1級と2級の難易度に何度も苦戦し、できるまで3ヶ月くらいかかったとのこと。だが、そこで諦めないのが壮さんの強さ。納得がいくまでやり込み、見事にクリアした。

印象的だったのは、同じく8スターズに取り組んでいた景さんの存在が大きな支えとなっていたこと。
景さんとは同じチームでかつ同じスクールに通っている。お互いに進捗を確認し合い、コツを教え合う関係だったという。

「景がすごく頑張っていて、負けたくないと思った。」

ライバルでありながら高め合う関係性が、モチベーションを大きく引き上げていた。

父:健介(けんすけ)さんは、検定カードへの挑戦を通しての変化についてこう語る。

「かなり難しい内容も多かったですが、それに対して“やってみよう”と挑戦したこと自体が大きな経験だったと思います。自分でスイッチを入れて取り組む、そういう瞬間を作れたのはとてもよかったです。」

と、その成長を実感している。
検定カードへの挑戦、仲間との関係、そして日々の積み重ね。その一つひとつが、「続ける力」として確実に身についている。その経験は、これからのバスケットボール人生、そしてその先の成長にも大きくつながっていくだろう。

学びと実践の中で育つリーダーシップ

8スターズクラブメンバーに認定されるための条件には、技能検定の他にもう1つある。それはエルトラックの練習会に通う子どもたちに配られる冊子『子どものスポーツのすすめ』に書かれている内容をアウトプットすることだ。

エルトラックでは、学んだことをインプット(知ったり、学ぶこと)したり、アウトプットしたりする(誰かに話す)ことを大切にしている。『子どものスポーツのすすめ』はスポーツをする選手としてだけではなく、これから社会への貢献や活躍に向けて成長していく子どもたちが大人になっても必要になる考え方を学ぶことができる。その内容をアウトプットすることを通じて、壮さんが印象に残っている話や学びになった話は何だったかを伺った。

「印象に残っている話は、『WIN-WINを考える』です。この考え方をすれば、相手のことも考えれるようになってみんなから信頼してもらえるキャプテンになれると思いました。」

「WIN-WINを考える」という話は、対人関係において誰かが損することがないように相手も自分も勝つ、協力関係になることが大きな力になるという内容である。
実際に壮さんは、所属しているミニバスチームの4年生以下のキャプテン3人のうちの1人に選ばれ、その役割を担う中で多くの経験を積んできたとのこと。

「話を聞かない子が出てきて大変でした。みんなをまとめるには、まず自分がしっかりしないといけないと思って、そこを意識していました。」

キャプテンとして練習を進める中でうまくいかない状況を乗り越えるために、みんなを集めて前に立ち、しっかりと説明することを意識してきたそうだ。
ただプレーするだけでなく、チーム全体を見渡し、行動する力が少しずつ身についていることが感じられるエピソードだ。

日頃の姿をみて、父・健介さんは

「冊子の内容を一つひとつをじっくり考えてほしいと思っています。それを自分の言葉で言い換えることも、とても大事な力。学年が上がるにつれて、同じ内容でも感じ方が変わるはずなので、続けてほしいです。」

理論と実践で深まる理解

ここからは壮さんがエルトラックと出会ったきっかけ、そして壮さんが通うスクールでの思い出や学んだことについてまとめていく。

はじめに、壮さんがエルトラックの練習会に通い始めるようになったきっかけを語ってくれた。

「きっかけは同じバスケットボールチームの友だちがここいいよと誘ってくれて体験に行ってみました。」

初めて参加した時の印象は、「とにかくみんな上手い」というものだったとのこと。
特に上級生のレベルの高さに驚きながらも、「ここでチャレンジしたい」と感じたそうだ。
ERUTLUCのスクールに参加して、多くのことを学んだがその中でもシュートフォームの考え方が今でも大切にしている学びである。

「リングは45cm、ボールは22cmなので、真ん中に入れば左右に11.5cmの余裕がある。その範囲でズレなければシュートは入ると中田コーチが言っていて、帰ってすぐにノートに書きました。」

単に感覚でプレーするのではなく、”なぜできるのか”を考えながら取り組む姿勢が、着実な成長につながっていることが分かるだろう。

スクールに通い始めた理由について、父・健介さんはこう話す。

「チームでの指導には限界がある中で、個人の能力を伸ばしてあげたいという思いがありました。ですが、技術だけでなく、精神面までフォローしていただけるとは思っていませんでした。人間性を豊かにするという意味でも、本当にありがたいです。」

実際に通う中で、スキル指導だけでなくコーディネーション・精神面へのアプローチなど、家庭では教えきれない部分を学べることに大きな価値を感じているという。

目指すのは“信頼される選手”

最後は壮さんの未来についてまとめていく。
今後、どんなプレーを身につけていきたいか聞くと、

「ドライブと、周りを見てフリーの人にパスを出すことです。」

と即答。自ら得点を狙うだけでなく、状況を見て最適な判断をするプレースタイルが持ち味だ。
一方で、さらなる成長に向けた課題も明確に見えている。

「速攻の2対1の場面で、パスするか自分でドライブするかの判断力をもっと磨きたいです。」

と語り、プレーの精度を高める意識を持ち続けている。

そんな壮さんの憧れの選手や将来の目標は一体なんだろうか。

憧れの選手は、NBAで活躍する シェイ・ギルジャス=アレクサンダー選手です。前のシーズンでMVPを取っていて、見ていると一人だけズバ抜けて上手いと感じました。」

将来どんな選手になりたいかという問いには、迷いなくこう答えた。

「ただ得点を取るだけでなく、周りからすごいなと思われるような存在になりたいです。そして、みんなに信頼されて、チームを引っ張る選手になりたいです。」

その根底にあるのは、これまでの経験で育まれてきた“信頼”への強い意識である。
理想の選手像に向かい自ら動き続ける壮さんは、いかなる状況でもチームにとって不可欠な存在になっていくだろう。

「そして、将来の目標は、世界一のバスケットボールプレーヤーになることです。」

大きな夢に向かって歩み始めている壮さん。その道のりは決して平坦ではないかもしれない。
この取り組みの中で得た経験や、目標をやり遂げる覚悟、そして自分を信じて挑み続ける強さは、確実に壮さんの成長につながっていくだろう。この経験を糧に、これからのさらなる飛躍に目が離せない。

その言葉に対して、父・健介さんはこう語る。

「最初はプロになりたいという目標から始まって、どんどん大きくなって、ついに一番上まできたなと思いました。でも、一番上を目指すのはいいこと。親としても頼もしいですね。」

日常の中でも将来について話す機会はあり、「どうなりたいのか」「そのために何が必要か」を一緒に考えることもあるという。
また、実際に海外へ挑戦する選手の姿を見せることで、夢を現実として捉えられるような環境づくりも意識している。

最後に、父・健介さんはこれからの成長に期待することをこう語った。

「相手のことを考えられて、周りに貢献できる人間になってほしいです。」

キャプテンとしてチームをまとめたいという思いや、周囲から信頼される存在を目指す姿勢に、その片鱗はすでに表れている。技術だけでなく、仲間を思いやる心、目標に向かって努力を続ける力、そのすべてを原動力に、少年は大きな夢へと歩み続けている。

これからどのようなリーダーへと成長していくのか――その歩みが楽しみでならない。

最後にメッセージ

最後に壮さんからお世話になった方々へ 、8スターズ獲得を目指す後輩たちへ、それぞれにメッセージをいただいた。

・景くん

「景がチームに入ってきたときはすごく上手いなと思って僕も負けてられないと思いました。たくさん練習して追い抜かしたら今度は景が上手いなと思って2人とも競い合ってどんどん上手くなっていったね。僕はもっともっと上手くなろうと思っているよ。一緒にNBAを目指そう。景もバスケ頑張ってね。」

・8STARSにチャレンジしている人へ

「8スターチャレンジをしているときにめげたりしないで、その目標に向かってどんどんぶつかっていって、頑張ってください。」

・お父さんお母さんへ

「いつも僕の健康を考えて料理を作ってくれたり、一緒に公園に行って運動してくれたりして、いつも僕のことを思ってくれてありがとうございます。」

PROFILE

名前:佐藤 壮(サトウ ソウ)

生年月日:2015年04月08日生まれ

出身:東京都小平市

TEXT_宮野 結音

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