ここで学んだことを活かして、これからの道を進む

今回の主人公は中学3年生の野中 紗菜(のなか さやな)さん。8スターズクラブのメンバーになるために3年を費やし、見事達成した。

幼い頃からたくさんの仲間、コーチ、大人と出会い、たくさんの影響を受けてきた紗菜さん。中学校を卒業し次のステップへ進んでいくにあたり、この8スターズ達成という大きな目標を達成したことでさらに一人の人間として磨きがかかったことだろう。

8スターズ達成までの道のり、そして紗菜さんの魅力をインタビューを通してせまっていく。

どれだけ時間がかかってもやり続ける

8スターズクラブに認定されるための条件である技能検定クリアについて、はじめに伺った。
3年間かけた紗菜さんの取り組みやその当時の様子を伺うことができた。

得意だったのは、テニスボールドリブルです。小学生の時にはクリアをしていて、早い段階で終わっていました。ドリブルが得意なので、それもあったと思います。また、コーディネーションレイアップやカップリングスキップは比較的クリアしやすかったです。苦手だったのは体幹・柔軟で、特にギャノンプッシュアップに苦戦しました。

小学生のときから技能検定に取り組んでいた紗菜さん。そのため、練習会で進めていき着々とクリアをしていったそうだ。当時の取り組みについても聞くことができた。

小学生の時は家でずっとボールを触っていました。小学6年生の時にエルトラックのクラブチームCPMに所属し、それ以外も含めて毎日練習をしていました。検定で得意だったものは練習会などで合格することができましたが、苦手なものは家での練習を繰り返しました。体幹のギャノンプッシュアップは全然出来ず時間がかかりました。練習をいくらしてもボールに乗ることも大変で、落ちてあざができることもよくありました。

毎日の練習の中で技能検定に取り組み、できないものを家で行いながら、計画的に取り組んでいた紗菜さん。しかし、苦手と言っていたギャノンプッシュアップには、長い時間をかけて練習をしていたという。

紗菜さんがいう『ギャノンプッシュアップ』とは、4つのボールの上に手足をそれぞれ乗せて、そのボールに乗った状態でプッシュアップをするメニューだ。

紗菜さんのやり抜く強い決心と忍耐力の背景にはいったい何があるのだろうか。心のうちを聞くことができた。

はじめはボールに乗ることもできず、乗っても手をプルプルと震わせていて絶対に無理だと思っていました。練習してもなかなか思うようにいかずクリアすることが無理だと諦めかけていました。
練習期間が長いので、もっと早く8スターズを取りたかったのにできない自分が嫌になってしまったりしました。でもホームページで8スターズを獲っている人をみて羨ましく、自分もと心を切り替えて頑張ろうと思いました。

と、できない中でも悔しさを活力に変えて、毎日努力を続けてきたという。

その悔しさが8スターズを達成するという紗菜さんの強い決心につながっているのだろう。

8スターズを取るために、ギャノンプッシュアップは家でボールに乗ることから練習をしていました。ボールに乗る練習に合わせて体幹を鍛えるために追加でプランクを行ったり、空いている時間を見つけては練習をしたりして、できるようになりました。できた時は本当に嬉しくて、その時練習会で見てもらって合格をもらえたことは良い思い出です。

自らの目標のために、何ができるのか、もっと上手になるための自己分析と決めたことをやり抜く遂行力はバスケットボールの選手としてだけでなく、これから一人の人として大きく成長していく過程の中で必要になることである。それを技能検定を通じて身につけることができている紗菜さんは、より成長できる方法を自ら見つけることのできる人へなっていくだろう。

積み重ねの大切さ

8スターズの達成にはもう一つこなさなければいけない内容がある。それは『子どものスポーツのすすめ』という冊子の内容をアウトプットすることである。この冊子はエルトラックの練習会に参加する子どもたち全員に配られるもので、バスケット選手としてだけでなく、一人の人として大切な物事の考え方や捉え方がわかりやすくまとめられているものである。この冊子の中で紗菜さんの印象に残っているお話を伺った。

印象に残っている話は『ガチョウと黄金の卵』です。この話は、価値の高い黄金の卵を見つけたおじいさんが早く欲しくてガチョウの腹を切ってしまうという内容です。例えると、卵という結果も大切で、そのために必要な能力を高めることも必要だということで、すごく心に刺さり印象に残っています。

『ガチョウと黄金の卵』というお話は、黄金の卵という成果や結果をはやく手に入れようとして、結果を出すための資源であるガチョウを殺してしまったがために、欲しい結果が結局得られなくなってしまったという物語だ。

その物語から、紗菜さんは気づきを得たそうだ。一体、それは何だろうか。

ギャノンプッシュアップの時に、まずはボールに乗ることから始まったように、まずはコツコツと積み重ねていくことが大切だということがわかりました。その積み重ねがあったから、技能検定も合格できたんだと思います。

技能検定での経験が、紗菜さんの成長に繋がり、手にしたかった8スターズという結果を得ることができたのだろう。この経験がこれからの紗菜さんの取り組み方につながっていくのではないだろうか。

かけがえのない仲間との時間

次にエルトラックに関わり始めたきっかけや思い出について話を聞かせてくれた。

きっかけは、私が小学1年生の時にお姉ちゃんがエルトラックに通い始め、私はまだ入ることができなかったので体育館の端でボールをついたり真似をしたりしていました。小学3年生になり練習会に参加させてもらうことができました。参加してみると、同級生がいないので先輩たちと一緒にやらなければいけないので、迷惑をかけないかと不安でした。

早い段階でエルトラックとの関わりをもった紗菜さん。その一方で不安も抱えていたとのことだが、その不安はどのように消えていったのだろうか。

その当時一緒に練習していた先輩たちがいつも話しかけてくれたおかげで、不安がなくなっていったと思います。楽しんでできたし、そのことがあったので、私も同じように新しい子が来た時に話しかけるようになりました。

先輩たちからの声掛けを、今では紗菜さんも自分から行っているという。その繋がりや連鎖はよい雰囲気を生み出すことに繋がり、楽しく居心地のよい場所として存在することになるだろう。その場所をつくる一員として紗菜さんは行動している。

プレー中も声を出すことでただ声を出すことだけでなく、お互いに影響し合いながら声を出すことの大切さを知ることができて、新しく来た子に対して明るく振る舞うことの大切さを学びました。学校でも、明るいほうなのですが、転入生が来た時にも同じように話しかけてその子の緊張が解けるように意識しています。

バスケットボールの活動の中だけでなく、日常生活にも活かし、周りにいい影響を与えていた。

そして、エルトラックでの練習や思い出についても紗菜さんから伺うことができた。

エルトラックでは練習の時に映像を見せてくれて、その映像の真似をすることもあり、それが好きです。◯×ゲームの要素を入れた練習とか、楽しい練習が多いので、毎日練習を頑張れています。
そして、CPMの仲間たちはいつも明るくて、一緒にいるといつも笑って元気にいることができます。不安もあったときにみんな優しく接してくれて、面白くて元気でいられるし、プレー面ではみんな上手なので学べることも多く、普段とバスケの切り替えがしっかりできる子たちなので、私も学びになっています。

普段の練習や仲間が紗菜さんにとってかけがえのないもので、その中での時間が大切だと感じているのだろう。その思いがすごく伝わり、インタビューを通じて心が動かされた。そんな仲間との出会いをこれからも大切に過ごしていってほしい。

プレーで恩返しを

最後に、紗菜さんのこれからの目標やなりたい自分についての熱い思いを聞くことができた。はじめはバスケットボールプレイヤーとしてどのような選手になりたいのかについてせまる。

得意なプレーは、ディフェンスからプレッシャーをかけられてもボールを無くすことなくプレーできることです。これから磨きたいと思うところは、ディフェンスと、パスの判断です。パスの判断はCPMでの練習でも多い部分になるので、しっかり磨いていきたいです。憧れている町田瑠唯選手のように自分でスピードでドライブしてシュートしたり、パスの正確さを磨いて、そのような選手になりたいです。

自分のプレーを理解し、特性を活かしていきたいと語る紗菜さん。そんな紗菜さんには夢がある。夢と共になりたい人間像もあるようだ。

将来はバスケットボール選手として活躍したいです。そのために、身長が低い分パスセンスを磨いたり、ディフェンスを頑張っていきたいです。他にも、人として、他の人から見て接しやすい人になりたいです。人がもっている夢や目標、思っていることに賛成できるような心を磨きたいです。それはエルトラックのコーチ陣や身近な大人たちがそうしてくれていて、次は周りの人達に恩返しとして行動したいので、そのような人になっていきたいです。

選手になりたいという目標を持ちながら、それと同時に人間像も考えられている紗菜さん。この人間像をもつ人に周りは協力をし、応援するようになるだろう。紗菜さんも応援される選手として、周りの人達へ恩返しをしながら成長していく。

そして、近くの目標で高校生に向けて、試合にたくさん出れるようになりたいです。試合に出ないと経験できないこともたくさんあると思うので、先輩や同級生のプレーをみて、1年生から試合に出れるように頑張りたいです。

新天地に向けて、活躍し、お世話になった方々へ恩返しをしたいという熱い想いがとても伝わってきた。そんな紗菜さんをエルトラックは全力で応援していきたい。

最後にメッセージ

これから8スターズクラブを目指す選手へ

合格までにすごく時間もかかるし、辛いと思うこともあると思うけど、目標に近づいていると感じることもできるし、日々練習すればクリアできると思うので。諦めずコツコツと何回も挑戦してほしいです。

家族へ

小学校の頃から協力してくれて、バスケを頑張りたいと知ってくれてるから、送迎や1日試合をみてくれいると思うので、家族の時間が自分のバスケのことでいっぱいになっていると思うので、プレーで恩返しをしたいです。

コーチへ

教わったプレーをしっかり試合で使えるように頑張りたいです。」

自分に関わってくれた方へ

自分の夢を応援してくれる方ばかりなので、諦めずに頑張って結果を出して、応援しててよかったと思ってもらえるようにしたいし、感謝が伝わるような行動をしていきたいです。

PROFILE

名前:野中 紗菜(ノナカ サヤナ)

生年月日:2007年4月23日生まれ

出身:東京都東村山市

TEXT_藤田 麗奈

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