
今回の主人公は、8スターズクラブの厳しい条件をクリアし、見事メンバーに認定された紗和さんと紗季さんだ。2人は切磋琢磨しながら、時には励まし合い、時にはライバルとして競い合いながら、この大きな目標を達成した。彼女たちのこれまでの取り組みや、バスケットボールへの情熱、そして未来への思いが詰まったインタビューになっている。
「負けたくない」という思いが原動力に
ERUTLUCには、練習会で取り組んでいる7項目の技術検定がある。これは自主練習の延長として、子どもたちが主体的に挑戦し、なりうる最高の自分を目指すことを目的としている。技術検定は初級者向けの7級から高難度の1級まで構成され、それぞれの級をクリアすると星を獲得できる。そして7つの星に、ある条件を満たすことで得られる幻の星を加え、8つの星を揃えると「8スターズクラブメンバー」として表彰される。
今回、この8スターズを獲得した紗和さんと紗季さんに、まずはその率直な気持ちを聞いた。
「(紗和さん)難しかったから、達成感をとても感じました。」
「(紗季さん)紗和が3日ぐらい先にプッシュアップを終わらせていたので、自分もそれをクリアできたので、負けなくてよかったです。一緒にクリアできてよかったです。」
お互いを意識し合いながら、同じ目標に向かって進んできた2人。その道のりは決して平坦なものではなかった。特に苦戦した種目について聞いてみると、それぞれの課題が見えてきた。
「(紗和さん)カップリングスキップが得意で、テニスボールが苦手です。テニスボールはもともとドリブルをつくのが苦手でした。テニスボールとバスケットボールの大きさが違うので両方に集中しようとしても、片方に集中してしまいテニスボールがキャッチができなくなったり、バスケットボールが違うところに行ってしまったりして大変でした。」
「(紗季さん)体幹が得意で、苦手なのがテニスボールです。ハンドリングがその時は上手くなかったので、テニスボールにもボールの方にも目線を配っていかないとできなくて。クリアするかと思ったら、最後の最後に失敗することもあって大変でした。」
2人とも、テニスボールドリブルには相当な苦労があったようだ。しかし、そんな困難な状況でも、彼女たちは決して諦めなかった。
「(紗和さん)元夢コーチから1ヶ月で取り組むように言われたメニューを頑張ってやりました。練習前と後ずっとやって、やっとできました。土曜にある自主練習の時間も使ってやりました。」
長い期間、コツコツと練習を積み重ねた結果、見事クリアを果たした。その背景には、身近な仲間の存在が大きく影響していた。
「(紗和さん)8スターズは小学生の時から知っていました。中学生の時にクラブチームのチームメイトが受賞しているのを見て、クリスタルとか本物を見て、やっぱりかっこいいなって思いました。キラキラだしね。だから先にクリアした人のコツを聞いて、取り組めたのが楽しかったです。」
「(紗季さん)私はクラブチームのチームメイトが一緒に8スターズを目指すって言ってたので、私も一緒に目指そうと思いました。一緒に動画を撮ったり、アドバイスし合ったりしながらやっているのが楽しかったです。」
身近な仲間が目標に向かって努力している姿を見て、自分も頑張ろうと思える。そんな素晴らしい環境が、彼女たちを後押ししたのだろう。

積み重ねた努力が、確かな成長につながる
8スターズクラブメンバーに認定されるための条件には、技能検定の他にもう1つある。それはエルトラックの練習会に通う子どもたちに配られる冊子『子どものスポーツのすすめ』に書かれている内容をアウトプットすることだ。
エルトラックでは、学んだことをインプット(知ったり、学ぶこと)したり、アウトプットしたりする(誰かに話す)ことを大切にしている。この冊子を通じて、彼女たちはどのようなことを学んだのだろうか。
「(紗和さん)『うまくなるかどうかはあなた次第』というお話が印象に残っています。ある絵を見たとき、最初は若い人しか見えなくて、でもおばさんって言っている人もいて、本当にこれを見ておばさんと思っても大丈夫かなって思った時もありました。周りの人に鼻の場所とかを教えてもらっておばさんに見えるようにもなりました。その時には、こういう見方もあったんだって気づけて。その考え方でディフェンス練習でも、ディフェンスだけを練習しているんじゃなくて、オフェンスの強度も上げてやろうとか、オフェンス練習でもあるんだなって見方を変えられるようになりました。」
物事を多角的に捉えることの重要性を学び、それを実際の練習に活かしている姿勢が素晴らしい。一方、紗季さんはどのような話が印象に残っているのだろうか。
「(紗季さん)『農場の法則』です。最初から応用とかやるんじゃなくて、基礎からしっかりやらなきゃいけない。中1の時は何もできなかったので、ちゃんとゴール下とか近くのエリアからやらなきゃいけないなと思いました。そういう小さいことの積み重ねが大事なんだなっていうのが印象に残りました。」
基礎を疎かにせず、地道な努力を続けることの大切さを学んだ紗季さん。2人とも、バスケットボールの技術だけでなく、人間としての成長も感じられる。
ここで、2人の頑張りを一番近くで見守ってきた父・太さんにもお話を伺った。
「ミニバスの経験がない子たちなので、チームの中では一番下から積み上げていかなきゃいけないという意味では、8スターズクラブというプログラムがあったおかげで、いろんな体の動かし方とか、バスケットボールへの向き合い方、考え方を学べたというのはすごく大きなことだったなと思います。3年間を通して練習に行くのが嫌だということはあんまり聞かなかったし、毎回ほぼほぼ決められた時間に早く行って、練習前に自分でプログラムをやっているというのを見聞きしていたので、そういう意味ではその頑張りが実を結んだのかなと思っています。」
父・太さんの言葉からは、娘たちの努力を認め、温かく見守る愛情が伝わってくる。経験が少ないからこそ、人一倍努力し、着実にステップアップしてきた彼女たちの姿は、多くの人に勇気を与えるだろう。

挑戦も笑顔も、ともに歩んだ日々
紗和さんと紗季さんは、埼玉教室とクラブチーム(CPM)でバスケットボールに取り組んできた。埼玉教室に通い始めたきっかけについて、紗和さんはお父さんが連れて行ってくれたこと、先輩たちが練習しているのを見学して「3年間バスケするならここがいいかな」と思ったと話してくれた。
これまでの活動の中で、特に楽しかった思い出について聞いてみた。
「(紗和さん)お手本って言われた時に早く手を挙げれば、お手本になって1回多くできるんだよみたいな感じで教えてもらって。いかに早く手を上げられるかを研究して、もうこだわって、すごい早く手を上げていたのが楽しかったです。何が何でも私がやろうとしていました。」
「(紗季さん)諸橋コーチのフリースローの時間が楽しかったです。あんまり自分はシュートを打っていなかったけど、その時間が楽しかったです。」
これまでの日々を振り返り話す紗和さんと紗季さん。無邪気にバスケットボールを楽しむ姿が目に浮かぶ。では、クラブチーム(CPM)での思い出はどうだろうか。
「(紗和さん)中学1年生の最初の遠征が楽しかったです。部屋でワイワイしていた時に悠加コーチから『騒げるなら声出せるよね』と言われて、いつもより試合でも声を出していたと思います。それが楽しかったです。」
「(紗季さん)カップ戦で初めて勝ったのが楽しかったです。2年生の時だったので、中学3年生のチームとかと当たったりしたけど、そこで負けないようにみんなで声出して頑張って決勝まで行くことができました。決勝では試合が始まる前に名前を呼ばれたりして、初めての体験がたくさんあってとっても楽しかったです。あと、チームメイトと一緒に過ごす日々が楽しかったです。」
真剣に試合に臨む姿と、仲間と楽しく過ごす日常。そのメリハリが、彼女たちの充実したバスケットボールライフを物語っている。

目指すのは、それぞれの「最高の自分」
高校入学を間近に控えた2人に、バスケット選手としての得意なプレーや課題、そして将来の夢についても聞いた。
「(紗和さん)得意なプレーは走ることで、とにかく味方がボールを取ったら一番にゴールに向かって走ることを一番意識しています。課題はディフェンスです。腰が高いってよく言われるので、これからも重点的に練習していきたいなって思います。」
「(紗季さん)得意なのはディフェンスです。中学1年生の時に遼太郎コーチに教えてもらってから、すごい好きになりました。止めた時の達成感が嬉しくて、そこからどんどんディフェンスを伸ばしたくなりました。苦手なのはハーフコートに入った時の1対1で、ボールをもらったらリングを見てと言われているんですけど、リングを見ている時にボールを取られたらどうしようとか、周りをどうやって見ればいいんだろうとか、そういうのがまだまだだなって思っています。そこをこれから研究していきたいです。」
将来の夢についても、それぞれの思いを語ってくれた。
「(紗和さん)目標は、CPMの理念にもある『なりうる最高の自分』を3年間目指してとにかく頑張っていきたいなって思います。」
「(紗季さん)将来はお父さんのようにバスケ関係のお仕事に就きたいです。CPMとか埼玉教室で学んだことは、他のチームとはちょっと違うことだし、すごいことだと思うので、そういうのをちゃんと理解してそれを生かせるようなことをしたいです。」
父・太さんも、2人の言葉を受けてこのように語ってくれた。
「2人のなりたいもの、なりたい方向性とか聞いて、それで十分だなと思います。自分でそうやってなりたいもの、ありたい自分、最高の自分になると2人とも言っているので、もうそれがどういう形でもいいから、そうなってくれれば、僕らは幸せかなと思っています。」
互いを高め合い、支え合いながら大きな目標を達成した紗和さんと紗季さん。彼女たちのこれからの人生が、さらに輝かしいものになることを心から願っている。

最後にメッセージ
最後に、これまで支えてくれた方々や、これから8スターズを目指す後輩たちへメッセージをもらった。
紗和さんより
・コーチへ
「8スターズになるためのきっかけみたいなのを与えてくれてありがとうございました。」
・チームメイトへ
「一緒に8スターズに向けて取り組んでくれたり、応援してくれたり、協力してくれてありがとう。」
・紗季へ
「負けたくなかったので、紗季が一緒にやってくれてよかったです。ありがとうございました。」
・8スターズクラブを目指す後輩へ
「めちゃくちゃ難しいけど、たくさん練習したらなれると思うので頑張ってください。」
紗季さんより
・コーチへ
「できないメニューを練習前後に見てくれたり、コーチとかは『絶対できる、絶対できる』って言ってくれました。すごい前向きな気持ちで8スターズに取り組めるようにしてくれて、ありがとうございました。」
・チームメイトへ
「みんなで教え合ったり、動画を撮ったりしながら、楽しく8スターズを目指せてよかったです。ありがとうございました。」
・紗和へ
「やっぱり一番のライバルです。先にプッシュアップをクリアしたとか言ってきた時は、ちょっとうざいなと思っちゃったけど。でも紗和がいたから、本気で、家とかでもプッシュアップの練習しようって思えたし、できてよかったです。ありがとうございました。」
・8スターズクラブを目指す後輩へ
「とにかく苦手なものはコーチに聞くとか、チームメイトに聞くとか、毎日ちょっとずつ動かしてみると意外といけると思うので、頑張ってほしいと思います。」


名前:三上 紗和(ミカミ サワ),三上 紗季(ミカミ サキ)
生年月日:2010年11月12日生まれ
出身:埼玉県蕨市


