一歩の積み重ねが成功へ繋がる

自分がやると決めたことを最後までやり抜く。
たとえ周りがやっていなかったとしても、自分の信念を貫き通すことができる。
誰しもそんな理想がありながら、周りと合わせてしまったり妥協をしてしまったり上手くいかないこともあるのではないだろうか。

今回のインタビューでは、やり抜く・貫く姿勢というものをとても感じることができた。
そんな姿勢を見ていれば、誰もが応援したくなるだろう。

8スターズ達成者として今回紹介するのは、現在中学3年生の中井夏(ナカイナツ)さん。

自分自身で期限の目標を立て、それに向けて着実に課題をクリアし8スターズを達成した夏さんの、今までの取り組みと成長、これからの目標ついて話を伺った。

とにかく納得いくまで取り組んだ

ERUTLUCのスクールでは、身体のバランスや柔軟性、筋力を発揮する『体幹・股間節』、リズム感とカップリング能力を発揮する『カップリングスキップ』、ボールのコントロール力、バランス能力を発揮してシュートを決める『コーディネーションレイアップ』など級が上がるにつれて要求レベルが高くなっていく技能検定に取り組んでいる。

これらを全てクリアすることが、ERUTLUCの殿堂入り選手として「8スターズクラブ」に認定されるための一つの条件である。

全てクリアをして8スターズメンバーとなった夏さんだが、苦手な項目も中にはあったようだ。
それはテニスボールの1級と2級で、最後の1級は、壁にテニスボールを投げてその間にWフロントチェンジ、レッグスルー、バックチェンジをしテニスボールをキャッチ、それをノーミスで3回行うという高難易度の項目である。

これまでの8スターズメンバーでも、苦労したという声を多く聞いたテニスボールの項目だが、夏さんはその壁をどう乗り越えていったのだろうか。

「テニスボールをうまくコントロールして落ちてくるタイミングとかキャッチするのがすごく難しかったです。自主練の時間を多くとり、近所の壁のあるところに行って練習し続けました。」
とにかく自分が納得するまで練習していたという夏さんは、外でやる時間の他にも練習会に早く行ってやっていたり、自分で体育館を取って練習していたそうだ。

軽い決意ではここまでの成果は成し遂げられなかっただろう。
夏さんの課題に取り組む姿勢、自分が納得するまでやり続ける集中力があったからこそ、成果となり自身の成長へと繋がったのだ。

夏さんが検定に本格的に取り組み始めたきっかけは、コロナの影響で練習に制限がかかったり、体育館が使えなかった時である。

「体育館が使えなくても、検定の内容はできると思って力を入れてやっていた。自粛期間になったタイミングで自分の基礎を確かめる為にも結構進めることができた。」

バスケットだけでなく色々な行動に制限が出て大変な時期であったが、夏さんはこんな時だからこそと、この状況をチャンスと捉えたのだ。

「一発でクリアできるほど器用な方では無いから、できるようになるまで自主練をしてできたものをコーチに見せるようにしていた。」

と、練習会が止まっている間になるべくクリアできる項目を増やせるように練習しておいて、一回の練習会で2つ3つ見てもらえるように準備にベストを尽くしていた。

「3年生の部活の引退までに1級を全て合格する」というのが夏さんの検定の目標であったが、これまでの話通りの行動や、工夫、継続があったからこそ、この目標をクリアすることができたのだ。

検定の中で、夏さんの得意な項目は「カップリングスキップの項目と体幹・股関節の1級」だという。
カップリングスキップとは、足はスキップで手は拍手やボール回し、それぞれ違うリズムをとりながら前進していくという項目である。
頭を使いながら身体を上手くコントロールする、さらに上の級ではボール回しも行うのでスムーズなハンドリング能力が必要となってくる。
かなり難易度は高いが、この項目を得意としている夏さんのコーディネーション能力の高さが分かる。

もう一つの得意項目、体幹・股関節の1級はギャノンプッシュという項目で、ボール4つの上に両手両足で乗り、腕立て伏せを3回行うという項目である。
「最初はこれは絶対無理だろうって思ってたけど、家でサイズは違うけどボールを4つ使ってやっているうちに意外とすぐにできた項目だった。」
この項目は、歴代の8スターズの中では苦労した項目で上げてくれたメンバーが多かった。
実際に取り組んでる選手たちもこのギャノンプッシュで止まることが多いが、夏さんは難なくクリアできたというから驚きだ。
ボールの上でバランスを取るのが非常に難しいが、夏さんの弛まぬ努力、家での取り組みが成果として現れたのだろう。

達成期間の目標を決めて取り組んでいた夏さんだが、インタビューを通して「やらなきゃ」という追い込まれたような雰囲気は全くなく、むしろ一つひとつクリアすることへの楽しさ、その過程の努力ですら楽しんで取り組んでいるように感じた。
それは夏さんが主体的に目標設定をし、誰に言われる訳でもなく、自分が納得するまでやろうと決めたからこそのワクワク感であり、それが他人にも伝わる、夏さんのそんな魅力を感じることができた。

勤勉と情熱は、全て上達へと繋がっている

検定カードの他にもうひとつ、8スターズクラブ認定への条件がある。
「子どものスポーツのすすめ」という冊子のアウトプットだ。
この冊子には成長のために大切な考え方や物事の見方、練習への取り組み方など様々な内容が書かれていて、それを練習会でインプットし、家で1ページずつ自分の言葉でアウトプットするというのが冊子の取り組みである。
話を聞くだけでなく、自分で話すことによって理解が深まり、より効果的に身に付けることができるのだ。

夏さんに印象に残っている話を聞くと3つの話を挙げてくれた。
まず、ジョン=ウッデンコーチの成功のピラミッドの話の中にある『勤勉』と『情熱』。

勤勉の話では、『勤勉とは、ただひたすらに努力するというただそれだけの意味である。』という言葉とともに、「毎朝、授業が始まる前に1時間の朝練習がありましたが、私はさらにその1時間前に体育館に行っていました。」など、勤勉さを体現した名シューター谷口正朋氏の取り組みについて具体的に書かれている。

情熱の話では、『情熱とは、あなたは自分のしていることを愛さなければならないということだ。』
「勤勉に何かへ打ち込むためには、情熱を持たなければなりません。情熱は単調な作業にも火をつけ、それを勤勉に変えます。情熱があってこそ、初めて能力を発揮できるのです。」と書かれている。

この2つの関連性を理解したからこそ、夏さんはこの話を一緒に挙げてくれた。
「やりたいという気持ちがあってこそ、継続していくことの大切さがわかった。成長のために必要で全部のことへ繋がると思う。」
夏さんのこれまでの努力の背景には、常にこの想いがあったからこそ諦めることなく、目標達成まで真っ直ぐに突き進んでこれたのだろう。

そして夏さんが勤勉さと情熱をもって取り組んでいることがある。
「中学の陸上の顧問に誘われて始めたマラソンを継続してやっている。自粛で部活や練習会ができなかったとき、体力や技術が保てるようにドリブルをしながらマラソンを続けた。」

家の近くにサイクリングロードがあるという夏さんは、母・真由美さんに自転車でついてきてもらいながら一緒にマラソンに取り組んでいた。
「ドリブルしながら毎日行っていると、顔見知りの人ができて、『がんばって』と声をかけられるようになっていました。」

夏さんの勤勉さと情熱は、バスケットはもちろん、他のところでも存分に発揮されている。
その姿を見て、応援したい、自分ももっと頑張ろうと思った人は多いのだろう。

冊子の情熱のページにはこんな説明もある。
“世の中には3種類の人間がいるそうです。自分で燃え上がる(自燃性)の人間、自燃性の人の影響を受けて燃え上がる(可燃性)の人間、周囲からエネルギーを与えられても燃え上がらない(不燃性)の人間”

自分から率先して物事に取り組み、エネルギーを周囲に分け与える
夏さんはまさに自燃性の人間である。

そしてもう一つ挙げてくれた話が、『プラスアルファの魔法』である。

この話では、「誰かに何かを頼まれたら、頼まれたこと以上のことをする、人が期待している以上のことをする、コーチが求めるよりもさらにもう一歩努力をする。」「そのプラスアルファが自分にもたらす効果の偉大さは、それを実行したものだけが実感できるのです。」などと書かれている。

夏さんが具体的に行っているプラスアルファを聞いてみると、
「壮大なことはしてないけど、例えば部活とかスクールでダッシュがあった時に、みんなが大体ラインの前とかギリギリで止まっちゃうところを、自分はラインを踏むとか一歩多くとか、ほんの少しでもプラスアルファを増やしていってそれが自分の力になると良いなと思って続けていた。」

また、「背も小さいし、器用じゃないから、周りがやっていることより1センチでも高くジャンプするとか、みんなが歩いてるところで走って行動するとか、そういうところでほんのちょっとでもみんなより努力した。」

やりたいという気持ちがあってこそ、プラスアルファができる。
成長に貪欲で、向上し続けようと思っている夏さんだからこそ、他の人が気付かないようなところでもプラスアルファを積み重ねていくことができるのだ。
そして、実行した夏さんが実感として得たものは大きいに違いない。

新たな出会いによる成長

夏さんがERUTLUCのスクールに通い始めたのは、ミニバスを一緒に始めたチームメイトの子に小学5年生のときに誘われたことがきっかけだった。
そこからは、スクールやクリニック、キャンプなど様々な活動に参加してくれていた。

夏さんは元々、知らない人がいるところに行くのが大好きだそうで、毎回違うメンバーが参加するイベントはとても楽しかったようだ。

「スクール、クリニック、キャンプに行ったりして、ミニバスの中だけでは見えない広い世界があった。全然違うところからきて、環境が違う人、こんなに上手な人がいるんだ、いろんなことを知ったし、いろんな選手を見て、刺激をすごいもらった。いろんな学年で上手い人もいて、入ってなかったらわからなかったし、経験できなかった。」

また、「通用するか心配だったし自分より上手い子ばっかりだったから、ワクワクもあったけど不安もあった。入ろうと思ったのはとにかくやってて楽しかった、今までやったことのない練習、こういう練習もするんだ。楽しい練習だけどバスケにつながっているからやってみようと思った。」と、スクールに入った当初の気持ちを振り返ってくれた。

新たな環境に足を踏み入れることによって、そこでしか見れない景色に出会うことができる。
もちろん不安や心配は誰しもあるだろうが、それを乗り越え、挑戦することに価値がある。
夏さんは勇気を持って踏み出したことによって、素敵な出会いや経験を手にすることができたのだ。
さらに技術面でも、この経験を通して更なる成長に繋がったそうだ。

「それまでのバスケットは、楽しむだけだったけれど、通いはじめてからは、自分からコーチのお手本を見に行ったり、その場で真似してやってみたりと、技術だけで無く、気持ちの持ち方とか必要な事を教えてもらって、もっと上手くなりたいという気持ちが強まった。」

同じ練習をしても、どういう気持ち・考え方で取り組むかが重要である。
その考え方次第で練習に取り組む姿勢が変わり、成長のスピードに大きな差が生まれるのだ。
夏さんは、成長のために自分が何をするべきかを明確に持っており、それをしっかり行動に移している姿が伺えた。

プレー面では、「ERUTLUCに入るまでは、バスケの戦術とかバスケ脳的なことがあまりよく分かっていなかったけど、スクールや合宿に参加していくうちにだんだんと分かってきて、コートを上から見た時に理解できるようになった。行動にするのはすぐにはできなかたりするけど、頭では分かるようになった。」
と、夏さんは目を背けがちな自分の課題にも真撃に向き合い、得意なことだけでなく、苦手なところからも成長できるように取り組んでいた。
成長が止まることを知らない夏さんのこれからの活躍がとても楽しみである。

母・真由美さんにも、夏さんがどんな様子で取り組んでいるか話を聞くと、「ミニバスでは前にやっている上級生の真似をしてついていっているくらいの理解でやっているなという感じから、コーチが説明しているところに自分から見える位置に動いて、こうやってやっているんだとコーチの動きを一生懸命見てたり、話を聞きながら一緒に動いてやっていたり、すごく積極的に教えて欲しいという姿勢が最初のうちからはっきり見えた。この子にとってすごくプラスな場所だなと感じた。帰りの車とかでは、コーチがこういうこと言うんだよと話すのが印象的で、“これはこう言う意味があるんだよ、こっちをこう見たほうがいいんだよ”というふうに話してくれて、吸収しようという気持ちが変化としてあった。」

夏さんのこれまでの変化を話してくれた。夏さんが心置きなく挑戦できる環境へと後押しをし、そばで支え見守ってきた母・真由美さんだからこそ、夏さんの変化や成長を一番感じているのだろう。

今やれることが明確だからこそ自分の課題に向き合える

こんな言葉を聞いたことがある。
”努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功した者は必ず努力している”

成功するには必ず努力が必要だ。
しかしそこには落とし穴もあり、努力の方向性を間違って積み重ねてしまったら、その間違ったものが上達していくのだ。
そうならないためにも、課題を明確にし、その解決策を理解した上で取り組むのが成功への近道となるだろう。

夏さんも、自分の長所・短所を理解し、課題解決に取り組んでいる。

まず得意なプレーは、
「低さ、スピードを活かしたドライブとディフェンスです。小さい時から試合に出してもらえた時に、チームのために、ディフェンスだけはとにかく一生懸命やろうと思っていて、とにかく邪魔をすることを心がけていた。そのうち強い選手につくように任されることが増え、更にどう止めたらいいか、抜かれても前に出るとか、いろんなケースを考えて、ディフェンスする様になった。
5ファールで悔しい思いをした時期もあったけど、それでも楽しいと思うようになっていった。相手が強いほどついてみたくなる。

と、持ち味のスピードを活かしたプレーを得意としている。この長所はこれから高校、その先へ進む中でも夏さんの強みとして、存分に発揮していくだろう。
強い相手にも向かっていく姿勢、上手くいくにはどうしたらいいか考える力、この分析や実行を続けていくことで、さらにスピードに磨きのかかったドライブやディフェンスになることが期待できる。

次に磨いていきたいことは、
「シュートをもっと確実に決められるようにしていきたい。勢いに身を任せて行ってしまうことがあるから、フェイクやタイミングをずらすこと、判断をしっかり入れていきたい。
あとは咄嗟のアクシデントの時でも臨機応変に判断力のあるゲームメイクをしていきたい。
速攻で決められた時とか、相手の得点が迫ってきた時に焦っちゃう自分がいるので、流れを元に戻せるように冷静な気持ちを保ってプレーしたい。」
と話した。

シュートの判断も、臨機応変なゲームメイクもスキル面はもちろん重要だが、より実践形式での課題になってくる。どれだけ経験できるかが成長の鍵となりそうだ。

母・真由美さんから、夏さんのプレーについて
「試合で、得点が離れて周りが諦めてしまう所でも、最後の最後まで諦めてないという試合をこれまでたくさん見る事ができました。見ていて応援したいと自然に思わせてくれる所はすごいと思う。これからも怪我なく、色んな場で経験を積み重ね、新しい事に挑戦していって欲しいです。」と思いを伝えた。

挑戦すること、解決しようとする努力、その力を兼ね備えている夏さんは、自分の課題にしっかりと向き合い挑戦することによって、これからたくさんの失敗と成功を経験していく。
そんな中で、質の高い練習への取り組みをすることは、必ず周りのチームメイトに良い影響を与える。
今後、夏さんはさらにチームを引っ張っていく存在へとなっていくだろう。

人から思わず応援したいと思える選手へ

夏さんには大切にしている言葉がある。母・真由美さんに言われ今までずっと意識してきたという。
エルトラックの合宿などでも何度か聞いたことがあるというその言葉は、

「バスケでも、それ以外の場でも人から思わず応援したいと思われるような選手・人でいて欲しい。」

夏さんは、これは常に心に置いておくべき言葉だと話した。
そして、「すごい上手い人はかっこいいプレーを見せる事で応援されると思う、でも上手くない人でも頑張ろうとする姿勢は思わず応援したくなると思う。数字で測れないもの、自分の姿勢や態度で見せられることはあると思う。」と、その言葉を大切にしている理由を教えてくれた。

母・真由美さんが伝えたという言葉だが、どんな想いがあって夏さんに伝えたのだろうか。
「やらされているじゃなく、周りをやりたいことに巻き込んでしてしまうくらいの一生懸命さがあって応援してもらえれば、自分は一生懸命やることに専念できる。自然に周りが協力してくれる。一生懸命やれば声かけてもらえることが増えるし、プラスしかないと思う。完璧な人はいないと思うので、失敗しても一生懸命力を注げることに集中して頑張ってほしい。」
と母・真由美さん、応援したいと思われることの大切さを感じることができた。

スポーツには人の心を動かす力がある。
派手なプレーだったり、華麗なプレーは会場を沸かすことができるかもしれない。
しかし、人の心を動かすというのは必ずしもそれだけとは限らない。
むしろ夏さんの言葉にあった、数字で測れないものにこそ、その価値はあるのではないだろうか。
スポーツを観戦した時、選手の熱意や誠実さに心を動かされた経験はないだろうか。

夏さんは中学生にして、その大切さに気付き、実行している。
一生懸命の取り組みは、必ず誰かが見てくれている。
夏さんの成長を、今後も応援したいと思う人が増え続けるに違いない。

色んなことに挑戦してやり切れる自分が最高

”なりうる最高の自分を目指す”
エルトラックの活動に参加したことのある選手は一度は耳にしたことがあるだろう。
この言葉は、ジョン=ウッデンコーチの「成功の定義」で、

「成功とは、なりうる最高の自分になるためにベストを尽くしたと自覚し
満足することによって得られる心の平和なのである」

と勝利や地位が成功ではなく、ベストを尽くしたことで得られる満足感を成功と言っている。
この成功の定義はエルトラックでも活動理念の一つとしていて、”より多くの子ども達になりうる最高の自分を目指す環境を提供する”と掲げている。

エルトラックのスクールなどに約5年間参加した夏さんも、もちろんこの言葉にはたくさん触れてきているだろう。そんな夏さんのなりうる最高の自分とはどんな自分かを聞くと、

「一つのことや考えに固執しないで、バスケのことや私生活でも色んな事に挑戦してやりきれる自分が、なりうる最高の自分だと思う。」と答えてくれた。

これから高校に進学する夏さんは、高校生活、部活、勉強と新たな環境でのスタートになる。部活や勉強の文武両道にベストを尽くしていきたいと話した。
今までのインタビューの話から、新たな環境に足を踏み入れ、挑戦することは夏さんの得意としていることだろう。これから色々な挑戦をし、新たな課題を見つけ、解決して成長していく夏さんの姿がとても楽しみである。

さらに、「常に目の前の目標に向かって全力でガムシャラにやり続けられる人」
夏さんはこんな人物像を理想としていて、憧れのプレーヤーが2人いるそうだ。

1人目はNBAのデリック・ローズ選手で、「史上最年少でMVPを取ったりしたけど、その後は怪我を重ねたり、チームを失ったりどん底をを味わった。辛い思いをしたけどずっとバスケを続けて復活して返り咲いたというバスケに対する姿勢がかっこいい。」
そんなどんな壁にも全力でぶつかっていく姿に憧れを持っていた。
夏さんがこれまでどんな壁でも諦めない姿勢を持っていたのは、デリック・ローズ選手という存在があったのも大きいのだろう。
目標が明確だからこそ、理想を追い続けられるのだ。

2人目はBリーグ川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手で、「ディフェンスを見ていると他の選手がやらないくらいフル回転、全身全霊でやっているところがすごい。」 
ディフェンスで観客を魅了できる篠山選手の迫力は見ていて圧巻である。
ディフェンスを強みとしている夏さんにとって、目指す先は篠山選手のような相手を苦労させられるような迫力のあるDEFをやることだ。
理想を追い求め、夏さんのディフェンス力は今後もさらに磨きがかかってくるだろう。

そして最後に、夏さんがこれからもなりうる最高の自分を目指し続けるために、具体的にどんなことをしていくかを話してくれた。

「コロナの自粛を通して、スポーツは平和で健康だからこそできると学びました。
チームメイト、対戦相手に関係なく周りのプレーを褒めたり、尊敬する心をわすれずにいたいです。
自分も尊敬されるような選手になりたいです。
そして、自分にだからこそ出来ることを見つけていきたいです。」

今までも目標を決め、やると決めたことを納得いくまでやり続けた夏さん。
間違いなくこれからも一歩一歩積み重ね、目標を達成するまで諦めずに進んでいけるだろう。

そんな夏さんのこれからの活躍を楽しみにしていきたい。

コーチ達へメッセージ

野田コーチ
練習会でお世話になっていたとき、カップリングスキップで野田コーチがお腹を抱えて笑ってしまうくらいできなかったけど、1級合格するくらいに成長できました。

繁コーチ
合宿でフォーメーションや戦術的なことを詳しく教えてくれて、そのあとからバスケットの理解がすごくできるようになりました。もっと色んなキャンプに行きたいと思わせてくれました。

庄司コーチ
ドリブススキルがとても上手で、背が小さい自分にとって学ぶことが多かったです。休憩の時間にも個人的なアドバイスもしてくれて今の自分のスキルにつながっています。

水野コーチ
始めた時から5年間ずっと教えてもらってて、やってて今でも難しいと思うことはあるけど、その分密度の濃いことを教えてもらい、奥が深くて何度やっても為になりました。自分で考えてプレーすることの大切さ、上手くなる為にどうしたらいいかを学びました。

他にもたくさんのコーチにお世話になり、伝えきれません。これからは一緒に練習したり、そばで見てもらうことはできないけど、何かで見てもらえた時に成長したな、頑張ってるなと思ってもらえるように人としても選手としても成長していきたいです。

PROFILE

名前:中井 夏(ナカイナツ)

生年月日:2007年2月20日生まれ

出身:千葉県千葉市

PHOTO_水野 慎士・PhotocreateTEXT_山澤 恵

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