「絶対にクリアする」そう決めて一生懸命取り組んだ8スターズクラブの1人。
この記事では、その主人公にスポットを当てていこうと思う。
本日の主人公は内田七星(うちだななせ)さん。
母親の真緒(まお)さんにも一緒にインタビューに答えていただき、七星さんが8スターズ検定の獲得に取り組んだこれまでの頑張りやERUTLUCとの出会い、これからの目標など、バスケットの歩みに迫っていく。
何度失敗してもチャレンジし続けた
8スターズクラブを達成する条件の1つに技能検定がある。数々の項目をこなしクリアしていくのだが、中には難しいものもあり、七星さんも悩まされたという。その技能検定のエピソードから伺った。
「得意だったのはコーディネーションレイアップです。これはすぐできるようになって楽しくやっていたのを今でも覚えています。」と笑顔で答えてくれた。
しかし、苦戦したものもあったようだ。
「1番苦戦したのはテニスボールドリブルの1級です。テニスボールを投げてからキャッチまでにたくさんのチェンジを行わないといけないので大変でした。」
これは、テニスボール1回の投げ上げでフロントチェンジ2回、レッグスルー1回、バックチェンジ1回の技を行い、テニスボールをキャッチする。この技を左右3回ずつ連続でできたらクリアするという難度の高い技である。これまで8スターズを獲得してきた選手も苦戦したという技だ。
これがなかなかできず、苦しんだ七星さん。いったいどのように壁を乗り越えていったのだろうか。
「最初は8スターズがあることは知らなかったです。ERUTLUCの練習の中で、コーチから8スターズがあることを教えてもらって取り組んでいるうちに頑張りたいと思うようになりました。その時に一緒に通っていた同じミニバスチームの1つ下の友達と協力して取り組んでいました。」
七星さんと同じ場所で練習する仲間と共に励まし合いながら取り組んでいたそうだ。
「Sufuという練習動画サイトがあり、そこで検定の合否を判定してもらうことができます。その友達と一緒にしながら早くクリアしたくて、短い期間で多くの動画をそこに送り、ミニバスの練習以外の日も練習をしました。お母さんにも協力してもらって、公民館を借りてひたすら練習をしました。最後の一回で失敗することもあって、悔しいと思うこともたくさんありましたが、諦めずにやり続けました。できたときは本当に嬉しかったです。」
共に切磋琢磨する友達や支えてくれる家族などが協力をしてクリアにつながっていったのだろう。それは、七星さんの頑張りや取り組む様子から、周りが応援したいと思えるくらい人を引きつける行動や姿勢を自然とすることができている七星さんの魅力であろう。
母・真緒さんからも
「一緒に必死になってどうすればできるんだろうというのを考えたり、何度も動画をとってチャレンジしていました。失敗しても、2人で悔しがって一生懸命やりました。」
ただやるだけでなくどうすれば上手にできるようになるのか、考えながらクリアを目指した七星さん。悔しさを活力に変えて、練習に取り組んでいたそうだ。そのひらむきな努力ややり続けるという決心があったからこそ、難しい課題にもクリアをすることができたのだろう。
「技能検定の練習をする前は体幹の練習をしたことがありませんでした。ですが取り組むようになったことで体幹が強くなったと実感しています。8スターズクラブを取ることももちろんですが、よりうまくなるためにも意味があったことだと思うし、頑張ってきて本当に良かったです。」
母・真緒さんからも「テニスボールは結構苦戦していて、「今日はもうやめて明日にしたらいいんじゃないかな」と思ったこともありました。ですが、本人の「絶対クリアする」という意思が強くて、その気持ちがすごいな、努力しているなと感じました。実ははやく帰ろうよと思うこともあったんですが、そこまで頑張る姿を見て言えなかったし、成功したときの笑顔と喜びを見てすごいなと感じるばかりでした。自分が小学生のときには、こんなに努力して何かに取り組むこととかはなかったので、バスケが本当に好きで、だからこそ努力に変わっていると実感し、自分も見習いたいと思いました。」
技能検定に関して、ゴールではなく1つの目標として捉え、成長の過程として取り組み、決して諦めないその姿は話を聞きながらでも伝わってきた。努力をし続け、1つ1つ登り続ける七星さんはこれからもっと成長をし続けていくのだろう。
もっとやる、その姿勢が成長につながる
8スターズを獲得するにはもう1つ達成しなければいけない条件がある。それは『子どものスポーツのすすめ』の内容をアウトプットすることである。『子どものスポーツのすすめ』とはERUTLUC内の教室に入会するとこの一冊の本が一人ひとりに配られている。そこにはスポーツをする人にとって大切な考え方はもちろん、これからの社会を生きていくために必要な考え方や物事の見方などが綴られおり、その冊子から多くのことを学ぶことができる。
その中で印象に残った話を聞いてみた。
「印象に残ったお話は『+αの魔法』です。これは出された課題に対して、決められた数だけこなすのではなくそれ以上に回数をこなすことが大切というお話です。このお話を聞いてから、1日1回と言われているハンドリングの宿題をそれ以上の回数をこなすようになりました。これからもその姿勢を続けてもっと成長していきたいです。」
目の前の課題を限られた時間の中でどうこなすのか、より多くすることはできないかを自分で考え、行動に移しているという。その行動力が七星さんの成長をさらに進めていることだろう。そんな七星さんが今では更に『+αの魔法』を意識するようになったという。いったいどういうことだろうか。
「課題や回数だけでなくて、他にもバスケットに向き合う時間も増やすようになりました。練習が始まる前に早く行って自主練をできるように予め準備もしていっています。他にも学校にある放課後の時間でバスケットをする時間があって、そこで練習してから向かうこともしています。自主練もするようになって、家の玄関でドリブル練習を毎日やっています。メニューは自分で決めたメニューを取り組んでいて、そのメニューは練習で足りないなと思ったところを思い出してメニューを作って練習しています。」
『+αの魔法』からバスケットに向き合う時間を増やし、そこからただ練習時間を足すのではなく、自分に何が足りないのか、もっとうまくなるためにはどうすればいいのかを考えて行動に移すことができる七星さん。このバスケットに対する向き合い方はとてもすばらしいものである。
成長を後押しする場所
ここまで七星さんの8スターズクラブ獲得までのお話を伺ってきた。七星さんはどのようにERUTLUCを知ったのだろうか。
「きっかけは2個上の友達が先にERUTLUCの練習会に参加していたことです。その子は上手で、ちょうどもっとうまくなりたいと思っていた時に、その友達にERUTLUCの練習会に参加していることを聞きました。そして、参加するようになりました。」
ちょうど上手くなりたいと思っている時にERUTLUCとの出会いがあった七星さん。その出会いが七星さんにとって、どのような影響を与えたのだろうか。
「バスケットのスキルに関してはドリブルの技や、体の使い方が上手になったと思います。板橋コーチの練習会に参加しているのですが、いつも丁寧に教えてくれます。細かいところまで見てくれて上手にやるコツやポイントも、毎回練習のときに必ず伝えてくれます。そのおかげで最初よりはうまくなっていると思います。」
「始めは知らない人とコミュニケーションを取るのが難しかったです。自分から話すことも最初は慣れなかったですが、最初入ったときにもともといた先輩たちが話しかけてくれたことがすごく嬉しかったです。だからこそ、今では自分からコミュニケーションを取れるようになりました。それが学校でもできるようになって、初めて会う友達とも話せるようになったと思います。」
バスケットのスキルだけでなく、人としても大切なことを学んだという七星さん。練習会に参加するようになって変わるきっかけを作ることができ、もっと成長したいと思うようになったという。それは、七星さんが1日1日を大切に一生懸命取り組んでいることの現れだろう。
ERUTLUCの練習会に参加する様子を近くで見られていた母・真緒さんは
「身体を正しく使うことは大人から見ていても難しそうですが、小学生なりに理解をして上手になっていく姿を見て成長を感じていました。入ったのが4年生でしたが、最初の方は本当にわかっているのか心配でした。6年生になると身についてきていて、練習試合などにも出てきているので参加させて本当によかったと思いました。」
叶えたい夢のために
ここまで七星さんの頑張りや努力について迫ってきたが最後は七星さんの将来についてまとめていこうと思う。何事も一生懸命こなす七星さんが将来にむけて何を目標に掲げているのかについて伺うことができた。
「これからもバスケットは続けていきます。自主練でシュートをやっていたら試合でも入るようになってきたのでこれからももっとシュートを磨いて活躍したいと思っています。他にもパスをもらってからの判断がまだまだ遅いので、その部分は磨いていきたいです。中学校へあがるとリングの高さやボールの大きさなど変化もありますが、不安はありません。」
と、これから磨きたいものや得意なものを自信をもって語っていた七星さん。このように思える背景には何があるのだろうか。七星さんの背中を押す糧となるものはいったい何なのだろうか。
「私の強みはシュートです。フリーでもらって打つシュートが得意で遠いところからでも入ります。それを今後も生かして活躍していきたいです。最終的な夢はWリーグの選手になることなので、それを目標に頑張っています。憧れている町田選手や篠崎選手(現在引退)のようなアシストやスピードのあるドライブ、合わせなどかっこいいプレーがたくさんあるので、そのようなプレーをできるようにしたいです。この目標を叶えるためにも、まずはボールを持ったらシュートに向かって、顔をあげて積極的なプレーをしていきたいです。そこからディフェンスを引きつけて空いている味方にパスを出したり、さらに自分で攻めたり、周りも活かすことのできる選手になりたいです。」
夢や目標があり、それに向かって日々努力していくという想いをお話を聞きながら感じた。それは、
こちらに伝わるほどの、熱く、まっすぐな気持ちを持っているからであろう。七星さんの想いが活力に変わり、活力が周りの人を動かし、その周りの人が応援してくれる人へと変わる。きっとそんな選手になっていくのであろう。
母・真緒さんからも七星さんの将来にむけてお話を伺った。
「将来の夢であるWリーグの選手という大きな夢を持っていて、きっと途中で辛いことや心が折れそうになることもあると思います。ですが、夢に向かってあきらめないで持ち前の努力で頑張ってほしいと思います。」
最後にメッセージ
七星さんよりこれから8スターズクラブの検定へ挑戦する選手、お世話になった方、それぞれにメッセージを頂いた。
8スターズクラブの検定へ挑戦する選手へ一言
「努力して、できなかったものができた喜びはすごくうれしいので、失敗してもあきらめずにやっていくことが大切だと思います。私もたくさん失敗してもクリアできたし、何日間もチャレンジしてクリアできたのでそのように取り組んでいってほしいです。」
七星さんからお世話になった方々へ
板橋コーチへ
「私がわからないことがあった時に聞いたら丁寧に教えてくれえて分かりやすかったです。検定でもたくさん教えてくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。」
お母さんへ
「検定を受けるためにたくさんビデオを撮ってくれて、いっぱい協力してくれたので感謝しています。ありがとう。」
名前:内田 七星(ウチダナナセ)
生年月日:2010年07月08日生まれ
出身:千葉県千葉市