
今回の主人公は、中学1年生で8スターズを達成し、現在は埼玉県にあるクラブチーム『Club Peace of Mind(CPM)』でプレーを磨き続ける古瀬瑛士(ふるせ えいと)さんだ。目の前の課題を一つひとつを合格レベルまで磨くことにこだわり、高い壁すらも「面白い」と感じて積極的に取り組んできた。これまでの道のりについてまとめている。
できるまでこだわって取り組んだ技能検定
ERUTLUCには、練習会で取り組んでいる7項目の技能検定がある。これは自主練習の延長として、子どもたちが主体的に挑戦し、なりうる最高の自分を目指すことを目的としている。技能検定は初級者向けの7級から高難度の1級まで構成され、それぞれの級をクリアすると星を獲得できる。そして7つの星に、ある条件を満たすことで得られる幻の星を加え、8つの星を揃えると「8スターズクラブメンバー」として表彰される。
この8スターズ獲得の条件の一つである技能検定について、瑛士さんに話を伺った。
「得意だったのは、レイアップです。苦手だったのはテニスボールでした。」
レイアップの項目では、最も易しいレベルはわずか5分で終わらせるという驚異的なスピードを見せた瑛士さんだが、高難度の項目には苦戦したという。
「得意だったけど、2ボール(のレイアップ)は難しかったです。1つやるだけで疲れで、もう終わってしまうくらい大変でした。テニスボールは長い時は3時間くらいやり続けていたと思います。記憶が無くなるくらい、やったと思います。」

瑛士さんは、ただ闇雲に練習するのではなく、自分の中で非常に高い基準をもっていた。映像を送ってコーチのチェックを受ける際も、自分なりの強いこだわりがあったという。それは一体、どんなこだわりだったのだろうか。
「コーチから『もう一回やって』って言われるのは嫌だったんです。だから、自分の中でお手本の映像をしっかり見て、それに近い状態になったと納得できないと、(映像を)見せないようにしていました。」
中途半端なところで妥協せず、一発で合格をもぎ取る。その徹底したプライドがあったからこそ、多くの項目を提出した時にはほとんどクリアしていったのだろう。そんなハードな検定を支えたのは、共に高め合える仲間の存在だった。
「自主練をしていたら、周りのみんなも一緒にやっていて、それを見るとやる気になれました。一人よりも、みんなでやるほうが頑張れたなと思います。あとは、クリアしたメニューが本当に面白かったし、これができたら素直に『すごく上手い人』になれると思ったのが一番の原動力です。」
瑛士さんの取り組みについて、お母様はこう振り返る。
「家では練習のことは特に何も言わなかったんです。いつの間にか終わっていて、気づいたら『おめでとう』という感じでした。私はバスケ経験者ですが、瑛士さんはもう自分を超えていますね。親としては、技術以上に、一生懸命全力で向き合うこと、諦めないことを大切にしてほしいと思っていました。」
お互いに協力しあうことの大切さを学んだ
8スターズクラブメンバーに認定されるための条件には、技能検定の他にもう1つある。それはエルトラックの練習会に通う子どもたちに配られる冊子『子どものスポーツのすすめ』に書かれている内容をアウトプットすることだ。エルトラックでは、学んだことをインプットしたり、アウトプットしたりすることを大切にしている。
冊子の内容について、瑛士さんは「オレンジのページ(論理的な部分)は、考え方が書いてあって全部面白い」と語るほど読み込んでくれている。そんな瑛士さんが印象に残った話は一体なんだろうか。
「特に印象に残っているのはコービー(・ブライアント)の話です。マンバメンタリティの動画とかもYouTubeで見ていたところ、この冊子に詳しく書いてあるのを読んで『いいな、僕もそうなりたいな』と思いました。」
さらに、瑛士さんは冊子で学んだ「Win-Winの話」や「第2領域(緊急ではないが重要なこと)」の考え方を、すでに自分のものにしている。
「Win-Winを考えるとき、まずは自分から相手と仲良くなって、相手に『瑛士はいい人だ』と受け取ってもらえるように行動をとるようにしています。背筋を張って、相手の目を見ることや第一印象を良くすることを意識しています。」

中学生にして、相手との関係性を自分から構築しようとする「主体性」を身につけている瑛士さん。日常生活でも「今Win-Winだよね」という言葉が自然に出るほど、学びが深く根付いている。
お母様も「会話の流れの中に、自然に冊子の話が入ってくるようになった。考え方が本当に大人になりました。」と、その心の成長に驚きを隠せない。
最高の仲間とコーチたちとの出会い
ここからは瑛士さんがエルトラックと出会ったきっかけ、そしてスクールでの思い出についてまとめていく。
瑛士さんがエルトラックに通い始めたのは、5年生の時にセンター校が設立された際、お母様が「チーム練習だけでなく個人の技術が欲しい」と考えたのがきっかけだった。
「最初のクリニックは谷口コーチが担当していた会に参加していました。通ううちに、コーチがすごく教えてくれるし、そこで出会った仲間たちがいたから、その後の中学校に向けて考えていた時に、その仲間がいる『CPMもいいな』と思うようになりました。」
様々な仲間との出会い、そんな環境を楽しみながら、コーチ陣とも深い信頼関係を築いてきた。
「谷口コーチにシュートを教わって、本当に変わりました。結音コーチはたまに厳しいし冷たいこともあるけど、ちゃんと映像を見てアドバイスをくれました。そうやってたくさんのことを教えてくれるコーチたちのおかげで今の自分がいると思ってます。」

お母様は、コーチたちへの感謝をこう語る。
「答えをすぐに言わず、ヒントをくれる。支えになっているのは、ただのチームとしてだけでなく、信頼できるコーチたちがいて、親の悩みも支えてもらえるからです。家族みんなで『今日は何をやるんだろう』とワクワクしながら見に行くのが、何より楽しいんです。」
「人間性」を兼ね備え、目標に向かって進み続ける
これからの目標について、瑛士さんの視界は既に先を捉えている。その目標に向かう瑛士さんは、一体どんな夢や目標を抱いているのだろうか。まずは、バスケットボール選手としての瑛士さんについて迫る。
「得意なのはジャンプシュートです。課題はディフェンス、特にコンタクトです。そのために、今は練習前の20分を使って、片足スクワットや体幹トレーニングを一番乗りでやっています。20分が10分に感じるくらい集中しています。」

技術の向上に余念がない瑛士さんだが、目指すのはスキルだけの選手ではない。
「必ず、プレーよりも『人間性』が素晴らしい選手になりたいです。チームスポーツだから自分一人じゃできないと思っています。協力して、相手を理解できる人になりたいです。そして、プロ選手になることに向けて一生懸命頑張っていきたいです。」
お母様は、これからの瑛士さんに向けて
「今のまま、主体的に考え、成長していってほしいです。繊細で時間がかかるタイプだったけれど、経験を重ねて自信をつけてきました。自分のペースで、身体を壊さず、前向きにいてくれれば、それだけで十分です。」
と、温かいエールを送った。
自分自身で何をすべきか考え、1つ1つ一生懸命向き合い、真摯に受け止め、日々努力を重ねる瑛士さん。これからの時間で困難や悩みにぶつかることもあると思うが、瑛士さんが言っている「相手を理解する」ということを意識しながら、自分自身を大切にこれから、夢に向かって頑張っていって欲しい。瑛士さんの夢を心から応援したい。
最後にメッセージ
インタビューの最後、瑛士さんはこれまで関わった方々へ感謝の言葉を残してくれた。
・お父さん、お母さんへ
「いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」
・谷口コーチ、結音コーチへ
「いつもアドバイスをありがとうございます。谷口コーチ、スクールの時からたくさんありがとうございました。結音コーチ、話を聞いてくれてありがとうございました。」
・これから8スターズを目指す後輩たちへ
「諦めずに頑張ってください!」


名前:古瀬 瑛士(フルセ エイト)
生年月日:2012年7月11日生まれ
出身:埼玉県志木市


