ラック「3×3のファウルは、5人制のファウルと違うところがあるのかな?🤔」
エル「コンタクトについての基本的な考え方は3×3も5人制と変わらないよ😊
でも、そうなったのは最近の話みたい☝🏻プレーコーリングガイドラインを確認してみるよ👀」
【3×3プレイコーリングガイドラインより】
3×3では漠然と「ファウルを吹かず、プレーを続けさせる」という曖昧な考え方で明確な判定基準がない中で大会が開催され、選手の怪我や乱闘となるゲームも多く、3×3の魅力であるスピーディーでタフなバスケットボールの実践にはほど遠い状況があった。
▶︎2019年に5人制と3×3の判定基準の相違点を明確にしたプレーコーリングガイドラインを策定(触れ合いに対するファウルの判定基準として、「接触」「責任」「影響」のうち「影響」について、「明らかにバランスを崩す」または「明らかにボールのコントロールを失う」場合にファウルと判定するアドバンテージ/ディスアドバンテージの考え方を盛り込み、共通理解できるように具体的に明文化した
▶︎東京オリンピック2020に向けて、触れ合いに関する判定基準をAD/DAをメインコンセプトとした基準から5on5と同じ基準へと変更する方向を打ち出し、東京オリンピック2020においてもこれまでの手や腕を使ったプレーや選手の怪我につながるプレーに対して積極的にファウルと判定しつつも、プレーに影響のない触れ合いについては「マージナル」としてファウルを取り上げない判定をすることで、スピーディーでタフなバスケットボールを目指している
▶︎FIBAと統一した判定基準を取り入れる必要があることから、2022でプレイコーリングガイドラインを全面的に改訂した
参考|3×3プレーコーリング・ガイドライン20220401版
ラック「はじめは基準が曖昧で、結構危険な感じだったんだ😨やっぱり基準が整っていいないとうまくいかないね…」
エル「東京オリンピック2020で正式に種目化されることもあって、触れ合いに対する基準が整っていったんだ😊」
ラック「コンタクトの部分ではないファウルについて、3×3と5人制に違いはあるの?」
エル「いくつか大きな違いもあるから、3×3のファウルについて詳しく確認していこう🙌🏻」
コンタクトファウルとは、ボールのライブ、デッドにかかわらず、相手チームのプレーヤーとの不当な体の触れ合いによるプレーヤーファウルのことをいう
プレーヤーは、相手を押さえて動きの自由を妨げたり、押したり、叩いたり、突き当たったり、つまずかせることをしてはならない。手(腕)や足(脚)、膝などを伸ばしたり広げたり突き出したり、体を不自然に曲げたりして相手の動きを妨げる触れ合いを、自分のシリンダーの外で起こしてはならない
また、その他乱暴な触れ合いを起こすこともしてはならない
【ユニフォームを掴む行為】
5人制ではアンスポーツマンライクファウル、3×3ではコンタクトファウル
※影響までを考慮せず、事実のみに基づいて
【スクリーンプレー】
スクリーンをかけようとするオフェンスプレーヤーが、押したかどうかに関係なく、腕を伸ばして、または両手の平でディフェンスに触れる行為に対してオフェンスファウルを宣する
※影響までを考慮せず、事実のみに基づいて
※3×3ではスクリーンプレーは得点に直結するプレーであり、オフェンスのイリーガルスクリーンに対しては、特に意識を持って判定することが求められている
罰則
ファウルをしたチームに1個のコンタクトファウルが記録される
▶︎ショットの動作中ではないプレーヤーがファウルをされたとき
:ファウルをされたチームのチェックボールによってゲームを再開する
:ファウルをしたチームがチームファウルペナルティシチュエーションにある場合は、フリースローが与えられる
▶︎ショットの動作中のプレーヤーがファウルをされたとき
:ショットが成功したときは得点が認められ、さらに1本のフリースローが与えられる。※チームファウルの個数によって罰則が変わる
:ショットが不成功だったとき、アークの内側でのショットは1本のフリースロー、アークの外側でのショットは2本のフリースローが与えられる
※チームファウルの数による罰則はショット動作中のファウルにも適用される
ラック「フリースローの数がチームファウルの数によって変わるんだ😳5人制とは大きく違うね!」
エル「3×3では『プレーヤーの5個のファウル』は採用されないから、チームファウルが多くなればなるほど罰則が重くなるんだね💦
チームファウルの罰則も5人制とは大きく違うところがあるから確認しよう!」
- 1チームに6個のチームファウルが記録された後:チームファウルのペナルティシチュエーションになる
- 7、8、9個目のチームファウルの場合:罰則として2本のフリースローが与えられる
- 10個目から:その都度罰則として2本のフリースローとポゼッションが与えられる
※テクニカルファウルでは適用なし
【カウント・アンド・ツーショット】
ショット動作中にファウルを受けショットが成功した場合、このファウルによってファウルしたチームがチームファウルが7個以上に到達すれば、得点が認められさらに2本のフリースローが与えられる。10個以上に到達すればさらにポゼッションが罰則として与えられる
オフェンスプレーヤーがコンタクトファウルをしたときは、チームファウルの罰則は適用されず、相手チームのチェックボールになる
ラック「5人制ではチームファウルが5個目でペナルティシチュエーションになるけど、3×3では7個目からフリースローが与えられるんだ🤔」
エル「10個目になるとさらにボールポゼッションも与えられるから、より罰則が厳しくなるね💦
続けて、他のファウルのルールも確認していくよ🙌」
両チームの2人のプレーヤーがほとんど同時に、互いにコンタクトファウルをした場合をいう
- 両方のファウルが体の触れ合いを伴うファウルであること
- 両方のファウルが対戦プレーヤー間で起きること
罰則
- 両チームにコンタクトファウルが記録される
- チームファウルシチュエーションでもフリースローは与えられない
再開
- 得点が認められた場合:得点をされたチームのチェックボール
- ボールをコントロールしていたチームあるいはボールが与えられることになっていたチームのチェックボール
- どちらのチームもボールをコントロールしていなかった場合:ジャンプボールシチュエーション
5人制とは違うもの
▶︎5人制のテクニカルファウル
- チェックボールを速やかに行わないこと(例|プレーヤ同士で話をしたり、ポジションを何度もチェンジする、オフェンスまたはディフェンスが有利になるようにポジションを動く、ボールを適切にトスまたはバウンズパスしない)
- 得点後に速やかにプレーを行わないこと、行わせないこと(例|ディフェンスが手や体を使ったりボールに触れたりする、ディフェンスが意図的にボールに触れ、アウトオブバウンズとなる、オフェンスがノーチャージセミサークルの外へ出るまでに、ディフェンスがボールに対してプレーする)
- ゲーム中にコート外の人とインタラクションをとること(例|交代プレーヤーを含むプレーヤーが、ゲーム中にコート外のコーチ、チーム関係者および観客席等から戦術等の指示(口頭、サイン)などを受け、長時間のアイコンタクト、頷きやOKサイン等で反応した(インタラクションを取った)場合
罰則
- 1個のチームファウルとして数える
- 相手チームに1本のフリースロー
再開
- ボールをコントロールしていたチームあるいはボールが与えられることになっていたチームのチェックボール
- 得点が認められた場合:最後にディフェンスだったチームのチェックボール
- どちらのチームもボールをコントロールしていなかった場合:ジャンプボールシチュエーション
※テクニカルファウルを2個記録されたチームメンバーは、失格・退場にはならない
エル「テクニカルファウルは、競技規則の精神と目的に対して意図的あるいは繰り返し行われる協力的でない行為に対して取り上げられるものだから、チェックボールの遅延行為やコート外とのコミュニケーションは3×3特有のものになるね💡」
ラック「良い試合になるためには、審判がしっかり運営できているかどうかだけでなく、プレーヤーと観客の協力が必要不可欠だね!🔥」
アンスポーツマンライクファウルが宣されるもの
- 5対5のアンスポーツマンライクファウルのクライテリアのうち、「プレーヤーがボールにプレーしようと正当に努力していたとしても、過度に激しい触れ合い(エクセシブコンタクト、ハードコンタクト)のみを判断する要素とする
- ボールをコントロールしている相手プレーヤーを抑え込む行為
罰則
- ファウルをしたプレーヤーに1個のアンスポーツマンライクファウルが記録される(2個のアンスポーツマンライクファウルを記録されたプレーヤーは失格・退場となる)
- プレーヤーの1個目のアンスポーツマンライクファウルの場合▶︎2本のフリースロー、ボールポゼッションなし
- プレーヤーが2個目のアンスポーツマンライクファウルの場合▶︎2本のフリースローとボールポゼッション
※ショット動作中のプレーヤーがファウルをされ、そのショットが成功したときは、得点が認められさらに2本のフリースロー - 常に2個のチームファウルを加算
ラック「アンスポーツマンライクファウルは5人制では1個のチームファウルが加算されるけど、3×3では常に2個のチームファウルが加算されるんだ😳」
エル「過度に激しい触れ合いは選手の怪我や乱闘にもつながりかねないしね💦」
プレーヤーや交代要員によって行われる、特に悪質でスポーツマンシップに反する行為に対するファウル。審判やテーブルオフィシャルズあるいは相手チームに対し、暴行を加えたプレーヤーや交代要員は、速やかに失格・退場させられる
罰則
- ファウルをしたプレーヤーまたは交代要員に1個のディスクォリファイングファウルが記録される
- 失格・退場処分を受けたプレーヤーまたは交代要員はコートから立ち去らなければならない
- 2本のフリースローが与えられる
- 常に2個のチームファウルを加算
両チームのプレーヤーや交代要員の間で発生する暴力行為のこと。ファイティングが起こったときや起こりそうなときにチームベンチエリアを離れた交代要員は失格・退場になる。(協力して争いを止めるためであれば、交代要員はチームベンチエリアから出てもよい)
罰則
- 両チームのチームメンバーがファイティングの規定によって失格・退場となる
- チームファウルが2個加算
再開
- ボールをコントロールしていたチームあるいはボールが与えられることになっていたチームのチェックボール
- 得点が認められた場合:得点されたチームのチェックボール
- どちらのチームもボールをコントロールしていなかった場合:ジャンプボールシチュエーション
ラック「悪質なファウルは5人制とルールはほぼ同じだけれど、チームファウルが常に2個加算されることがちがいだね🤔」
エル「3×3のルールと5人制のルールは同じ部分のあるけれど、競技の特性上違うルールになっているものがあるから、しっかり競技の特性を理解することが大切☝🏻✨」
ラック「フェアプレーの精神で、スポーツマンシップに則って競技に参加する。そうすることでみんなが気持ちよく全力でプレーすることができるんだ🔥
ルールがわかると、観戦も楽しくなるよ😊」
参考引用:2022 3×3競技規則・3×3公式解説(インタープリテーション)202204、2022 3×3競技規則変更点サマリー(20220124更新)、3×3プレーコーリング・ガイドライン20220401版(20220427更新)