ファウルやバイオレーションが宣せられてゲームクロックが止められている間に新たなファウルやバイオレーションが宣せられた場合は、特別な処置をします。
その『特別な処置をする場合』のインタープリテーションにも変更や追加があったので、確認していきましょう!
もとになる条文
ゲームクロックが止まっている間に複数の反則が起きて特別な処置をする場合、審判はバイオレーションやファウルが起きた順番を把握し、どの罰則を相殺し、その罰則を適用するのか注意を払って決定しなければならない。
2022解説の改訂前
旧42-9
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの5個目のチームファウルであった。そのあと、A1は至近距離にいるB1の頭にボールをぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1はディスクォリファイングファウルを宣せられる。誰もリバウンドの位置につかずに2本のフリースローがA1と交代したプレーヤーに与えられる。そのあと、誰もリバウンドの位置につかずに2本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。ゲームはフロントコートのスローインラインからチームBのスローインで再開される。

旧42-10
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの3個目のチームファウルであった。そのあと、A1は至近距離にいるB1の頭(または顔)にボールをぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1はディスクォリファイングファウルを宣せられる。チームAのスローインの権利は取り消される。誰もリバウンドの位置につかずに2本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。ゲームはフロントコートのスローインラインからチームBのスローインで再開される。ショットクロックは14秒となる。

旧42-11
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの5個目のチームファウルであった。そのあと、A1はボールをB1の体(手、脚、トルソーなど)にぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1はテクニカルファウルを宣せられる。誰もリバウンドの位置に着かずに1本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。その後2本のフリースローがA1に与えられる。ゲームは通常の最後のフリースローの後と同様に再開される。

2022年改訂後
新42-9
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの5個目のチームファウルであった。そのあと、※A1はB1の体(手、脚、トルソーなど)にボールをぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1は※テクニカルファウルを宣せられる。誰もリバウンドの位置に着かずに※1本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。そのあと2本のフリースローがA1に与えられる。ゲームは通常の最後のフリースローの後と同様に再開される。

新42-10
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの3個目のチームファウルであった。そのあと、A1は至近距離にいるB1の頭(または顔)にボールをぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1は※体の触れ合いのないディスクォリファイングファウルを宣せられる。チームAのスローインの権利は取り消される。誰もリバウンドの位置につかずに2本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。ゲームはフロントコートのスローインラインからチームBのスローインで再開される。ショットクロックは14秒となる。

新42-11
例
B1はドリブルをしているA1に対してファウルをした。このファウルはそのクォーターのチームBの5個目のチームファウルであった。そのあと、※A1は至近距離にいるB1の顔(頭部)に直接ボールをぶつけた。

解説
B1はパーソナルファウル、A1は※体の触れ合いのないディスクォリファイングファウルを宣せられる。誰もリバウンドの位置につかずに※2本のフリースローがA1と交代したプレーヤーに与えられ、誰もリバウンドの位置につかずに2本のフリースローがチームBのいずれかのプレーヤーに与えられる。ゲームはフロントコートのスローインラインからチームBのスローインで再開される。ショットクロックは14秒となる。

エル「改訂後はテクニカルファウルが起きたときの解説が先になっているね💡」
ラック「あれ?
パーソナルファウル→ディスクォリファイングファウルの順でファウルが起きたときはパーソナルファウルの罰則が先で、
パーソナルファウル→テクニカルファウルの順でファウルが起きたときはテクニカルファウルの罰則が先になっているけど…
ファウルが起こった順に処置されるのでは?🤔」
エル「特別な処置をする場合、基本は全てのファウル、バイオレーションは起こった順で処置されるけれど、テクニカルファウルが宣せられたときは、罰則の順序にとらわれずにまず先にテクニカルファウルの罰則の処置をするんだよ😊
テクニカルファウルのフリースローは直ちに行うっていうことになっているんだ☝🏻」


ラック「そうなんだ!
審判はどんなファウルやバイオレーションだったのか、それがどの順で起こったかを注意して把握しないといけないね🙄」
エル「テクニカルファウルが宣せられた場合は先にそのテクニカルファウルの罰則の処置するということになっているけれど、そうじゃない場合もあるみたい。
その解説も改訂されているみたいだから、見てみよう!🏃🏻」
次回、相殺ルールについてふれていきます…