競技規則が2022年度版になって、その解説も最新版となっているよ✨
競技規則の主な解説である『インタープリテーション』の改訂を確認していこう!
ラック「競技規則はわかりやすくまとめられているけれど、いろいろなことが起こるバスケットボールのゲームの全ての場面は書かれていないよね🤔」
エル「そこで、競技規則の原理原則や考え方を実際のゲームで起こりうる場面にあてはめて考えるのがこのインタープリテーションなんだよ☝🏻
それぞれの場面の解釈を考えることは審判としての考えを深めることができるんだ。」
ラック「いろいろな場面の解釈ができることで、ルールの基本的な理解を助けることになりそうだね😊」
今回は、
・プレーヤーの怪我と介助
・ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチの任務と権限
について新しくなった部分の確認をしていくよ😄
※インタープリテーションでは
Aがオフェンス、Bがディフェンスとして表記されていて、
A1〜5、B1〜5がコート上のプレイヤー、A6〜12、B6〜12は交代要員を表しています
第5条 プレーヤーの怪我と介助
『介助』について
『介助』とは?
様子を見ることを含めて自チームのプレーヤーのためにチームベンチを離れること。
もとになる条文
自チームのチームベンチに座ることを許されている人物は、チームベンチエリアに留まっている間に、自チームのプレーヤーを介助することがある。
介助によって速やかなゲーム再開に遅延をきたさない場合、そのプレーヤーは介助を受けたとみなされず、交代する必要はない。
(旧)
5-10
例:A1はフロントコートからのスローインのために、審判から手渡される前のボールを持って待っている。チームAの理学療法士はバックコートの自チームのベンチエリアを離れ、コートの外からA 1のテーピングを補強した。
解説:チームAの理学療法士は自チームのベンチエリアの外でA1を介助している。A1は交代しなければならない。
5-11
例:A1はフロントコートからのスローインのために、審判から手渡される前のボールを持って待っている。チームAの理学療法士はフロントコートの自チームのベンチエリアを離れ、コートの外からA1のテーピングを補強した。
解説:チームAの理学療法士は自チームのベンチエリアの外でA1を介助している。介助が15秒以内に完了した場合、A1は交代する必要はない。15秒以上要する場合、A1は交代しなければならない。(5-11)
(新)
5−10
例:A1はフロントコートからのスローインで、両手でボールを持って待っている。チームAの理学療法士はバックコートの自チームのベンチエリアを離れ、コートの外からA1のテーピングを補強した。
解説:チームAの理学療法士は自チームのベンチエリアの外でA1を介助している。A1は交代しなければならない。
5−11
例:A1はフロントコートからのスローインでA1はまだ手にボールを持っていない。チームAの理学療法士はフロントコートの自チームのベンチエリアにとどまったまま、A 1のテーピングを補強した。
解説:チームAの理学療法士は自チームのベンチエリアの中でA1を介助している。介助が15秒以内に完了した場合、A1は交代する必要はない。介助に15秒以上を要する場合、A1は交代しなければならない。
エル「前のものは、速やかな再開に遅延をきたしているかどうかが交代の判断基準になっていて、介助がフロントコートのベンチエリア外で行われても15秒以内に完了できれば交代を要さないものとなっていたけれど、
今回の改訂から、ベンチメンバーがチームベンチエリアから離れて介助をした場合はフロントコートであっても介助の時間に関わらず交代を要することになっているね💡」
ラック「つまり、
交代を要する:速やかなゲーム再開に遅延をきたす場合とチームベンチエリア外での介助
交代しなくていい:チームベンチエリア内で且つ速やかなゲーム再開に遅延をきたさない場合
ということだね☝🏻」
『怪我』での交代について
(タイムアウトの対応)
もとになる条文
プレーヤーが怪我をしたか出血している、傷口が開いていて速やかに(約15秒以内に)プレーを続行することができない、もしくは介助を受けた場合、そのプレーヤーは交代しなければならない。
ゲームクロックが止まってから再び動き出すまでの間に、タイムアウトがいずれのチームに認められ、怪我をしたプレーヤーがそのタイムアウト中に回復した、あるいは介助を完了した場合は、タイムアウト終了のブザーが鳴る前に審判が怪我をしたあるいは介助を受けたプレーヤーに代わる交代要員を招き入れていなければ、そのプレーヤーはプレーを続行することができる。
(旧)
例:A1が怪我をしてゲームが中断した。A1は速やかにゲームに復帰することが難しく、審判が笛を吹き交代を促した。どちらかのチームが以下のときにタイムアウトを請求した。
(a)A1と交代する交代要員がプレーヤーになる前
(b)A1と交代する交代要員がプレーヤーになった後
タイムアウト終了後、A1の手当てがすでに終わり引き続きプレーを続けようとした。
解説:
(a)もしA1がタイムアウトの間に手当てが終わっていたのであれば、引き続きプレーを続けることができる。
(b)A1と交代する要員がすでにプレーヤーとなっている。よって、A1は、ゲームが再開しゲームクロックが動いた後再び後退が認められる時機になるまでは、コート上に戻ることはできない。
(新)
例:A1が怪我をしてゲームは中断された。A1は速やかにプレーを続けることが難しく、審判は笛を吹き、通常の交代の合図をした。どちらかのチームが以下のときにタイムアウトを請求した。
(a)A1と交代する交代要員がプレーヤーになる前
(b)A1と交代する交代要員がプレーヤーになった後
タイムアウト終了後、A1の手当てがすでに終わり引き続きプレーを続けようとした。
解説:
(a)もしA1がタイムアウトの間に手当てが終わっていたのであれば、引き続きプレーを続けることができる。
(b)A1と交代する要員がすでにプレーヤーとなっている。よって、A1は、ゲームが再開しゲームクロックが動いた後再び後退が認められる時機になるまでは、コート上に戻ることはできない。
ラック「「審判が笛を吹き交代を促した」と表記されていたのが、今回の改訂から「通常の交代の合図をした」と表記されているよ🙄」
エル「通常の交代の合図と、招き入れる合図はそれぞれのシグナルがあるから、交代を促すという表記からより明確な表記がされているね!」
ラック「招き入れる合図のありなしで交代になるかどうかが決まって、
招き入れて交代要員がプレーヤーになった場合は、交代しなければならないんだったね💡」
(スターティングメンバーの怪我と複数フリースローの間の怪我)
条文の改訂
(旧)
ヘッドコーチがゲームの最初に出場するプレーヤーを確認してサインをした後に、それらのプレーヤーが怪我をした場合、あるいはフリースローの間に、怪我をしたシューターの手当てが必要なときには、そのプレーヤーを交代できる。その場合、相手チームも同じ人数のプレーヤーを交代できる。
(新)
ヘッドコーチが指定したゲームの最初に出場するプレーヤーが怪我をして交代する場合がある。またあらゆる怪我によって複数のフリースローの間に処置を受けるプレーヤーは交代しなければならない。
これらの場合、相手チームも同じ人数のプレーヤーを交代することができる。
エル「スターティングメンバーが怪我をして交代する場合、相手チームも同じ人数のプレーヤーを交代することができること。これは表記が変更されたんだね☝🏻」
ラック「『フリースローの間』が『複数のフリースローの間』という表記に変わって、以前はシューターについての表記だったのが、今回の改訂では『シューター』ではなくて『処置を受けるプレーヤー』と表記されているわ。
シューターだけじゃなくてシューター以外の選手の怪我や処置のために交代したら、相手チームも同じ人数プレーヤーを交代できるということだね🤔」
エル「プレーヤーの怪我と介助についてはこんなところかな!
『チーム』についてのルールの解説では、ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチの任務と権限へ追加されたものもあったから確認しよう😊」
ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチの任務と権限
追加事項
例:チームAのヘッドコーチは怪我をしているプレーヤーもしくはプレーすることのないプレーヤーをスコアシートに記入することを望んだ。
解説:怪我をしているプレーヤーやプレーをすることのないプレーヤーは、スコアラーに提出するチームメンバーの名前と対応する番号のリストに含めることはできない。
【補足】国内大会においては大会主催者の考えにより変更することができる。
例:チームAのヘッドコーチは怪我をしているプレーヤーもしくはプレーすることのないプレーヤーがゲーム中にチームベンチに座ることを望んだ。
解説:チームはチームベンチに座ることが許される8人のチーム関係者の構成を自由に決定することができる。
ラック「怪我をしている選手をメンバー表にいれてチームメンバーとして登録するのはFIBAでは認められないんだ😳」
エル「でも、チームメンバーでなくてもチーム関係者としてチームベンチに座ることはできるということだね👍🏻」
ラック「今回は怪我、介助での交代やタイムアウトの対応についてよく確認できたよ👏🏻」
エル「交代とタイムアウトについての改訂もされているから、次はそこは確認していこう!✊🏻」