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海外プロジェクト スペインコーチツアー特別レポート Vol.2(ピティ・ウルタド氏との会談②) 

2017年5月30日

練習について考えること

2017年3月10日、スペインコーチツアーにてピティ・ウルタド氏と会談をさせて頂きました。ピティ氏は元レバンガ北海道のヘッドコーチで、現在はスペインでコーチ業やテレビ解説などもされている方です。日本とスペインの両国のバスケットを熟知するウルタド氏の視点からいろいろなお話を聴くことができました。会談の内容をレポートにまとめましたので是非多くの皆さんにご覧頂ければと思います!!!今回は会談レポート第2弾としてピティ氏のバスケットボールコーチとして意識されていることについてお届けします。

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出典:¿Quién es Piti Hurtado? Conoce a nuestros fichajes

ピティ・ウルタド氏について

1999年より指導者のキャリアをスタートさせ、スペインリーグ(ACB)の複数のチームでアシスタントコーチとして活躍。同時に育成年代の指導も行っており、スペイン協会では指導者育成にも関わるなど多方面で活動。
2013-14シーズンNBLのレバンガ北海道のHCに就任。
現在は育成年代の指導の傍ら、バスケットボールのテレビ解説者としての活動も行っている。

練習の強度(INTENSITY)について

日本では監督やコーチが椅子に座ったまま練習をしている光景を良く目にします。その時、本当にその練習は選手にとってベストの練習なのか疑問を感じてしまいます。例え練習がスムーズに進んでいたとしても、それが選手にとってやり慣れた練習になっていないか?やり慣れているということは、快適なレベルで強度の高くない練習をしてしまっている可能性が高いわけです。

例えばシューティングなど、打ち込みなどの反復練習は個人でやるべきだと思います。仮にチームでシュート練習をしなければいけない時は、同じ場所同じシュートを何本も打つのではなく、選手自身が考えて取り組む内容にするべきではないでしょうか。選手自身がそこから打つべきなのか、打つべきではないのか、それとも場所を変えるのかなどを考えさせるのです。
バスケットボールの試合では状況によって打つタイミングや、別の場所で打つなど状況判断を求められます。ですので練習の段階から状況判断の負荷は上げていくべきでしょう。

意識して使っていた言葉

私が日本で練習を指導をしていた時に一回の練習のなかで約20個ほどの日本語を使っていました。その中でよく使ってた言葉が3つありました。
1つ目は、パス。
2つ目は、走れ。
3つ目は、肝っ玉。

1つ目の「パス」は、ボールを持ちすぎないように、ボールを回してシェアしてほしい。チャンスとなる場所へボールを供給しなさい。という想いでよく使っていました。
2つ目の「走れ」は、バスケットボールのスピードを上げなさい。スピードの中で考えるスピードを上げなさい。状況判断のスピードを上げる意味合いも込めて走れと言っていました。
3つ目の肝っ玉(笑)は、毎回言うわけではなく表現を変えて言っていたりもしましたが、伝えたかったことは、メンタル的な度胸であったり、強い気持ちを持ちなさいという意味合いを込めながら若い選手に伝えることが多かったです。

英語が堪能ではないため、英語を喋れる選手が通訳もしてくれていましたが、私自身も選手との距離を近づけたかったので、可能な限り日本語を使ったり、肝っ玉という言葉(ウケが取れる)を使ったりしていました。

ミスが起きた時について

日本人は一回の失敗を引きずり、フラストレーションを溜め易い傾向があると感じました。

ミスについてですが、シュートミスやファールなどは試合でよく起こることであるので気にしすぎる必要はない。
ただ、戦術的なミスについては話し合う必要がある。いつパスをするのか?どこにパスを出すのか?どんなパスを出したらいいのか?ボールを持っていない選手はどこにいくべきなのか?またどんなタイミングで、どのスペースでもらうべきなのか?こういった戦術的な部分でミスが起きたときには話し合いをするべきだと思う。それをしなければ、何度も同じミスを繰り返す可能性がありますので。チームとして成長するためには話し合う時間を作ることが大事です。

コーチとしては、上手くいく練習ばかりではなく、あえてミスが起こりそうな状況や条件を練習を取り入れて、ミスに対して選手が対処しなければいけない練習も行います。戦術的なミスがいつも以上に起きた時に選手は、いつもよりフラストレーションを溜めると思います。それもトレーニングの一環なのです。その戦術的なミスが起きた時にコーチとしてもたくさん叱ることもあると思いますが、練習後には、上手くいかないことやミスが起きてしまうことに深く考えすぎないように、気にし過ぎないようにと選手にも伝えます。物事が上達していくには、どうしても時間がかかってしまいますよね。

また、ミスが起きた時に指導者は選手たちが自分たちで問題を解決するまで待つ必要もあります。
パスミスが起きた時に、選手が考えるよりも先にコーチが正解を伝えてしまうとその選手の考える機会を奪ってしまうことにもなりますし、なぜそれが良いのかということを考え始めてしまい、練習中に深く考えてしまうことに繋がってしまい悪循環に陥ってしまいます。深く考えてしまうということは、判断まで時間が掛かってしまい、次のプレーに対する対応が遅くなってしまうことを意味します。

選手がミスを犯した時に、そのミスについて深く考え過ぎることは「2個目のミス」を犯しているとスペインではよく言われます。
つまりパスミスが1個目のミス。そのミスについて考え過ぎて次のプレーの妨げとなってしまうことが2個目のミスになのです。
時には深く考えることも必要だが、選手は一つのミスについて、深く考え過ぎず、ミスの原因を素早く解消し、次のプレーに切り替えられるように促して上げることも大切だと思っています。

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出典:Español “Piti” Hurtado sustituirá como DT a Tony Ruiz en Guaiqueríes

数あるドリルから何を選択したら良いか

今の時代、インターネットでもたくさんの練習動画が載っていたり書籍も簡単に手に入ったりすると思います。そこで大切になるのがドリルの数ではなく、チームのあるべき姿に近づくためにどんな練習が必要なのかを把握する能力です。また実戦の中で技術を発揮するために、練習強度を上げたり、様々な条件下でも正確な技術が発揮させられるようなドリルを取り入れていくことが大事だと思います。

そのためにパスがどれだけ重要なのかをコーチが整理しどれだけこだわって行えるか。また、個人のドリブル能力も必要ではあるが、チーム戦術の中で、適正なドリブルを使えるかというのも伝えなければいけない。

ドリル紹介

ピティ・ウルタド氏からオススメのパス技術向上ドリルを紹介して頂きました。

■プレイヤー人数
オフェンス4人
ディフェンス3人

■必要なコート範囲
ハーフコートの2分の1

■オフェンスのクリア目標
16秒間ボールを回しディフェンスに一回もボールを触られないようにする

■ルール
☆オフェンス
・ドリブルなし
・移動範囲はピボット1歩分
・ロブパスは認めない

☆ディフェンス
・ボールマンプレッシャーをかける

■ポイント
オフェンス側はピボット一歩分しか動けないため、パスを出す選手は、右手、左手のワンハンドパスや、フックパス、スナップパスなどの技術を養う
ボールが来る前に状況を把握しノーマークになる選手を予測し判断能力を磨く
ディフェンスに触られないようにボールは強く速く正確に味方に出せるようにする




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